商業施設の中に入っている店舗の中にも、居抜き物件として売りに出されている物件はあります。
そのため、気に入った物件があれば当然開業を目指すことができますが、商業施設での居抜き買取りには果たしてどのような特徴があるのでしょうか?
今回は、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
商業施設の居抜き買取りにおけるメリット
商業施設の居抜き物件で開業するメリットは、主に以下の通りです。
・新規顧客を獲得しやすい
・プロモーションの影響を受けやすい
・天候の影響を受けにくい
各メリットについて詳しく説明します。
新規顧客を獲得しやすい
商業施設で居抜き買取りを行う場合、新規顧客を獲得できる可能性は高いです。
商業施設は、ショッピング客が多く訪れる施設です。
そのため、買い物のついでに食事を摂る方などを引き込む機会が多いです。
またショッピング客だけでなく、施設内の店舗やオフィスなどの従業員からのニーズも期待できます。
従業員向けの割引や特典を工夫すれば、高頻度で訪れるリピーターの獲得にもつながります。
プロモーションの影響を受けやすい
プロモーションの影響を受けやすいという点も、商業施設での居抜き買取りにおけるメリットです。
商業施設の場合、広告サイトでの告知や雑誌・テレビなどの広告プロモーションの恩恵を受けられます。
そのため、自店でこれといった宣伝広告を行わなくても、知名度がアップすることが考えられます。
また施設全体での割引やポイントキャンペーンによって客足が増えれば、マグネット効果による売上増加にも期待できます。
天候の影響を受けにくい
商業施設の居抜き物件は、一般的な路面店などと違い、天候の影響をあまり受けません。
例えば駅に直結しているショッピングモールや、屋内駐車場を完備した商業施設の場合、顧客は雨や雪に濡れることなく足を運べます。
よほどの荒天でない限り、安定した集客が見込めるでしょう。
商業施設の居抜き買取りにおけるデメリット
一方で、商業施設での居抜き買取りには以下のようなデメリットもあります。
・賃料が高い
・営業日と営業時間を自由に設定できない
・契約年数に期限がある
各デメリットについて詳しく説明します。
賃料が高い
商業施設の中に入っている居抜き物件は、路面店などに比べて賃料が高額なケースが多いです。
商業施設によっては、賃料が店舗の売上に応じて増減する契約をしている場合もあり、売上がアップしても、店舗の収益はそれほど高くないということが起こり得ます。
また商業施設の中には、有料駐車場の利用者に対し、サービス金額分を店舗で負担しなければいけないところもあります。
そのため、居抜き物件でイニシャルコストを削減できたとしても、必要経費としての支出は増える可能性があります。
営業日と営業時間を自由に設定できない
商業施設の居抜き物件では、営業日と営業時間を自由に設定することができません。
すべて商業施設の営業日、営業時間に合わせるケースが一般的です。
そのため、「早朝から営業したい」「深夜まで営業したい」という要望がある方にはおすすめできません。
また商業施設が休業や時短営業などの対応を決定した際は、それに従って営業時間を変更しなければいけません。
例えば新型コロナウイルスの感染拡大時には、多くのテナントが商業施設のルールに準じた時短営業を余儀なくされています。
さらに商業施設の中には、施設のオープン時間までに各店舗の準備を済ませ、商業施設恒例のグリーディングサービスに参加しなければいけないこともあります。
このようなケースでは、自店の経営以外にも作業が増えるため、体力的な負担が大きくなることが考えられます。
契約年数に期限がある
商業施設で居抜き買取りを行う場合、契約年数には限りがあります。
そのため、同じ物件で長く経営し続けたいという方にとってはデメリットです。
商業施設の居抜き物件に出店する際は、契約期間があらかじめ定められた定期借家契約というものを締結します。
一般的に、テナントの契約期間は2~5年です。
もちろん契約期間が満了になっても、商業施設側(貸主)と店子(借主)の双方が合意すれば、再契約を結ぶことも可能です。
しかし、商業施設は顧客に飽きられないよう、定期的に店舗を入れ替える傾向にあります。
このような理由から、再契約を拒否される可能性は十分にあります。
そもそも、商業施設そのものが期限付きの建物であり、商業施設は土地の所有者と契約して建物を建築しています。
土地の所有者(貸主)と商業施設(借主)の契約が終了したら、当然テナントは経営を続けられません。
まとめ
商業施設で居抜き買取りを行うことで、施設そのものの力を存分に活用できます。
そのため、よほどニーズと合っていない限り、開業直後でもある程度は集客できるでしょう。
しかし、集客力や宣伝力が強い代わりに、一般的な路面店やオフィスビルの物件などと比べて制限は多いです。
そもそも、商業施設の居抜き物件はそれほど多くないため、商業施設だけに絞って物件探しをするのは控えましょう。