フライヤーは、揚げ物を調理する際には欠かせない設備です。
飲食店には、こちらを必要とする業態が多く、居抜き開業を行う際も、フライヤーが残っている物件を選ぶことをおすすめします。
今回は、居抜き物件に設置されているフライヤーの種類やそれぞれのメリット・デメリットなどについて解説します。
フライヤーが必要な業態
冒頭で触れたように、フライヤーがなければ経営するのが難しい飲食店は非常に多いです。
唐揚げや天ぷら、とんかつなど、揚げ物をメインに提供する店舗はもちろんのこと、居酒屋や定食屋、中華料理店といった業態でもフライヤーは必須です。
そんなフライヤーですが、居抜き物件に設置されているタイプをチェックする際は、以下の2点に注目しましょう。
・熱源
・形状
フライヤーの熱源の種類とそれぞれのメリット・デメリット
業務用フライヤーは、主に以下の2つの熱源で稼働しています。
・ガス
・電気
また、それぞれの種類のメリット・デメリットは以下の通りです。
ガスフライヤーのメリット・デメリット
ガスフライヤーはもっともポピュラーなタイプで、火力の強さに定評があります。
そのため、調理スピードが早く、多くの揚げ物を取り扱う飲食店に向いています。
また、電気フライヤーと比べて、造作譲渡料も抑えられる可能性が高いのもメリットです。
機能としては、立ち消え安全装置や過熱防止装置などがダブルで搭載されているものが便利なため、こちらの点は必ずチェックしておきましょう。
ただし、ガスフライヤーは、あまり熱効率が良くありません。
一般的には50%程度と言われていて、半分近くの熱量は無駄になってしまいます。
もちろん、使用されなかった熱量は、厨房内の気温を上げてしまう原因にもなるため、厨房環境を快適に保つという点では、お世辞にも優れているとは言えません。
電気フライヤーのメリット・デメリット
電気を熱源として稼働するフライヤーは、熱効率が非常に高く、厨房内の気温上昇も防ぐことができるため、快適な環境での調理が可能です。
また、食材を投入した際、一時的に油の温度は低下しますが、電気フライヤーの細かい油温制御システムを活用すれば、一時的な温度の低下をすぐに察知し、適した温度まで一気に温めるという機能が作動します。
そして、安全面についても優れていて、漏電遮断器を始め、油温デジタル表示、空焚き防止サーモなど、各種異常検知機能が搭載されています。
しかし、使用するタイプによっては火力が弱く、頻繁に揚げ物を作る業態には向かないことがあるため、注意しましょう。
フライヤーの形状の種類とそれぞれのメリット・デメリット
フライヤーの形状には、主に以下の2つがあります。
・卓上型
・据え置き型
フライヤーには、これらの形状によるメリット・デメリットもあります。
それぞれ順番に見てみましょう。
卓上型フライヤーのメリット・デメリット
卓上型フライヤーは、コンパクトなサイズであり、設置場所の自由度が高いです。
よって、居抜き物件に設置されているものを、使用しやすい場所に移し替えることも難しくありません。
ただし、コンパクトなサイズであるため、容量は決して多くありません。
使用できる油の量にはかなりの制限があるため、一度に大量の揚げ物を作るような業態は不便さを感じるでしょう。
据え置き型フライヤーのメリット・デメリット
据え置き型フライヤーは、“スタンド型”とも呼ばれるもので、名前の通り据え置きのため、容量が大きいのが特徴です。
また、油交換を行う際、フライヤー下にあるタンクを用い、コックを捻るだけで簡単に行えるものなどがあるため、重い油を持ち運ぶ負担はほとんどありません。
ただし、基本的に設置場所を移動させることができないため、居抜き物件の据え置き型フライヤーをそのまま活用するのであれば、こちらを基準に厨房のレイアウトを考えなければいけない可能性もあります。
熱源の種類による光熱費の違いについて
飲食店の業態によっては、フライヤーを日常的に使用することになります。
そのため、光熱費がどれくらいかかるのかについても、居抜き物件を探す前に把握しておいた方が良いでしょう。
業務用のガスフライヤー、電気フライヤーを比較する場合、結論からいうと、ガスフライヤーの方が光熱費は少し安くなります。
具体的には、1時間の使用で10円ほどの違いがあり、ガスフライヤーは70円程度、電気フライヤーは80円程度です。
こちらの数字だけ見ると、ほとんど変わらないように思いがちですが、継続して使い続ければ、1時間10円の差も非常に大きくなります。
居抜き開業後のランニングコストについても考えるのであれば、こちらの数字をぜひ意識してフライヤーを選んでください。
まとめ
ここまで、居抜き物件に設置されているフライヤーの種類、各種のメリット・デメリットについて解説してきました。
フライヤーが残っている居抜き物件に入居する場合、それが自身の開業しようとする業態に合っているのか、使いやすいものなのかについては、必ず確認しなければいけません。
そうしなければ、居抜き開業後に問題が発生し、新たに購入しなければいけなくなる可能性もあります。