飲食店の居抜き買取りと言えば、駅前や繁華街など、多くの人が行き交う立地での開業をイメージしている方も多いかと思います。
しかし実際はそうとは限らず、路地裏にひっそりと佇んでいる物件が買取りの候補になることもあります。
今回は、路地裏の居抜き買取りにおけるメリット・デメリットを解説します。
路地裏とは?
路地裏は、表通りに面していない立地です。
路地が表通りに面していない小さな道を指すのに対し、路地裏はその場所自体を意味しています。
飲食店の居抜き物件は、店舗数が多い立地ほど売りに出される可能性が高くなります。
路地裏には、居酒屋やスナックなどの飲食店が多く建ち並ぶケースがあり、このような立地では居抜き物件もよく見られます。
そのため、買主の条件を満たした物件が路地裏で見つかるというケースは十分にあり得ます。
路地裏の居抜き買取りにおけるメリット
路地裏の物件で居抜き開業を行うメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・コストを抑えられる
・競合店と差別化できる
・リピーターを獲得しやすい
・周辺が静かで落ち着いている
各メリットについて詳しく説明します。
コストを抑えられる
路地裏の居抜き買取りには、コストを抑えられるというメリットがあります。
特に抑えられるのは、月々の賃料です。
同じエリアであっても、路地裏に入るだけで大幅に賃料が安くなるケースがあります。
一等地であっても路地裏であっても、開業直後には利益が伸びないリスクがあることには変わりません。
そのためコストの安い物件を選び、少しでもリスクを減らしたいという方にはおすすめです。
競合店と差別化できる
路地裏の物件で居抜き開業を行えば、競合店との差別化が図れる可能性もあります。
通常路地裏の店舗を訪れる顧客は、チェーン店にはない何かを求めています。
そのためあえて繁華街を避けることで、「路地裏に出店するということは、何か戦略があるに違いない」と思ってもらうことができます。
また「通好みのサービスが期待できるかもしれない」と思ってもらえれば、駅前や繁華街などの競合店との差別化が可能です。
リピーターを獲得しやすい
路地裏の物件で居抜き開業をすることには、リピーターを獲得しやすいというメリットもあります。
人通りが少ない路地裏の店舗を訪れる顧客は、時間を潰すことが目的で訪れるケースが少ないです。
こちらはつまり、一回限りの利用で去ってしまう顧客が少ないということです。
そのため、目的を持って訪れてくれた顧客に質の高いサービスが提供でき、リピーターを獲得しやすくなります。
周辺が静かで落ち着いている
居酒屋やスナックなどでごった返している立地でなければ、路地裏の物件周辺は静かで落ち着いた雰囲気であることが多いです。
このような立地で居抜き開業を行う場合は、顧客にゆっくりと贅沢な時間を提供しやすいです。
例えば手入れした庭にテーブル席を設けたり、座り心地の良いソファーを設置したりして、顧客に対し非日常の雰囲気を演出することが可能です。
路地裏の居抜き買取りにおけるデメリット
一方、路地裏の居抜き買取りには以下のようなデメリットもあります。
・人通りが少ない
・宣伝しづらい
・駐車しづらい
各デメリットについて詳しく説明します。
人通りが少ない
路地裏の居抜き買取りにおける最大のデメリットは、やはり人通りが少ないことです。
多くの店舗が建ち並んでいる路地裏であっても、生活道路でなければ、そのエリアの店舗に来店する顧客しか基本的には通りません。
特に平日の昼間などは、極端に人通りが少なくなり、ランチ需要はあまり見込めない可能性が高いです。
そのため、店舗の存在が多くの方の目に留まることはなく、最初の集客方法は工夫しなければいけません。
宣伝しづらい
路地裏の居抜き買取りには、店舗の宣伝をしづらいというデメリットもあります。
駅前や繁華街であれば、大きな看板を出すことができますが、路地裏は道自体が狭いため、そこまで大きな看板は設置できません。
また店舗の宣伝がしづらいということは、アルバイトなどの従業員も集まりにくいということになります。
そのため、顧客と求職をする方への宣伝には、ホームページやSNSの活用が必須になります。
駐車しづらい
路地裏の居抜き物件では、顧客専用の駐車場を確保するのも難しいです。
そのため、車で来店する顧客の集客は基本的には見込めません。
もちろん、居酒屋などアルコールを提供する店舗であれば特に問題ありませんが、ファミリー向けの業態などは路地裏での開業には向いていないと言えます。
まとめ
路地裏の居抜き物件は、戦略次第で繁盛店にできるポテンシャルを秘めています。
またさまざまなコストを節約できるため、居抜きという開業方法との相性は決して悪くありません。
しかし、集客力で駅前や繁華街、オフィス街などよりも劣っているのは事実です。
そのため、単純に安さだけで物件を選んでしまうと、すぐに経営が立ち行かなくなってしまうことも十分考えられます。