居抜き物件を買い取る際は、内装や設備だけでなく立地にも注目しなければいけません。
どのような立地にあるのかによって、居抜き開業後の戦略は大きく変わります。
また駅チカの店舗は一般的に好立地とされていますが、果たして駅チカの居抜き物件にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
注意点とあわせて解説します。
駅チカの居抜き物件を買い取るメリット
駅チカの居抜き物件を買い取ることのメリットには、主に以下のことが挙げられます。
・集客を安定させやすい
・通行量が多い
・アルコールを提供しやすい
・競合店との相乗効果がある
各メリットについて詳しく説明します。
集客を安定させやすい
駅チカの居抜き物件は、周辺を多くの人が行き交うため、基本的に集客を安定させやすいです。
特に通勤の時間帯や週末については需要が高まり、収益を伸ばしやすい環境です。
また地域住民との交流が盛んな駅周辺は、地域密着型の店舗としての地位を確立しやすい場所です。
地元客のリピーターが増加し、店舗の知名度を高めることができるため、安定した売上が見込めます。
通行量が多い
先ほども少し触れたように、駅チカの居抜き物件は通行量が多いです。
そのため、集客活動を特にしていなくても、認知度は自然と上昇します。
もちろん集客戦略が不要というわけではありませんが、郊外や住宅街などと比べて店舗の存在や評判が口コミで広まりやすいのはメリットだと言えます。
アルコールを提供しやすい
駅チカの居抜き物件を買い取る場合、開業後にはアルコールを提供しやすくなるというメリットもあります。
なぜなら、最寄り駅から電車で来店する顧客が多いからです。
また駅チカの場合、駅前のロータリーなどにはタクシー乗り場やバス乗り場があることも多いです。
そのため、アルコールを提供する居酒屋などの経営は有利になるでしょう。
競合店との相乗効果がある
新たに店舗を開業するにあたって競合店は少し厄介な存在ですが、駅チカの場合は競合店との相乗効果が見込めます。
こちらは、競合店が顧客を引き寄せる助けになるという仕組みです。
飲食店が多い駅チカなどに訪れる方は、入りたい店舗が決まっていないことが多いです。
いくつかの選択肢の中から、「このお店が良さそう」と思った店舗に入店します。
つまり飲食店が多く集まる駅チカの物件は、実際その店を訪れようとしている方だけでなく、他の店舗を訪れる可能性があった顧客も集客できるということです。
駅チカの居抜き物件を買い取る場合の注意点
駅チカの居抜き物件を買い取る場合、以下の点には注意が必要です。
・賃料が高い
・夜間の治安が悪い
・空中店舗は不利になる
・高架下には独特な特徴がある
各項目について詳しく説明します。
賃料が高い
駅チカの居抜き物件は好立地であるため、基本的には賃料が高いです。
そのため、初期費用を安く抑えられるという居抜き買取りのメリットが半減するおそれがあります。
また売上が低い店舗にとって、高い賃料は利益率を圧迫するおそれがあります。
もし高い賃料を払っても客足が伸びず、収益を上げるのが難しくなったら、開業後すぐに閉店に追い込まれることも十分に考えられます。
夜間の治安が悪い
駅チカの物件は周囲の人通りが多く、なおかつ若者も多いため、夜間になると治安が悪化しやすいです。
あまりに治安が悪いと、店舗経営中にトラブルに巻き込まれやすくなりますし、集客にも影響が出てしまうおそれがあります。
空中店舗は不利になる
駅チカの居抜き物件であれば、通行量が多く視認性も高いため集客をしやすいですが、こちらはあくまで路面店の話です。
たとえ駅チカであっても、空中店舗の物件は少し経営おいて不利になります。
空中店舗はビルなどの2階以上にある店舗であり、1階部分にある路面店と比べて人の目に留まりにくく、顧客を誘引するまでには至らない可能性があります。
また空中店舗の場合、看板が出せる位置や大きさなどにも制約が多く、居抜き買取り前にはこれらのポイントをきちんと確認しておかなければいけません。
高架下には独特な特徴がある
一口に駅チカといってもさまざまな特徴がありますが、高架下の物件には独特な特徴があるため、注意しなければいけません。
高架下は駅を利用する多くの方をターゲットにできますが、電車の通過音や振動が気になることがあります。
また高架下はそもそも敷地が細長いため、必然的に店舗も狭くなってしまう傾向にあります。
さらに高架線路を支える柱が存在することから、日当たりや風通しがあまり良くないことも考えられます。
まとめ
“駅チカ=好立地”というイメージが強いことから、駅チカの物件に絞って居抜き買取りを行おうとしている方もいるでしょう。
しかし、実際は駅チカだからといって、必ずしも店舗経営に成功するとは限りません。
特に居抜き物件の場合、何らかの問題があったことにより、前経営者が物件を手放した可能性も高いため、買い取り前のチェックは隅々まで行うことをおすすめします。