居抜き物件の大きな魅力は、やはりスケルトン状態の物件と比べて、内装工事費を大幅に節約できるというところです。
ただし、完全に無料というわけではないため、居抜き開業を行う際には、なるべく内装工事費を抑えるための工夫をしなければいけません。
詳しく解説しましょう。
居抜き物件の内装工事費を安くするためのコツ5選
以下のような工夫をすれば、内装工事費が安いという居抜き開業の恩恵はさらに大きくなることが期待できます。
・予算を明確にする
・工事の優先順位を決定する
・工事内容にメリハリをつける
・複数回に分けて工事する
・無駄な費用を省く
予算を明確にする
居抜き物件の内装工事費を安くするためには、まず工事の予算を明確にする必要があります。
自身の理想とする物件を作り上げたい気持ちはわかりますが、予算を決定せず、必要以上に工事を行うと、当然費用は高額になってしまいます。
また、内装工事業者と最初の打ち合わせを行う際、「これ以上は出せません」と予算の上限を伝えておくのもポイントです。
工事業者は、なるべく多くの工事を承り、利益を上げたいと考えます。
そのため、「このような工事はどうですか」と提案されることもありますが、先に予算を伝えておけば、新たな工事を提案されることも少なくなるでしょう。
工事の優先順位を決定する
居抜き物件は、厨房設備や給排水設備、ダクトといったものが残っているケースが多いですが、もし自身が開業しようとしている業態に必要な設備がない場合は、そちらを設置しなければいけません。
また、看板に関しては、たとえ同じ業態の居抜き物件であっても、デザイン等を変更する必要があります。
そして、壁紙やレイアウトの変更に関しても、必要に応じて実施しなければいけません。
居抜き物件での開業を目指す場合は、これらの工事に関する優先順位を決定し、どれにもっともコストを費やすべきなのかについて、しっかり考えましょう。
どれも必要性の高い工事だからといって、優先順位をつけないでいると、必然的に内装工事費は高くなってしまいます。
工事内容にメリハリをつける
先ほど、居抜き物件の内装工事費では、予算の優先順位を付ける必要があるという話をしました。
優先順位を決定した後は、コストをかけるべき工事にしっかりと金額を費やし、それ以外の部分に関しては、節約することも考えて金額を決定しましょう。
つまり、お金をかけるところにはかける、最低限の金額で安く乗り切る部分にはお金をかけないといったように、メリハリをつけるべきだということです。
例えば、来客からあまり見えない店舗の奥まった部分、バックヤードなどに関しては、デザインにそれほど多くの費用をかける必要がありません。
一方で、出入口付近や客席などは、来客のイメージに直結する部分であるため、ある程度コストを費やし、照明や壁紙をオシャレにするなどの工夫が必要になります。
複数回に分けて工事する
居抜き物件における内装工事は、1回の施工で完了させる必要はありません。
もっといえば、必ずしも居抜きで店舗をオープンさせるまでの間に、すべての工事を行う必要はないのです。
飲食店にとって、開業直後は非常に資金繰りが厳しい時期です。
よって、ある程度来客数が安定し、資金に余裕が出始めたころに、再び内装工事を実施するという選択肢も悪くないといえます。
こうすることで、開業時のコストは削減できますし、開業時の資金状況では実施できなかった内装工事も実施できる可能性があります。
また、このように内装工事を複数回に分けて実施する場合は、必ずいずれも同じ業者に依頼しましょう。
そうすれば、高いモチベーションで工事を行ってくれたり、多少値引きをしてくれたりする可能性はアップします。
無駄な費用を省く
居抜き物件の内装工事費は、無駄な費用によって膨らんでしまうこともあります。
例えば、工事や設備の搬入、設置のスケジュール管理がおろそかになっていると、トータルコストは高くなる傾向にあるため、注意しましょう。
例えば、寿司店の居抜き物件を買い取り、ラーメン店を開業しようとしているオーナーがいるとしましょう。
この場合、茹で麺器を追加で設置したり、ガス管や蛇口の位置を変更したりする必要があります。
しかし、工事と設備導入、設置のスケジュールが合わないと、貴重な準備期間に何もできず、ただただ無駄な費用がかかってしまう可能性があります。
つまり、賃料を支払っているにもかかわらず、何もしていない状態が生まれるということです。
また、重量のある設備の導入は、工事業者の人数が揃っているときの方が当然早く進みます。
逆に、人数が足りていない時期に導入してしまうと、数日間に分かれてしまうこともあり、そうなるとまだ無駄な費用が発生します。
まとめ
ここまで、居抜き物件の内装工事費を抑えるためのコツをいくつか紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
特に、居抜き開業を選択する一番の目的が、イニシャルコストの節約だという方は、今回解説したポイントを必ず押さえておいてください。
そうしなければ、スケルトン物件と同等の内装工事費がかかってしまう