店舗の居抜き買取りには、開業時の初期費用を抑えられることや、スピーディーに開業できることなどのメリットがあります。
しかし、前もって把握していおかなければいけないデメリットもあるため、注意してください。
ここからは、居抜き買取りの主なデメリットについて解説したいと思います。
居抜き買取りのデメリット6選
前店舗の内装や造作をそのまま使用し、低予算かつ迅速に開業したい方にはおすすめの居抜き買取りですが、こちらには以下のようなデメリットもあります。
・店舗のデザインを変更しにくい
・設置された設備がすべて使えるとは限らない
・前の店舗のイメージが残る
・物件や立地の問題を抱えている可能性がある
・内装にこだわるとコストが高くなる
・物件のオーナーとの交渉が必要な場合がある
店舗のデザインを変更しにくい
居抜き買取りによって店舗を開業させる場合、すでに設備が設置されている状態なのは嬉しいですが、こちらは店舗のデザインを変更する際にはデメリットとなる可能性があります。
例えば、陳列棚を居抜き買取りによって取得していても、こちらを別の場所に設置したいという場合は、撤去費用と組み立て費用がかかります。
そのため、結局は新たに調達するのとあまり変わらないのであれば、スケルトン物件で新規取得した方が自由度は高いと言えます。
設置された設備がすべて使えるとは限らない
居抜き物件にはさまざまな設備が付帯していますが、これらがすべて問題なく使えるとは限りません。
例えば、全店舗の経営者が設備を雑に利用していた場合、またはかなりの長期間にわたり、メンテナンスをせずに使用し続けていた場合は、開業前に設備の改修工事を行わなければいけないこともあります。
特に、水回りの設備における工事は、工事費が高くつきやすいため、問題があると居抜き買取りのメリットは大きく薄れてしまいます。
前の店舗のイメージが残る
居抜き買取りで開業する場合、どうしても前の店舗のイメージは残ってしまいます。
もちろん、前店舗が繁盛店であり、接客やサービスの評価も高ければ、居抜き買取りによって良いイメージを引き継ぐことができますが、近隣住民へ悪いイメージを与えていた場合には、店舗経営において大きな足かせとなる可能性があります。
特に、ラーメン屋⇒ラーメン屋といったように、前店舗と同じ業態の店舗を開業する場合、イメージはかなり強く引き継いでしまうため、もし悪いイメージが付いているのであれば、刷新のために大幅な計画変更をしなければいけないことも考えられます。
物件や立地の問題を抱えている可能性がある
居抜き買取りでは、好立地の物件を良い条件で手に入れられる可能性もあります。
しかし、その物件が売りに出されているということは、前店舗が廃業に追い込まれたということであり、こちらには何か特別な事情があるかもしれません。
例えば、そのエリアの人の流れが悪かったり、嫌なニオイがしたり、騒音がうるさくて落ち着かなかったりといった理由で、前店舗が廃業した場合、居抜き買取りで開業した方もその影響を受けることになります。
また、その物件や立地自体に問題がなくても、近くに人気の競合店があったり、アルバイトがなかなか集まらなかったりといった問題点があれば、店舗経営はかなり不利になってしまいます。
内装にこだわるとコストが高くなる
居抜き物件は、すでに店内がほとんど完成された状態のため、買主にとってすべての条件を満たした物件を見つけるのは難しいです。
また、ここで妥協せずに内装にこだわり、何度も工事を行ってしまうと、せっかく安く物件や造作を手に入れたにもかかわらず、結局コストは高くなってしまいます。
ちなみに、全店舗のイメージを引き継がないようにするには、工事で内装や外装をガラッと変えるのではなく、事前の広告活動などにより、開業までに近隣住民に良いイメージを与えるなど、別の方法で工夫することをおすすめします。
物件のオーナーとの交渉が必要な場合がある
居抜き買取りによって物件を手に入れたのは良いものの、その後物件のオーナーと交渉をしなければ、希望する業態の店舗が開業できないというケースがあります。
よくあるのは、重飲食の開業に伴うトラブルです。
重飲食とは、業務用コンロを使用し、調理を行う店舗をいいます。
具体的には、カレー屋やラーメン屋、焼肉屋や中華料理屋といった業態であり、これらは物件のオーナーから敬遠されやすいです。
なぜなら、これらの業態は煙やニオイが発生しやすく、建物だけでなく近隣住民にも影響を及ぼす可能性があるためです。
そのため、前店舗の業態がカフェなどの軽飲食であった場合は、注意が必要です。
まとめ
ここまで、居抜き買取りの主なデメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
居抜き買取りした物件は、レイアウトの自由度がそれほど高くない上に、設備や評価、立地などの問題を抱えている可能性もあります。
そのため、スピーディーに開業できるとは言え、物件選びの時間はしっかりと確保することをおすすめします。