店舗の居抜き売却は、購入希望者が現れなければ成立しません。
そのため、売主はさまざまな手を使い、居抜き物件の魅力をアピールしようとするでしょう。
しかし、「誰でも良いから売却したい」と考えるのはトラブルの元になります。
今回は、居抜き売却で避けるべき購入希望者の特徴について解説します。
居抜き売却で避けるべき購入希望者の特徴5選
居抜き売却で以下のような購入希望者が現れた場合、売主は他の購入希望者を探すことをおすすめします。
・自身の情報を語ろうとしない
・値下げばかり要求する
・内見をドタキャンする
・電話に出ない
・最初からタメ口で話す
各項目について詳しく説明します。
自身の情報を語ろうとしない
居抜き売却において、こちらは情報を開示しているにもかかわらず、なかなか自身の情報を語ろうとしない購入希望者は、避けることが無難です。
素性が知れない方に対し、売主が抱くのは不信感です。
このような人物の中には、いわゆる“反社”に該当する人物が紛れ込んでいる可能性があります。
また購入希望者の職業や収入といった属性がわからなければ、購入希望者がローンを組めず、契約が途中で破綻になる可能性もあります。
そのため、お互いに自己紹介ができ、信頼関係が築けそうな購入希望者を選ぶべきです。
値下げばかり要求する
店舗の居抜き売却では、値下げばかり要求する購入希望者も避けるようにしましょう。
居抜き物件は、一般的な店舗物件と比べてリーズナブルですが、それでも大きな金額が動く取引であることには変わりありません。
また購入希望者は、当然居抜き物件をできる限り安く購入したいと考えますが、真っ先に値下げを要求してくるような場合は注意が必要です。
このような購入希望者は、物件や設備の売買価格以外でも、自身の希望を無理やり押し通そうとしてくることが考えられます。
内見をドタキャンする
居抜き売却において内見をドタキャンするような購入希望者も、その時点で付き合いを断つべきだと言えます。
店舗の居抜き売買において、内見は重要なイベントであり、こちらは売主にも購入希望者にも言えることです。
売主は物件や設備の良い点をアピールするチャンスですし、買主は自身の希望に合った物件かどうかを吟味できます。
しかし、居抜き物件の内見はいつでもできるわけではありません。
特にまだ店舗が営業中の場合、売主と買主で綿密なスケジュールを立て、経営に影響を及ぼさないように実施する必要があります。
そのため、売主における準備などの負担は大きくなります。
それにもかかわらず、平気でドタキャンされるような場合、売主は大きな損をするため、他の購入希望者を探すことをおすすめします。
電話に出ない
なかなか電話に出ない購入希望者も、基本的にはあまりおすすめできません。
居抜き売買では、契約を進めていくために、内見や価格交渉などの場が設けられます。
このときには、売主が直接購入希望者に連絡する場合や、仲介する不動産会社が連絡する場合があります。
しかしどちらからの電話にもなかなか出ず、折り返しもないという場合、居抜き売買はスムーズに進みません。
また何日も連続で電話に出ない場合、フェイドアウトつまり購入希望者の勝手な理由で連絡を断っている可能性もあります。
連絡を待っていては居抜き物件の売り時を逃してしまうため、早めに別の購入希望者に切り替えましょう。
最初からタメ口で話す
店舗の居抜き売却において、最初から売主に対してタメ口で話すような購入希望者は論外です。
このような購入希望者の多くは、「売主より購入希望者の方が偉い」と考えています。
確かに、売主は購入希望者に物件や設備を買い取ってもらう立場ですが、購入希望者は対価として物件や設備を受け取れます。
つまり、両者の関係は本来イーブンでなければいけないということです。
またこのような偉そうな購入希望者は、先ほども触れた自身の意見ばかり通す購入希望者である可能性も高いです。
トラブルに発展する前に、早めに見切りをつけましょう。
購入希望者に嫌われる売主の特徴
居抜き物件の売主は、不適切な購入希望者を避けると同時に、購入希望者に不快感を与えないようにしなければいけません。
以下のような売主は、購入希望者に嫌われる可能性が高いため、注意してください。
・内見をなかなか実施しない
・内見準備をしない
・内見時にアピールしすぎる
・契約や決済、引っ越しの準備がおろそか
・主張ばかりで歩み寄りがない
・契約日や決済日の日程を直前に変更する
・自身に不利益なことを隠す
・言うことがコロコロ変わる など
まとめ
居抜き売却において、存分に購入希望者に対して物件の魅力を感じてもらい、気持ち良く購入してもらうための心掛けは大切です。
しかし居抜き売買はあくまで両者が対等に行うものであるため、売主は購入希望者の言いなりになる必要はありません。
言動に不信感を覚えたり、性格的に合わなかったりした場合には、不動産会社にその旨を伝え、丁重にお断りを入れるようにしましょう。