飲食店には、ゴキブリをはじめとする害虫が棲みつくケースが多いです。
もし、店舗の居抜き売却をするのであれば、売却前に害虫駆除は行っておかなければいけません。
そうしなければ、買い手にマイナスなイメージを与えてしまう可能性があります。
今回は、居抜き売却前の害虫駆除におけるポイントを解説します。
飲食店の害虫がもたらす悪影響
飲食店に現れるゴキブリなどの害虫は、以下のようにさまざまな悪影響をもたらします。
・食中毒
・食品が食い荒らされる
・食品に異物が混入する
・電化製品の配線が破壊される など
ゴキブリなどの害虫が店内に侵入し、食品や厨房機器などに触れると、病原菌を広めてしまうことがあります。
特にゴキブリは汚染された場所を歩くため、食品に病原菌を付着させ、食中毒を引き起こす可能性が高いです。
また害虫は食品を食い荒らしたり、排泄をしてその排泄物を食品に混入させたりすることもあります。
さらに害虫は壁や冷蔵庫、その他の電化製品の周りに潜り込むことがあり、その際に配線や電線をかじることも考えられます。
配線がダメージを受けると、故障や火災につながるおそれがあります。
このように飲食店の害虫はさまざまな悪影響を及ぼすため、対策が取られていなかったり、害虫駆除業者への依頼履歴がなかったりすると、買い手に敬遠されやすくなります。
居抜き売却前の害虫駆除の方法3選
これから飲食店の居抜き売却を行う方は、以下の方法で害虫を駆除することをおすすめします。
・ベイト剤の使用
・掃除と整理整頓の徹底
・害虫駆除業者への依頼
各項目について詳しく説明します。
ベイト剤の使用
ベイト剤は、市販されている害虫駆除クリームで、毒エサとも呼ばれています。
さまざまなメーカーから販売されていて、使用期限は約半年です。
製品によって異なりますが、長期間放置された場合は効果が弱まることもあるため、定期的に交換しましょう。
またベイト剤を配置する際は、50cm程度の間隔を空けて配置するのがポイントです。
特に飲食店でよく発生するチャバネゴキブリは、行動範囲が広くないため、このようにベイト剤を配置すれば駆除できる可能性が高いです。
ちなみに、冬はゴキブリが同じ場所に潜伏することが多いです。
そのため、冷蔵庫の下などの暖かい場所にベイト剤を配置することで、まとめて除去できる可能性があります。
掃除と整理整頓の徹底
居抜き売却前の害虫駆除の方法としては、実際店舗を廃業するまでの間、毎日欠かさず掃除と整理整頓をすることも挙げられます。
飲食店に出現しやすいチャバネゴキブリは水不足に弱く、夏季であればオスの成虫は1週間足らず、メスの成虫は10日足らずで全滅します。
そのため、エサになるものや水分はできる限り排除し、繁殖しづらい環境をつくりましょう。
例えば厨房の下のゴミをかき出したり、排水溝のゴミを毎日捨てたりすることは基本です。
また厨房の床掃除を行った後はしっかりと乾燥させ、天井や壁の油もこまめに掃除します。
さらに食材は密閉容器に入れ、引き出しや棚の中もきっちり整理整頓しておきましょう。
害虫駆除業者への依頼
居抜き売却前の害虫駆除は、売主だけで完璧に行うのは難しいです。
そのため、仕上げは害虫駆除業者に依頼しましょう。
害虫駆除業者を選ぶ際のポイントとしては、まずく駆除施工の経験やノウハウが十分にあるかどうかをチェックすることです。
口コミサイトなどを確認すれば、ホームページなどに記載されている実績が本物なのかどうかがわかります。
また害虫駆除業は資格がなくてもできますが、安全面を考えると、有資格者が施工をしている業者を選ぶことをおすすめします。
具体的には、ねずみ昆虫等防除作業監督者、日本ペストコントロール協会承認技術者などの有資格者がいる業者に依頼しましょう。
さらに害虫駆除作業後の保証が手厚いかどうか、損害保険に加入しているかどうか、追加料金は発生しないかどうかなどもチェックすべきポイントです。
ちなみに害虫駆除を業者に依頼すれば、その店舗において害虫の侵入経路になっている場所が判明したり、手軽に行える害虫対策を教えてもらったりすることもできます。
バルサンは効果が薄い?
飲食店だけに限らず、害虫駆除の方法としてもっとも有名なのがバルサンです。
バルサンは、煙を使用した殺虫剤であり、家庭で使用されることも多いです。
もちろん、バルサンには害虫駆除の効果がありますが、実際はこれだけだとそれほどの効果を得られません。
確かに使用直後は一時的に害虫がいなくなりますが、結局人間の健康に害がない程度のガスであるため、それほど効果は強くないのです。
まとめ
居抜き売却前は、しっかりと害虫駆除を行い、どのような対策を取っていたか購入希望者に伝えるべきです。
また業者に害虫駆除を依頼した場合には、契約書などを保管しておくことで、害虫のリスクが低い物件であることをアピールできます。
逆に害虫対策をしていない場合、購入希望者に敬遠されるだけでなく、売買契約成立後も買主との間にトラブルが発生するリスクが高まります。