居抜き物件には、前店舗が残していったレジが設置されていることもあります。
レジは飲食店の業態にかかわらず必要になるものであり、設置されている物件を選ぶに越したことはありません。
今回は、居抜き物件に設置されているレジの種類、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
主なレジの種類について
居抜き物件に残っている場合があるレジには、主に以下のような種類があります。
・レジスター
・POSレジ
・タブレットレジ
レジスター
レジスターは、もっともシンプルなタイプのレジで、基本的には会計をする機能のみが付いています。
具体的には、商品金額の計算や来客への提示、釣り銭の計算といった、その場での商品取引に必要な機能が揃っているものです。
正式名称はキャッシュレジスターといい、多くの飲食店、居抜き物件に設置されているため、物件探しの際にはもっとも目にする機会が多くなるでしょう。
POSレジ
POSレジは、来客と金銭のやり取りをした時点での情報を管理するシステム（POSシステム）を搭載したレジです。
POSはPoint Of Salesの略で、日本語では“販売時点情報管理”と訳されます。
つまり、レジとPOSシステムが繋がっているのがPOSレジであり、近年は飲食店でも導入される機会が増加しています。
タブレットレジ
タブレットレジは、タブレットに専用のアプリをインストールすることで、レジ機能と売上分析、データの連携機能などが利用可能になるタイプをいいます。
タブレットPOSレジとも呼ばれ、前述した2つの種類とは違い、持ち運ぶことも可能です。
各レジのメリット・デメリット
では、それぞれのレジにはどのようなメリット・デメリットがあるのかを見てみましょう。
レジスターのメリット・デメリット
シンプルなレジスターのメリットとしては、まず価格が安いことが挙げられます。
1～10万円程度で販売されている製品がほとんどあり、居抜き物件における造作譲渡料に関しては、販売価格よりもさらに安い金額となります。
よって、できる限り安価でレジを確保したいという方にはおすすめです。
複雑な設定を行う必要がなく、譲渡を受けたその日からすぐに使用できるというのも、レジスターのメリットだと言えます。
一方、会計操作が手動であるがゆえに、金額などの誤入力が発生しやすい点はデメリットです。
また、造りもシンプルであるため不正を誘発しやすく、最低限の機能しか付いていないため、当然データ収集など、飲食店経営に活かすこともできません。
POSレジのメリット・デメリット
POSレジはさまざまな機能が付帯しているため、飲食店の経営効率をアップさせたいという方にはピッタリです。
例えば、メニューごとにどれくらいの個数を販売したのか、時間帯ごとに何組の来客が訪れたのかなどを簡単にデータ分析できるため、オーナーや従業員の負担は減り、人経費の削減にもつながります。
また、最新機能を搭載したPOSレジの場合、常に機能がアップデートされるため、レジを買い替える必要もなくなります。
例えば、キャッシュレスや軽減税率、非接触による会計など、国の制度や需要により、販売方法が変化することがありますが、アップデートが行われるPOSレジは、このような変化に迅速に対応してくれます。
つまり、長期的かつ大幅なコスト削減につながるということです。
シンプルなレジスターとは違い、レジ担当者の不正や間違いのリスクも少ないです。
しかし、こちらのタイプは高機能であるため、当然価格は高くなります。
基本的には数十万円単位、最新のものになると販売価格が100万円以上になることもあり、たとえ居抜き物件に設置されたものであっても、格安で取得するのは難しいでしょう。
タブレットレジのメリット・デメリット
タブレットレジの概要で少し触れましたが、こちらのタイプには持ち運びができるという大きなメリットがあります。
また、タブレットレジはPOSレジと同等の機能を持ちながら、ほとんど設置スペースも必要ありませんし、投資費用も基本的にはタブレットの購入費用だけで済みます。
一方で、ネットワーク環境が整っていない環境において、こちらのタイプをうまく利用することはできません。
例えば、Wi-Fiが繋がりにくい地点では、フリーズしたり、顧客の不興を買う事態が起こったりすることもあります。
その他、破損する可能性が高いというところも、タブレットレジのデメリットです。
店内で持ち運んで使用している最中に、誤って落下させてしまい、営業中に破損する可能性も十分あります。
そもそも、タブレットは契約して初めて利用できるものですから、こちらのタイプが居抜き物件に残っているケースは極めて稀です。
まとめ
ここまで、居抜き物件におけるレジの種類、それぞれのメリット・デメリットを見てきました。
居抜き物件に付帯したレジを引き取ることで、スムーズな飲食店開業が実現できるのは事実です。
新たに導入するよりかは、コストも削減できます。
ただし、タイプごとにメリット・デメリットは存在するため、レジに対してどのようなことを求めているのかについては、居抜き物件を探す前に明確にしておかなければいけません。
