大きな1つのテーマを持って、居抜き物件のリノベーションを行うというケースがあります。
また、リノベーションにおけるテーマの1つに、“大正ロマン風”が挙げられます。
ここからは、居抜き物件の大正ロマン風リノベーションにおけるポイントなどについて解説しますので、ぜひご覧ください。
大正ロマン風の概要
そもそも大正ロマンとは、大正時代の雰囲気を伝える思潮、文化事象のことをいいます。
具体的には、都会の華やかさと不安感が混在した社会思潮、および退廃的で和洋折衷の雰囲気をまとった文化を指しています。
また、リノベーションにおけるテーマとして数えられる大正ロマン風とは、上記からヒントを得て、地味さ加減やレトロな雰囲気をうまく活かしたデザインのことをいいます。
わかりやすく言うと、和洋折衷の中にレトロ、クラシックといった要素が組み込まれたデザインです。
西洋文化が日本に入ってきたばかりの頃のデザインであり、和と洋を多少強引に融合させることで、独特なオシャレさを演出することができます。
居抜き物件の大正ロマン風のリノベーションにおけるポイント
では、大正ロマン風というテーマを持って居抜き物件をリノベーションするには、具体的にどのようなポイントを押さえて工事をすれば良いのでしょうか?
詳しく見てみましょう。
壁は基本的にシンプルな色使い
大正ロマン風のリノベーションをするのであれば、部屋の大部分を占める壁の色はシンプルな色使いを心掛けるのが基本です。
具体的には、白をベースにこげ茶や黒の梁、木枠などを追加していくというイメージです。
また、大掛かりな工事をする必要はなく、リノベーション前から壁の色が白い場合は、マスキングテープを貼ったり、木板を打ち付けたりするだけでも、十分大正ロマン風になります。
ちなみに、壁の色だけでなく、壁紙や素材にこだわることでも、より大正時代の雰囲気を演出できます。
例えば、ウィリアム・モリスやダマスク柄、市松模様や唐草模様など、ゴージャスでクラシックな柄・模様の壁紙はおすすめです。
そして、より大正ロマン風を意識するのであれば、できるだけ光沢があって高級感を感じられる、上質な木をセレクトしましょう。
インテリアには洋風アンティークなものを
居抜き物件の大正ロマン風リノベーションをするにあたっては、インテリアの設置も重要なポイントです。
特に、大きくて重厚感のある西洋家具は、大正ロマン風の象徴とも言えます。
例えば、ペルシャ風カーペットや、レザーやコーデュロイ、ベルベットなどを用いたソファーなどです。
また、これらのインテリアにはシックな色合いのものが多く、店舗全体を落ち着いた雰囲気にリノベーションしておくことで、よりモダンでオシャレな雰囲気になります。
ただし、大正ロマン風のイメージの1つにカラフルというものがあるため、ライトや小物などには赤、黄色といった色を入れるのも忘れてはいけません。
もっといえば、壁掛け時計をデジタルではなく、振り子時計や吊り時計にするなどの細かい工夫も重要です。
格子窓の設置もおすすめ
格子窓の設置も、居抜き物件の大正ロマン風リノベーションをするにあたって欠かせないポイントの1つです。
大正時代には、明治時代とは異なるオリジナリティのあるデザインが目立つようになり、格子を幾何学的に組んだり、一部にステンドグラスを採り入れたりする窓が増加しました。
そのため、格子窓を設置するだけでも、一気に雰囲気は良くなります。
また、格子窓に結霜ガラスをはめ込めば、レースカーテンのように近隣からの視線を遮ることができるため、こちらもおすすめです。
ちなみに、現在でも格子窓は建具屋で購入できますが、イメージにピッタリのものを見つけるのはなかなか難しいため、その場合は建具屋あるいはリノベーション会社にオーダーしてみましょう。
余裕があれば腰壁も設けよう
リノベーションの費用や時間、スペースに余裕がある場合は、腰壁を設けるのもおすすめです。
腰壁とは、床から腰高程度に張る別仕上げの壁をいい、壁を守るための仕上げとして、あるいは単調な壁面にアクセントを加えるために張られます。
クラシックなホテルや、教会などでよく見られます。
腰壁を窓の下枠などに合わせて設けると、レトロな雰囲気がより際立ちます。
また、天井が低めの部屋に設置する場合は、腰壁を腰高よりも少し低めにして重心を下げましょう。
そうすることで、天井の低さはそれほど気になりません。
もっといえば、腰壁の素材も重要です。
例えば、赤褐色のサペリなどを使用すれば、女性らしい大正時代の華やかな雰囲気が広がります。
まとめ
居抜き物件で大正ロマン風のリノベーションを実施すれば、日本人なら誰もが落ち着くような雰囲気を醸し出しながら、個性的な店舗作りをすることができます。
特に、築年数がある程度経過した居抜き物件などをリノベーションする際は、ポイントを押さえながら採り入れてみることをおすすめします。
また、それほど費用に余裕がない場合でも、壁紙やインテリアを少し工夫するだけで、大正時代の独特な雰囲気を出すことは可能です。