居酒屋を経営する方の中には、経営不振や移転などの理由により、居抜きでの店舗売却を考えている方もいるでしょう。
また、そのような方は、当然多くの造作譲渡料を得たいと考えます。
ここからは、好条件での居抜き売却がしやすい居酒屋の特徴について、詳しく解説したいと思います。
好条件での居抜き売却が期待できる居酒屋の特徴4選
以下のような特徴を持つ居酒屋は、ニーズも多く、多くの造作譲渡を得ることができる可能性が高いです。
・厨房設備が充実している
・面積が広い
・清潔感がある
・立地が良い
厨房設備が充実している
好条件での居抜き売却がしやすい居酒屋の特徴としては、まず“厨房設備が充実している”ということが挙げられます。
居酒屋の店舗数は非常に多く、同じエリアで複数の店舗がしのぎを削っているというケースも多いです。
そのため、ただ美味しいだけでなく、独創的なメニューを提供しなければ、なかなか競争には勝てません。
厨房機器が充実した居酒屋のニーズが高い理由は、こちらの独創的なメニューを作ることにとても適しているからです。
ほとんど工事をせず、新しい入居者がすぐに使用できるような状態であれば、なおさら買い手は付きやすくなるでしょう。
ちなみに、厨房設備だけでなく、排気または排水設備が整っている居酒屋も、好条件での居抜き売却が期待できます。
例えば、居酒屋などの飲食店では欠かせないグリストラップが正常に機能していれば、それだけで造作譲渡料はアップする可能性があります。
面積が広い
“面積が広い”ということも、好条件での居抜き売却が期待できる居酒屋の特徴です。
具体的にいうと、団体客を取り込めるスペースがある物件は、高値で売却しやすいでしょう。
近年、新型コロナウイルスの影響により、忘年会や新年会といった人が大勢集まるイベントは、あまり開催されなくなりました。
それでも、面積が広い方が、苦境の居酒屋にとって好都合であることに変わりはありません。
例えば、コロナ感染対策として、半個室のようなレイアウトにする際、面積が狭いと、店内の席数は著しく少なくなります。
一方、団体客を取り込める程度のスペースがあれば、1つ1つの席の距離を取り、半個室を設置しても、大きく集客率が落ちることはありません。
清潔感がある
好条件での居抜き売却が期待できる居酒屋の特徴には、“清潔感がある”ということも挙げられます。
こちらは、居酒屋に限ったことではありませんが、食品を扱い、なおかつそれを来客に提供する飲食店において、やはり清潔感は重要なポイントです。
また、先ほども少し触れたように、ここ最近は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、清拭や殺菌といった作業がよくチェックされています。
そのため、コロナ対策アイテムが多く残っている場合も、造作譲渡料がアップする可能性は高くなります。
ちなみに、飲食店におけるコロナ対策アイテムには、以下のようなものが挙げられます。
・アクリルスタンド、パーテーション
・ビニールカーテン
・フロアシール
・ポンプスタンド
・ペダル式ゴミ箱 など
立地が良い
“立地が良い”という特徴を持つ居酒屋も、当然好条件での居抜き売却が期待できます。
駅チカなどにある居酒屋は、周辺に数々の競合店がひしめいている可能性が高いですが、それでも好立地であることには変わりないため、比較的高値で売却できるでしょう。
ただし、最寄り駅の規模が極めて小さい場合、あまり良い評価が得られない可能性があるため、注意してください。
逆に、規模が大きく、複数の路線が乗り入れている駅が近くにあれば、あらゆる層をターゲットにできるため、より多くの買い手が集まるでしょう。
居酒屋の居抜き売却におけるポイント
清潔感を出すといった工夫は、どのような居酒屋でもある程度実践できます。
しかし、売却するときになって面積を広くしたり、立地を良くしたりすることはできません。
よって、それほど強みを持っていない居酒屋のオーナーは、以下のポイントを押さえ、少しでも居抜き売却を有利に進めるようにしましょう。
・適切な価格設定をする
・価格に含まれるものを明確にする
適切な価格設定をする
できるだけ居酒屋の居抜き売却を高額で成立させたい気持ちはわかりますが、大きな強みがない場合は、なるべくエリア、間取り、面積などから弾き出した相場価格で売却しましょう。
価格に含まれるものを明確にする
居酒屋の居抜き売却では、売買成立後にトラブルが起こるケースも多いです。
特に多いのは、売主が譲渡する予定だった設備と、買主が受け取るはずだった設備の認識に違いがあるというケースです。
売主は、あらかじめ譲渡する設備をすべてリスト化し、買主に提示することで安心感を持ってもらえるため、売買交渉の際にはぜひ実践しましょう。
まとめ
ここまで、好条件での居抜き売却がしやすい居酒屋の特徴を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
コロナ感染拡大に伴う営業時間短縮や休業、酒類の提供禁止などにより、やむを得ず居抜き売却をしようとするオーナーは少なくないと思います。
このようなケースは極めて不本意かとは思いますが、せめて好条件で売却し、次のステップにつながることを考えましょう。