居抜き物件を購入または賃貸する際は、“路面店”か“空中店舗”のいずれかを選ぶことになるケースが多いです。
初めての飲食店開業を目指す方の中には、これらの違いについてまだ把握されていない方もいるでしょう。
ここからは、路面店、空中店舗の居抜き物件におけるそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
路面店の概要
読んで字のごとく、通りに面した店舗のことを“路面店”といいます。
具体的には、駅前通り沿い、商店街の中など、人通りの多い通りに面した店舗であり、通りから直接店内に入ることができるのが特徴です。
また、“1階にある”というのも特徴の1つで、後述する空中店舗や、商業施設、ショッピングモールなどの中に入っているテナントと対照的なものとして扱われることが多いです。
路面店の居抜き物件におけるメリット
路面店の居抜き物件で飲食店をオープンすることには、主に以下のようなメリットがあります。
・宣伝効果が高い
・気軽に入ってもらいやすい
・デザインの自由度が高い
宣伝効果が高い
路面店の居抜き物件は、通りを歩いている人の目に付きやすく、看板だけでも非常に宣伝効果が高いです。
気軽に入ってもらいやすい
階段、エレベーターなどで店舗にアクセスする必要がない路面店の居抜き物件は、急いでいる方にも気軽に入ってもらいやすいです。
デザインの自由度が高い
路面店の居抜き物件は、1階にあるため店舗前のスペースを広々と使えます。
そのため、立て看板や植栽などにより、自由度の高いデザインを実現できます。
路面店の居抜き物件におけるデメリット
一方で、路面店の居抜き物件には、以下のようなデメリットもあります。
・賃料が高め
・良い物件に出会いにくい
賃料が高め
路面店の居抜き物件を賃貸する場合、空中店舗などに比べて、賃料は高めに設定されるケースが多いです。
こちらは、集客力が高く、利益も出やすいとされていることが理由です。
良い物件に出会いにくい
路面店の居抜き物件の居抜き物件には、賃料以外のデメリットがほとんどありません。
しかし、人気が高いあまり、空いている物件が少なく、自身にピッタリの良い物件に出会うのはなかなか難しいと言えます。
空中店舗の概要
建物の2階以上にある店舗のことを“空中店舗”といいます。
“階上店舗”と呼ばれることもあり、入口が道路に面していないのが路面店との大きな違いです。
また、商業施設やショッピングモールの中にある店舗も、入口には接していませんが、こちらは空中店舗とは別のものとして扱われます。
空中店舗のメリット
空中店舗の居抜き物件における主なメリットは以下の通りです。
・コストを抑えられる
・落ち着いた雰囲気を演出できる
・来客のプライバシーを確保できる
コストを抑えられる
後述しますが、空中店舗の居抜き物件は、路面店と比べてあまり人目に付きません。
そのため、賃料は比較的安い傾向にあります。
居抜き物件は、ただでさえ通常の物件よりもイニシャルコストを抑えられるため、こちらは大きなメリットだと言えます。
落ち着いた雰囲気を演出できる
空中店舗の居抜き物件は、道路に面していないことにより、通行人の話し声や車のエンジン音などが聞こえづらいです。
そのため、バーなどの落ち着いた雰囲気を演出したい店舗には適しています。
来客のプライバシーを確保できる
例えば、入口側がガラス張りになっているような路面店の居抜き物件は、来客のプライバシーを確保するのが難しいです。
一方、空中店舗の居抜き物件は、道路側がガラス張りであったとしても、そこまで人目に付くことはありません。
空中店舗のデメリット
空中店舗の居抜き物件を購入あるいは賃貸する際には、以下のデメリットがあることを把握しておきましょう。
・集客しにくい
・営業時間の規制を受ける可能性がある
集客しにくい
空中店舗の居抜き物件におけるデメリットは、なんといっても集客がしにくいという点です。
路面店に比べ、空中店舗は簡単に通行人の目に留まりませんし、アクセスの手間もかかります。
よって、チラシやSNSなど、看板以外での集客も徹底して行わなければいけません。
また、事務所や住居との共用ビルなどにおいては、看板の設置すら許可されないケースもあり、こうなると新規出店ではかなり苦戦することが予想されます。
営業時間の規制を受ける可能性がある
路面店が通りから直接店内に入ることができるのに対し、空中店舗の居抜き物件は、ビルにおける共同の入口からしか入ることができません。
よって、場合によっては営業時間の規制を受けてしまう可能性があります。
まとめ
ここまで、路面店、空中店舗の居抜き物件におけるメリット・デメリットを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか？
居抜き物件を選ぶ際には、どうしてもレイアウトや設備などに注目しがちですが、路面店なのか空中店舗なのかについても、購入や賃貸を判断するための重要な要素です。
実際物件選びをするときには、ぜひ本記事の内容を思い出してください。
