うどんは老若男女に愛される日本食であり、季節を問わず年中食べられています。
またうどん屋は立ち食いなどの回転率の速い店舗から、ファミリーでも来店しやすい店舗まで、さまざまな形態があります。
今回は、うどん屋の居抜き買取りにおける主なポイントについて解説します。
うどん屋の居抜き物件に最低限必要な設備
うどん屋の居抜き買取りを行う場合、まずは設備の状況を確認しましょう。
最低限必要な設備としては、主に以下のようなものが挙げられます。
熱機器 | うどん釜、フライヤー、コンロ、炊飯器など |
冷機器 | 冷蔵庫、製氷機、ショーケース、冷凍ストッカーなど |
特に重要なのは、やはりうどん屋の命とも言えるうどん釜です。
うどん釜はかまどに置いて使用するもので、熱効率の良いアルミなどの素材であれば非常に使いやすいです。
天ぷらなどのサイドメニューも提供するのであれば、フライヤーなどの熱機器も必要です。
また、使用する食材に合わせて、必要な冷機器を確認するのも忘れてはいけません。
調理器具や食器が残っていればよりお得に
うどん屋の居抜き買取りは、うどん屋ならではの調理器具や食器が残っていれば、よりお得に実践できます。
例えば調理器具としてチェックしたいのは、寸胴や温度計です。
スープ類をつくる際に寸胴は必要不可欠ですし、温度計があればうどん以外のメニューを調理する際も便利です。
また、食器としてセイロが残っているかどうかも重要です。
うどんの盛り付けは、通常のお皿ではなくセイロを使うことで、より一層雰囲気が出ます。
ちなみに、セイロにはさまざまな形がありますが、1人前のサイズだと7~8寸のサイズがおすすめです。
プラスチック製であれば、天ぷらなどの熱いものもまとめて提供できます。
製麺機の必要性について
先ほど最低限必要な設備について解説しましたが、自家製麺にこだわりたい場合は、製麺機も必要になります。
味で勝負するつもりなのであれば、やはり手打ち麺を提供すべきです。
しかし手打ちの場合は手間がかかりますし、美味しいうどんをつくるにはある程度の腕がなければいけません。
一方、製麺機であれば手間を減らしつつ、安定した美味しさのうどんを提供できます。
ちなみに、製麵機を一から用意する場合、周辺機器とあわせて300万円ほどの初期費用がかかります。
そのため、居抜き買取りをする際は、製麵機が残っている物件を選ぶと非常にお得です。
セルフうどんの場合は広めの物件がおすすめ
うどん屋の中には、来客が自身でつゆを入れたり、トッピングやサイドメニューなどを選んだりするセルフサービスのところもあります。
もし、セルフのうどん屋を経営するのであれば、なるべく広めの居抜き物件がおすすめです。
なぜなら、セルフの場合は多くの来客が行き交うスペースが必要になるからです。
特に郊外の場合、80席以上で駐車場もある面積の大きな物件を選びましょう。
また、都心部の場合、回転率が高い分少ない席数でも成立します。
それでも、セルフうどんの場合は50席以上あるのが望ましいです。
ちなみに、すべて従業員が提供するシステムであれば、カウンターだけの物件やテーブル席が数席の物件でも十分に経営できます。
和食屋などをうどん屋に転用するのもアリ
うどん屋の居抜き買取りを行う場合、前任者がうどん屋を経営していた物件ばかりにこだわる必要はありません。
例えば和食屋などは、うどん屋に転用しやすいためおすすめです。
和食屋であれば、うどんをつくるのに必要な設備が揃っている可能性が高いです。
また、日本の歴史や伝統、文化を感じられる設備やデザインが整っている可能性もあります。
ただし、和食屋の物件には小上がりの席を設けているケースも多いです。
小上がりの席は子どもなどがいるときには好んで利用されますが、最近は靴を脱がなければいけないことなどから、敬遠されやすい傾向にあります。
そのため、小上がりでも掘りごたつのように足を下ろせるようになっている物件を選びましょう。
“うどん”の看板が設置されているかもポイント
うどん屋の居抜き物件を探す際には、“うどん”と書かれた看板が屋外に設置されているかどうかもチェックしましょう。
うどん屋にもそれぞれ店名が付いていますが、道路から良く見える場所に立っている看板には、シンプルにうどんと書かれているものもあります。
もちろん、店舗の看板自体はつくり直す必要がありますが、うどんと書かれた看板はそのまま利用できます。
また看板の他にものぼりやのれんなど、そのまま利用できるものがあれば、より初期投資を抑えて開業できる可能性があります。
まとめ
うどん屋は他の業種に比べて、それほど客単価が高くありません。
そのため、いかに初期投資を抑え、開業後に多く売上をあげるかがポイントになってきます。
また、そのために居抜き買取りはピッタリの方法ですが、しっかり物件を選定しなければ、それほど初期投資は安くなりません。
多くの設備があり、なおかつ開業直後の集客が見込める物件を選びましょう。