居抜き物件の売却は、買主にとって魅力的な立地であったり、設備が整っていたりすることで有利になります。
また居抜き物件の中には、専用の駐車場が備わっているところもあり、こちらも売却しやすい物件の特徴です。
今回は、駐車場付き居抜き物件が売却しやすい理由について解説します。
駐車場付き居抜き物件が売却しやすい理由5選
駐車場が備わった居抜き物件は、以下のような理由で売却しやすくなります。
・車利用者の集客ができる
・立地の悪さをカバーできる
・大人数の来店が望める
・路上駐車のトラブルを防止できる
・雨の日でも集客しやすい
各項目について詳しく説明します。
車利用者の集客ができる
当然のことですが、駐車場付き居抜き物件であれば、車利用者の集客を行うことができます。
店舗を訪れたものの、駐車場がないとその顧客は他の飲食店に流れてしまいます。
このような見込み客を失うことは、居抜き開業を行う買主にとって大きなデメリットです。
駐車場付き居抜き物件であれば、このような心配は少ないです。
特に大型の駐車場を構える居抜き物件であれば、満車で顧客が入れないという状況も回避しやすく、多くの買主が魅力を感じてくれます。
立地の悪さをカバーできる
駐車場付き居抜き物件は、立地の悪さをカバーできることから、売却時は有利になりやすいです。
周辺に住宅が少なかったり、駅が離れていたりする物件では、開業直後の集客に苦労しやすいです。
そのため、居抜き売却にも時間がかかるおそれがあります。
一方駐車場付き居抜き物件は、遠方から訪れる車利用者も集客できるため、駐車場がない物件と比べて商圏が大きく広がります。
このことから、立地が悪くてもある程度の集客力を維持できます。
大人数の来店が見込める
駐車場付き居抜き物件が売却しやすい理由としては、比較的大人数の来店が見込めるということも挙げられます。
徒歩や自転車などの顧客しか来店しない店舗は、顧客が1人で訪れるケースも多く見られます。
一方駐車場付き居抜き物件は、2人以上で訪れるケースも多く、5人以上などの大人数で来店するケースも珍しくありません。
そのため客単価が高くなりやすく、開業直後からでもある程度の売上が期待できます。
居抜き売却では、こちらの点が買主に評価されることが多いです。
路上駐車のトラブルを防止できる
路上駐車のトラブルを防止できるという点も、駐車場付き居抜き物件が売却しやすい理由の一つです。
先ほど、店舗に駐車場がないことがわかった見込み客は、別の飲食店に流れてしまうという話をしました。
しかし、必ずしもすべての顧客がそうするとは限りません。
中には店舗の前の路上に車を停めたまま、来店する顧客もいます。
もちろん、集客数が増えれば飲食店の売上は上がりますが、路上駐車は近隣住民や顧客同士のトラブルにつながるため、飲食店側で防止しなければいけません。
駐車場が十分に確保されている居抜き物件であれば、路上駐車が起こる可能性は低いため、買主は負担を軽減できます。
雨の日でも集客しやすい
駐車場付き居抜き物件は、雨の日でも集客しやすいため、業態によっては買主に好まれやすい傾向にあります。
特に2階が店舗、1階が駐車場になっているような物件の場合、顧客は一切雨に濡れることなく来店できる可能性があります。
そのため、周辺店舗の状況などによっては、むしろ雨の日の方が集客数は増えることも考えられます。
雨の日の集客は飲食店にとって永遠のテーマであり、天候に左右されないというのは居抜き市場において大きなアピールポイントになります。
駐車場付き居抜き物件の売却に苦戦するケース
駐車場付き居抜き物件は、前述の通り居抜き売却時には好印象を与えやすいですが、中には売却に苦戦するケースもあります。
例えば、周囲の居抜き物件と比べて明らかに賃料が高い場合、どれだけ魅力的な物件でも買主は減少します。
駐車場付きであるメリットが大きい反面、このような物件は相場よりも賃料が高くなりがちです。
もちろん賃料が高くなればなるほど、飲食店は大きな利益を出さなければいけません。
このように、費用対効果が見込めない場合は、売却期間が長引いてしまうおそれがあります。
また駐車場付き居抜き物件は、場内で顧客同士、または顧客と飲食店側とのトラブルが起こることも考えられます。
顧客同士の接触事故などについては、基本的に飲食店側の責任にはならないケースが多いですが、このようなトラブルが起こらないように対策を取らなければいけません。
特にトラブルへの対策を講じていない場合、買主に良くない印象を与えてしまうことがあります。
まとめ
ロードサイドなどには、駐車場付きの居抜き物件が多く存在します。
これらの物件は集客力が高く、立地の悪さをカバーできる可能性もあることから、売り出せばある程度購入希望者が見つかるでしょう。
ただし、売却時には他の居抜き物件と同様、より良い印象を与えるために工夫する必要があります。
特にポイントを押さえていなかった場合、なかなか購入希望者が見つからないことも考えられます。