居抜き物件には、時折珍しい設備が残っていることがあります。
これらは、単純に残っていることが珍しいものであるケースもあれば、特定の業種でのみ使用される設備の場合もあります。
今回は、居抜き物件にある珍しい設備の特徴や、そのまま利用する際のポイントなどについて解説します。
ダーツ設備
ダーツバーなどの居抜き物件では、ダーツ設備一式がそのまま残っていることがあります。
一般的にダーツの的と呼ばれるものは“エレクトリックダーツ”という設備であり、近年は通信型のものがメインになっています。
通信型のエレクトリックダーツは、プレイヤーが専用のカードを所持しているだけで、これまでの自身の成績などを引き継いでダーツを楽しむことができます。
このような機能は、店舗で使用する業務用のものにしか付いていません。
また、ダーツ設備をそのまま居抜き物件で利用する場合は、エレクトリックダーツなどの設備だけでなく、店内のレイアウトもチェックしなければいけません。
以前経営されていたのがダーツバーである場合、すでにレイアウトは整っている可能性が高いですが、ただエレクトリックダーツが飾られていただけの場合は、あらためてプレイするスペースを確保する必要があります。
スチーマー
居抜き物件に残っている珍しい設備としては、スチーマーも挙げられます。
一般的にスチーマーと言えば、ステンレス製で2段重ねをするタイプの専用鍋、竹で作られたセイロなどを想像する方も多いかと思います。
しかし、業務用のスチーマーはさらに本格的なものであり、前述の家庭用のものとは大きく異なります。
まず、業務用のスチーマーは、高さ1m前後、奥行き60cm程度と非常にサイズが大きいです。
また、調理性能も優れていて、設定した内容で食材を蒸した後はそのまま保温モードに切り替わり、調理済みの食材を乾燥させることなく、美味しい状態でキープできます。
居抜き物件でスチーマーをそのまま利用する場合、できれば1台150万円前後の高性能タイプを選びましょう。
そうすることで、厨房設備を揃えるためのコストは大幅に削減できます。
券売機
居抜き物件にある珍しい設備としては、券売機も挙げられます。
ラーメン店などの業種では、券売機でオーダーを受けるシステムが一般的ですが、券売機を導入する業種が多いかと言われると、決してそういうわけではありません。
よって、居抜き物件で券売機が残っているのは、比較的珍しいと言えます。
券売機がある居抜き物件に入居すれば、限られたスタッフによるオペレーションを行うことができますし、調理や料理の提供に専念できるようになります。
また、釣り銭を誤って渡してしまうなどの人的ミスを減らすことができるのも大きなメリットです。
もし、内見に訪れた居抜き物件に券売機がある場合は、売上管理ソフトなどにインターネットで繋げることができるタイプかどうかを確認しましょう。
このようなタイプを利用すれば、営業終了時点でその日の売上を確定できるなど、経営的にもスピーディーな現況の把握、分析を行うことが可能です。
ワインセラー
バーやイタリアン、フレンチレストランなどの居抜き物件には、ワインセラーが設備として残っていることがあります。
こちらには大きく2つの種類があり、1つは“ワインクーラー”と呼ばれるものです。
ワインクーラーは、ワインを気温の上昇から守るものであり、庫内をワインにとって最適な14~18℃に保つことができます。
一般的な冷蔵庫が5℃程度とワインにとっては厳しい環境であるのに対し、ワインクーラーでは常に適温に保たれるため、出してすぐに飲むことができます。
また、もう1つがいわゆるワインセラーと呼ばれるもので、こちらはワインクーラーの機能をさらに進化させ、より高級なヴィンテージワインの保管、熟成にも適した環境を提供するものです。
具体的には、1つの庫内で温度帯を複数設定できるものや、鍵が付いたタイプのものなどがあり、居抜き物件でワインセラーをそのまま利用するのであれば、こちらのタイプがおすすめです。
茹で麺器
ラーメンやうどん、そばといった麺類を提供していた店舗には、茹で麺器が設備として残っていることがあります。
こちらは本来数十万~数百万円もする高級な設備であり、居抜き物件で麺類を提供しようと考えている方は、必ず残っている物件を選ぶべきです。
また、特におすすめなのは、最新機種の自動茹で麵器です。
最新機種では、麺を茹でるところから始まり、ぬめりを取ったり、冷水で麺をしめたりといった一連の動作が自動で行われる画期的なシステムを採用しています。
ちなみに、立ち上がりの早さを重視するのであれば、水中加熱式ヒーターを採用した電気式の茹で麺器が最適です。
まとめ
ここまで、居抜き物件に残っていることがある珍しい設備の特徴、利用する際のポイントや選び方などについて解説してきました。
居抜き物件には、想定外の設備が残っているケースがありますが、このような場合は必ず利用できるかどうかをチェックしましょう。
チェックを怠ると、今後の店舗経営に活かせる設備をみすみすスルーしてしまうことにもなりかねません。