居抜き物件を選ぶときには、予算内で取得できるか、必要な造作は揃っているかなどを中心にチェックします。
また中には少し変わった設備やスペースが備え付けられているものもあり、その一つがテラス席です。
今回は、テラス席のある居抜き物件を買い取るメリットと注意点について解説します。
テラス席とは?
そもそもテラス席とは、店内ではなく店外にある席のことです。
開放的な空間で食事を楽しめるのが特徴で、近年では日本でも普及し始めています。
またテラス席はどの業態でも設置できるわけではなく、飲食店営業および喫茶店営業をしている店舗のみが設置可能です。
つまり前店舗がレストランもしくはカフェだった場合のみ、居抜き買取りでテラス席のある物件を取得できるということです。
テラス席のある居抜き物件を買い取るメリット
テラス席のある居抜き物件を買い取るメリットは、主に以下の通りです。
・開放感がある
・集客効果が見込める
・季節を感じてもらえる
各メリットについて詳しく説明します。
開放感がある
テラス席のある居抜き物件には、屋内にはない開放感があります。
テラス席は屋外の空気を感じながら食事を楽しむことができ、そういった開放感のある気分を楽しみにしている顧客も少なくありません。
特にカフェを居抜き開業する場合などは、このようなニーズがとても高くなります。
集客効果が見込める
テラス席が設けられた居抜き物件を買い取ることで、集客効果も見込めます。
なぜなら店舗の外に設定されているため、通行人に店舗の雰囲気を伝えやすいからです。
実際にテラス席で顧客が食事をしていると、通行人に美味しそうな料理もアピールできます。
特に外から店内の様子が見えにくい場合歯、テラス席があることで新規顧客の興味を引き、入店のハードルを下げることにつながります。
メニュー看板や店舗紹介動画などを組み合わせれば、さらに高い集客効果が期待できます。
季節を感じてもらえる
顧客に季節を感じてもらえるという点も、テラス席のある居抜き物件を買い取るメリットです。
四季の訪れを感じさせる魅力の一つであるテラス席は、気温や天候などの変化はあるものの、自然のぬくもりを体感できます。
例えば春頃は、春風を求めて順番待ちする方が多く、直射日光を避ければ夏場でも多くの方がテラス席を利用します。
また秋は夏の暑さが和らぎ、涼しさを感じる時期に入るため、テラス席を求める方が増える傾向にあります。
ちなみに、冬場でもストーブや毛布を活用することで、テラス席の利用率は十分高められます。
テラス席のある居抜き物件を買い取る際の注意点
テラス席付きの居抜き物件を買い取る場合、以下のような注意点があることを理解しておきましょう。
・環境の影響を受けやすい
・メンテナンスの手間がかかる
・耐久性のある設備が必要
各項目について詳しく説明します。
環境の影響を受けやすい
テラス席の居抜き物件は、良くも悪くも環境の影響を受けやすいです。
日本は季節によって気温の変化が激しいため、中には屋外での食事を好まない方もいます。
また、それによって売上の変化が大きくなると、なかなか経営は安定しません。
さらに店内の席数に余裕がないと、急に雨や雪が降ったとき、顧客を店内に案内できなくなります。
メンテナンスの手間がかかる
メンテナンスの手間がかかることも、テラス席のある居抜き物件を買い取る場合の注意点です。
テラス席は密閉空間ではないことが大きな魅力ですが、その反面ホコリが溜まりやすいです。
また川の側や木々に囲まれた立地の場合、虫が来やすくなることも考えられます。
そのため、定期的にテーブルやイス、デッキなどは清掃しなければいけません。
もし清掃になかなか手が回らず、テラス席が全体的に衛生的ではない環境になってしまったら、店舗そのものの評判が下がるおそれもあります。
耐久性のある設備が必要
テラス席のある居抜き物件を買い取れば、さまざまな経営戦略を立てることができますが、設備には耐久性のあるものを導入しなければいけません。
こちらは、常に雨や雪などにさらされるからです。
具体的にはテーブルやイスだけでなく、テラス席の床材も耐久性の高いものであれば、長期間使用できます。
例えば、外の環境に対応できるほど耐久性のある、ガーデンファニチャーなどの使用が好ましいです。
ちなみに、居抜き物件を買い取った時点で上記のような設備が揃っていることもありますが、そうでない場合は買主がすべて揃えなければいけません。
そうすると、当然居抜き物件のメリットは半減します。
まとめ
居抜きでテラス席のある物件を買い取る場合、テラス席のメリットだけでなく、注意点も事前に把握しなければいけません。
確かにテラス席は集客効果をもたらしてくれますが、場合によっては営業時の手間や費用が増える可能性があります。
そのため、テラス席の状態は内見時に必ずチェックし、周辺環境や前店舗の評判などについては、売主自身で可能な限りリサーチしておくべきです。