パン屋は幅広い層から人気の業態であり、いつか自身の手でパン屋を開業してみたいという方も多いかと思います。
しかし、パン屋は大手チェーン店やスーパー、コンビニなど競合店が多く、経営が簡単な業態とは言えません。
今回は、少しでも有利にパン屋を開業するために、パン屋の居抜き買取りにおけるポイントを解説します。
パン屋の居抜き買取りで注目したい設備について
パン屋を居抜き物件で開業しようとする場合、基本的には前店舗もパン屋であった物件を探すようにしましょう。
こちらは、独自の設備や機器が必要なケースが多く、他の飲食店の居抜き物件では、なかなかこれらの造作が残っているケースは少ないからです。
特に、以下のような設備や機器が残っている物件はおすすめです。
・ミキサー
・ホイロ
・ベーカリーオーブン
・コーヒーマシン
ミキサー
業務用ミキサーは、大量の生地を効率的かつ均一にこねることができ、パン生地だけでなく、クッキーやケーキなどの生地にも使用できるため、パン屋の居抜き買取りでは、こちらの設備があるかどうか確認しましょう。
特に、パワフルなモーターや可変速度設定などの機能が付帯しているミキサーは、パン屋の経営において非常に重宝します。
ホイロ
パンを焼き上げる前の最終発酵を行う発酵器であるホイロも、パン屋の居抜き開業には欠かせません。
そのため、居抜き買取りを行う物件にこちらが残っている方が、開業時のイニシャルコストを削減できます。
また、ホイロの他にも、生地を発酵させる機器として、ドゥコンディショナーがあります。
こちらは、パン生地の保冷や冷凍パン生地の解凍から発酵までの工程について、自動制御することができる優れものです。
ベーカリーオーブン
ベーカリーオーブンは、業務用のパンやお菓子を焼き上げるオーブンであり、パン屋の居抜き物件にあると特に嬉しいのは、コンベクションオーブンです。
コンベクションオーブンは、焼く機能に加えて、熱風で熱する機能を持っているため、食材にじっくり火を通すのが得意です。
そのため、中はフワっと、外はパリッとした美味しいパンを焼き上げることができます。
コーヒーマシン
イートインスペースのあるパン屋を居抜き開業しようとする場合は、コーヒーマシンが設置されているかどうかもチェックしましょう。
業務用のコーヒーマシンは、高価なモデルが少なくないため、専門的なマシンが備わった居抜き物件は、特に初めて店舗を開業する方にとって強力な味方です。
また、コーヒーマシンの種類としては、一般的なドリップ式の他、フラスコとビーカーが付いているような形状のサイフォン式などがあります。
駅前や通行量が多い立地にある物件がおすすめ
駅前や駅ナカビルにおいて、パン屋が出店されているケースは多いです。
こちらは、駅を顧客誘導施設として利用し、集客を伸ばすことが目的であるため、このような物件の居抜き買取りはおすすめです。
また、パン屋は飲食店などとは違い、顧客の利用動機のほとんどが家庭消費です。
そのため、駅前や駅ナカでなくても、住宅が多く立ち並んでいるエリアであれば、十分に売上が見込めます。
その他、パン屋の居抜き物件を選ぶ際は、通行量が多い立地にあるかどうかもチェックしましょう。
例えば、駅から帰宅する人が多く通る道沿いにある物件は、固定的な顧客を頻度高く獲得するため、売上に貢献します。
面積が広めの居抜き物件を選ぶべき
イートインスペースなどを設けない限り、パン屋の店舗はそれほど広い面積が必要ありません。
ただし、可能であれば広めの物件を選ぶべきだと言えます。
面積が広ければ、売り場面積を広く設けることができ、より多くの商品を陳列できるため、店舗の魅力度に貢献します。
さらに、多くの来客が訪れた場合でも、売り場が広ければゆったりと時間をかけて商品を選ぶことができるため、高評価につながりやすくなります。
北向きもしくは東向きの路面店であればなお良い
パン屋の居抜き物件を選ぶにあたっては、路面店であることも大事になってきます。
一般的に、パン屋の正面はガラス張りになっていて、こちらは商品を通行人に見てもらうことにより、購買意欲を高めることが主な目的です。
そのため、空中店舗でなおかつ視認性が低い物件は、集客に苦労する可能性があります。
また、パン屋は常に商品を店内に並べているため、商品の劣化についても考慮する必要があります。
具体的には、日差しの影響を受ける立地において、もっとも劣化が少ないとされる北向き、東向きの店舗を選ぶことが望ましいです。
まとめ
ここまで、パン屋の居抜き買取りにおけるポイントについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
前店舗もパン屋であった場合、居抜き物件にはある程度設備が残っていることが期待できますが、特に高額な機器が残存している場合は、より狙い目の物件だと言えます。
また、ある程度の集客が期待できるような立地、規模であるかどうかも、居抜き物件の内見時にはしっかりとチェックしなければいけません。