居抜き物件では、残っている内装や設備をそのまま使用することができますが、ある程度開店に向けての工事は必要になります。
また、居抜き物件の工事では、予算が足りなくなるケースがよくあります。
では、事前に試算をしているにも関わらず、なぜこのようなことになるのでしょうか?
今回はその原因について解説します。
居抜き物件における工事の予算が足りなくなる原因
居抜き物件における工事の予算が足りなくなる原因は、主に以下の通りです。
・追加の費用を想定していない
・途中でやりたいことが増える
・途中で工事の内容を変更する
それぞれ具体的に見てみましょう。
追加の費用を想定していない
たとえ試算をしていたとしても、追加の費用を想定していないと、工事の予算は足りなくなる可能性が高いです。
例えば、カウンターをそのまま使用しようと考えていた場合であっても、土台部分が予想以上に傷んでいる場合などは、追加費用がかかることが考えられます。
このような想定外の費用は、場合によっては高額になることも考えられるため、居抜き物件の工事費用の試算をするのであれば、最低でも数十万円程度は余裕を持って計算しましょう。
途中でやりたいことが増える
居抜き物件の工事では、途中でやりたいことが増えるというケースもあります。
例えば、最初はシンクの交換費用のみ、予算として設定していたとしましょう。
しかし、リノベーションをしていると、「せっかく厨房を綺麗にするのであれば、コンロの口数を増やしたり、収納スペースを広げたりしたい…」といった風に、やりたいことが増えることもあります。
しかし、このようなやり方をしていると、予算は間違いなく足りなくなってしまうため、おすすめできません。
それならば、最初から厨房周りで想定される工事を想定し、実施するかしないかは別として、その費用を試算に含めておく方が無難だと言えます。
途中で工事の内容を変更する
例えば、ホールを工事する場合で考えてみます。
最初は、ホールにおける床の交換費用のみ、予算に加えていたとします。
ただ、このときに、ホールの床をフロアタイルではなく、クッションフロアや磁器タイルといった素材に変えた方が、大きなメリットを得られることがわかったとしましょう。
こうなると、当初の予定を変更し、少し費用がかかる工事を行おうとする方もいますが、こちらもおすすめできません。
たとえより大きなメリットを得られる工事だったり、費用対効果が高い工事だったりしたとしても、当初の予定を変えてしまうと、その他の工事に費用を回せなくなってしまう可能性があります。
居抜き物件における工事の予算をオーバーさせないコツ
居抜き物件において、工事の予算が足りなくなるという状況を防ぐコツとしては、主に以下のことが挙げられます。
・予算をギリギリに設定しない
・グレードダウンを検討する
・価格交渉をする
予算をギリギリに設定しない
先ほども少し触れましたが、工事の予算が足りないという状況を防ぐためには、やはりギリギリに設定しないことが大事です。
例えば、工事にかかる費用の総額が200万円である場合は、250万円程度の費用を用意しておきましょう。
これだけの余裕があれば、想定外の工事や新たに増加した工事箇所があったとしても、比較的スムーズに対応できることが予想されます。
グレードダウンを検討する
居抜き物件における工事の予算が足りないという状況を防ぐには、各工事のグレードダウンも検討すべきです。
具体的には、あまりこだわりがない部分や、よく見ないと来客にはわからない部分などの工事費用をカットすることで、こだわりたい部分の工事費用を増やしたり、トータルの費用削減に繋げたりすることを意識しましょう。
何もかも希望通りに工事しようとすると、どうしても予算はオーバーしてしまうものです。
つまり、工事費用関連のトラブルを防ぐためには、実施する工事の優先順位づけを行い、どこかで妥協するのが賢明だということです。
価格交渉をする
予算が足りない状況を防ぐには、居抜き物件の工事業者に価格交渉をするのもおすすめです。
ただし、単純に値引きを依頼するだけでは、そこまで対応してもらえない可能性が高いです。
重要なのは、内装や外装、設備工事における熱意を伝えることです。
毎日のように熱心に電話をかけ、少しでも予算内に収まるように交渉すれば、お得な工事が実施できる可能性は十分にあります。
ちなみに、工事業者の中には、セットで工事を実施することで、単独で行うよりも費用を安くしてくれるところもあるため、各業者のプランにも注目しておかなければいけません。
まとめ
ここまで、居抜き物件における工事の予算が足りなくなる原因とその対策について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
理想の店舗を作り上げるための工事ですから、シミュレーション後にあれこれ内容を変更したくなる気持ちはわかります。
しかし、そのようなやり方だと、後々必要のない工事を行っていたことが判明する可能性もあるため、注意が必要です。