カレーは寿司、ラーメンなどと並び、日本の国民食の1つに数えられることも多い料理です。
また、飲食店開業を目指す方の中には、カレー屋を開業し、人気店にしたいという方もいるでしょう。
今回は、カレー屋開業時の一般的な流れ、必要設備、従業員雇用といったポイントについて解説したいと思います。
カレー屋開業の一般的な流れ
カレー屋を開業する際は、一般的に以下のような流れで各項目をクリアしていくことになります。
| 項目 | |
| 1年～6ヶ月前 | ・コンセプト決定
・店舗物件選び ・事業計画書作成 ・資格取得 |
| 6～3ヶ月前 | ・店舗物件契約
・内装計画 ・資金計画、調達 ・メニュー開発 |
| 3ヶ月前 | ・設備発注
・仕入れ先探し ・メニュー設定 |
| 2ヶ月前 | ・工事着工
・広告宣伝 ・従業員募集 |
| 1ヶ月前 | ・営業申請書提出
・保健所検査 ・従業員教育 |
| 10日前 | ・設備搬入
・開業当日のシミュレーション |
では、各時期の項目について、もう少し詳しく見てみましょう。
1年～6ヶ月前
カレー屋を開業する場合、いわゆる日本におけるカレーライスを提供する店舗、各国の本格的なカレーが味わえる店舗など、コンセプトを決定する必要があります。
また、ターゲットや商圏を明確にし、物件選びをした後は、資金調達に必要な事業計画書を作成し、他店との差別化を図るための資格（カレーマイスターなど）の取得も検討します。
6～3ヶ月前
入居する店舗物件が決定したら、契約手続きを行い、コンセプトに合った内装計画を立てます。
また、資金計画や調達に関しても、なるべく早い段階で進めておきます。
メニュー開発に関しては、カレー屋が人気店に成長するための重要な作業であるため、じっくり時間をかけて行わなければいけません。
3ヶ月前
カレー屋の開業には、さまざまな設備が必要になります。
詳しくは後述しますが、メニューに合わせて早めに発注をかけておきましょう。
もちろん、居抜き物件で開業する場合、すでに揃っているものを発注する必要はありません。
その他、カレーのスパイスなどを仕入れる業者探し、具体的なメニュー設定、価格決定などに関しても、着実に進めていきます。
2ヶ月前
内装計画に沿った工事が着工されます。
工事業者との認識違いにより、ミスが発生しないよう、工事中はこまめに進捗を確認しましょう。
また、看板や広告、SNSなどを活用したカレー屋の宣伝、求人媒体による従業員の募集なども実施します。
1ヶ月前
内装工事がすべて完了するまでの間に、カレー屋を開業するための営業許可申請を管轄の部署に対して行います。
また、保健所の立ち入り検査も、同じくらいのタイミングで行われます。
もちろん、オープンに備えて、採用した従業員を教育することも欠かせません。
後述しますが、カレー屋では外国人従業員を雇用する機会も多く、その場合は言葉遣いなどからしっかり教えなければいけない可能性もあります。
10日前
開業間近になったら、発注済みの設備や備品を搬入し、最後に開業当日のシミュレーションを行って、開業日を待ちます。
カレー屋開業に必要な設備
カレー屋を開業するには、以下のような設備が必須です。
・ガスコンロ
・冷蔵庫
・冷凍庫
・炊飯器
・寸胴
・炊飯ジャー
・タンドール窯
・作業台
・洗浄設備 など
これらの中でも特殊なのは、ナンを焼き上げるためのタンドール窯です。
本格的なカレーが楽しめる店舗を開業する場合は、こちらの設備が必要であり、以前カレー屋もしくはアジア料理店だった居抜き物件を選ばない限り、購入は避けられません。
購入する場合、その分だけ開業コストは高くなってしまうため、注意してください。
カレー屋開業時の従業員雇用について
インドカレー屋など、本格的なコンセプトで開業する場合は、外国人従業員を雇用することが考えられます。
このようなケースでは、以下のような手続きを行い、後々トラブルが発生しないように注意しなければいけません。
・在留資格の確認
・就労ビザの確認
・ハローワークへの届出
在留資格の確認
外国人従業員を雇用する際は、まず日本での在留資格があるかどうかについて、在留カードやパスポートで確認しなければいけません。
もちろん、在留資格の有効期限についても、細かくチェックします。
就労ビザの確認
外国人の方が日本で働くには就労ビザも必要であるため、雇用する際はこちらを持っているかどうかも確認します。
もし、就労ビザを持っていないのであれば、カレー屋の所在地を管轄する入国管理局に対し、在留資格認定証明の申請が必要になります。
ハローワークへの届出
外国人従業員を雇用した後には、ハローワークに対し外国人雇用状況の届出を提出しなければいけません。
ちなみに、こちらは外国人従業員が退職した際にも提出する必要があります。
まとめ
ここまで、カレー屋開業時の流れ、必要設備、従業員雇用について解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
カレー屋は競合店が多く、飲食店以外もライバルになる可能性があるため、立地や店舗物件選び、メニュー開発に関しては、特に力を入れて行わなければいけません。
また、開業後の道のりも決して平坦ではありませんが、人気店を目指して日々努力しましょう。
