焼肉店といえば、何か特別なことがあったときに訪れるイメージが強いかと思いますが、近年は1人で気軽に入店できる焼肉店なども増えてきています。
では、そんな焼肉店を開業するには、一体どれくらいの費用が必要なのでしょうか?
ここからは、開業に必要な設備や適した物件の特徴とあわせて解説したいと思います。
焼肉店開業にかかる費用
焼肉屋をオープンさせるために必要な費用は、主に以下の4つに分けられます。
・物件取得費
・内装工事費
・設備費用
・運転資金
では、それぞれの費用の目安を詳しく見てみましょう。
物件取得費
物件取得費とは、店舗物件に入居するための保証金や礼金、賃料などを指しています。
賃料に関しては、焼肉店における月商の10%前後が目安とされています。
例えば、概算月商が500万円の場合は、50万円前後の賃料で入居できる物件がちょうど良いと言えます。
また、保証金や礼金に関しては、入居時に賃料の6~12ヶ月分程度を支払うケースが多く、かなり高額になることが予想されます。
坪数や想定される客単価などから概算月商を導き出し、目安の賃料が把握できれば、必然的に保証金や礼金におけるおおよその金額も事前に割り出せます。
内装工事費
焼肉店における開業資金の中でも、内装工事費は大きな割合を占めると言われています。
具体的には、開業資金全体の50~60%ほどかかるとされていて、数百万円程度に上ることも珍しくありません。
こちらは、排気システムなどの工事に費用がかかりやすいことが理由です。
ちなみに、すでにダクトなどが完備されている居抜き物件への入居であれば、内装工事費は大幅にカットできます。
設備費用
焼肉店には、前述した排気システムの他にも、必要不可欠な設備が数多くあります。
詳しくは後述しますが、これらの設備を導入するためにかかる費用は、開業資金全体の15~20%程度投入するのが適切とされています。
もちろん、内装工事費と同じく、居抜き物件に入居すれば、設備の導入費用もある程度節約できる可能性が高いです。
運転資金
運転資金は、焼肉店を開業した後、経営が軌道に乗るまで赤字になることを見越して、事前に用意しておくべき費用です。
一般的には、6ヶ月分の赤字決済が可能な金額を用意すべきとされていて、主に賃料や水道光熱費、仕入れ費用や人件費に充てられます。
ちなみに、焼肉店の運転資金のうち、仕入れ費用が占める割合が非常に多く、全体の40~70%程度はこちらに費やされると言われています。
焼肉店開業に必要な設備
焼肉店を開業するためには、必ず以下のような設備を導入しなければいけません。
・ロースター
・排煙口
・業務用冷蔵庫
・作業台
・シンク
・食洗機
・業務用3口コンロ
・業務用炊飯ジャー など
ちなみに、できる限り設備費用を抑えたい場合は、煙がほとんどでない無煙ロースターを選ぶべきです。
また、無煙ロースターは、排煙の仕組みによって以下の3つに分類されます。
・ダクトタイプ
・ノンダクトタイプ
・上引きタイプ
これらの中でもっともポピュラーなのは、ロースターテーブルを床に固定し、床下のダクトとつなげて排煙するダクトタイプですが、おすすめなのは上引きタイプの無煙ロースターです。
上引きタイプは、ロースターテーブルの真上に設置した排煙フードが煙を吸い取り、屋外へ排出するタイプであり、低コストで導入しやすい上に、手入れが簡単です。
居抜き物件で焼肉店を開業する場合も、上引きタイプの無煙ロースターが残っているかどうかはチェックしましょう。
焼肉店開業に適した物件の特徴
焼肉店開業を成功させるには、当然焼肉店開業に適した物件を選ばなければいけません。
以下の特徴を持つ物件は、焼肉店開業に適していると言えます。
・居抜き物件
・路面店
・天井が高い物件
居抜き物件
前店舗が焼肉店を営業していた居抜き物件は、設備費用が大幅に節約できますし、内装工事にかかる期間も短縮できます。
ただし、無煙ロースターの再利用は火災の危険もあるため、内見時にはしっかり検査しなければいけません。
路面店
焼肉店だけに限ったことではありませんが、人の目に付きやすい路面店は、空中店舗の2倍以上売り上げが伸びると言われています。
また、空中店舗は子どもが入りにくいという傾向があるため、ファミリー層をターゲットにする焼肉店は、特に路面店を選ぶべきです。
天井が高い物件
天井が高い物件は、来客に開放感を与えることができます。
特に、焼肉店は天井にダクト、ファンといった設備を多く設置しなければいけないため、デザインの自由度をアップさせるためにも、天井が高めの物件を選ぶべきだと言えます。
まとめ
ここまで、焼肉店の開業にかかる費用、必要な設備、向いている物件の特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
設備費がかかりやすい焼肉店は、居抜き物件で開業しようと考える方が多く、特に好立地の居抜き物件は競争が激しくなります。
よって、開業を目指す場合は、しっかりと開業資金を確保した状態で、意中の物件にスムーズに入居できるように準備しておかなければいけません。