居抜き物件で飲食店を開業する場合、多くの方はコストを抑えながら、設備の揃った環境で開業することを目的としています。
また、あらかじめ設置されている各設備をチェックする際には、いくつかのポイントを押さえなければいけません。
ここからは、居抜き物件の代表的な設備におけるチェックポイントを見ていきます。
居抜き物件の代表的な設備におけるチェックポイント
残存する設備の数が多い居抜き物件ほど、開業コストは抑えやすくなります。
また、以下のような代表的な設備が残っている場合は、必ずポイントを押さえた上でチェックしましょう。
・エアコン
・イス
・コールドテーブル
・ガスコンロ
・冷蔵庫
・シンク
エアコン
飲食店の業務用エアコンは、1台設置するのに数十万円はかかる高価な設備です。
店舗の規模によっては複数台設置しなければいけないこともあるため、コストを抑えるためには、必ず十分な台数が揃っている居抜き物件を選ばなければいけません。
また、居抜き物件のエアコンをチェックする際は、どのようなタイプなのかも確認し、自身が求めているものを選ぶ必要があります。
例えば、もっともポピュラーなタイプである“天井埋め込みカセット型”は、スッキリした見た目と、室内の温度をコントロールしやすいところが特徴です。
その他でいうと、“天井ビルトインカセット型”は、室内機を天井の内側に設置し、本体の吸い込み口のみを天井から露出することで、吹き出し口を分散できますし、“ビルトインオールダクト型”は、天井から露出している吸い込み口と吹き出し口をそれぞれダクトで繋ぐタイプで、高機能エアコンとして利用できます。
イス
飲食店の居抜き物件には、テーブルやイスが残っていることもありますが、より細かくチェックしたいのは、どちらかというとイスの方です。
具体的には、座面が柔らかく座りやすいかどうか、座面とテーブルの高さは合っているかどうかなどを確認します。
また、居抜き物件のイスをそのまま使用するのであれば、これから開業しようとしている店舗の業態、価格帯などに合ったデザインかどうかもチェックしなければいけません。
例えば、カジュアルなスタイルの飲食店を経営するにもかかわらず、高級感溢れるイスを設置すると、来客にちぐはぐな印象を与える可能性もあります。
コールドテーブル
冷蔵・冷凍機能の付いた作業テーブルをコールドテーブルといいますが、こちらが残っている居抜き物件を選ぶ場合は、“ドロワーコールドテーブル”であるかどうかを必ずチェックしましょう。
こちらは、冷蔵・冷凍機能部分が小分けされ、引き出し式になっているタイプのコールドテーブルをいい、引き出しごとに食材を収納できるため、作業効率が非常に良いです。
また、一般的なドロワーコールドテーブルは、数十万~百万円と高価であり、設置されている居抜き物件を選ぶことは、開業コスト節約の面で非常にメリットがあります。
ガスコンロ
どのような飲食店を経営する場合でも、ガスコンロは必要になります。
居抜き物件の業務用ガスコンロは、家庭用ガスコンロよりも火力が強く、より火災の危険性をはらんでいるものです。
よって、第一にチェックしたいのは、広さや口数ではなく、安全性だと言えます。
最近の業務用ガスコンロには、“立ち消え安全装置”というものが設置されていて、こちらが付いたものを選ぶことで、安全性は非常に高くなります。
こちらは、煮こぼれや吹きこぼれがあったとき、あるいはとろ火での調理を行っているときに、万が一火が消えてしまっても、センサーが察知して自動でガスを停止してくれる機能です。
冷蔵庫
飲食店に設置された業務用冷蔵庫は、温度や湿度管理に優れていて、なおかつ強度や耐久性、メンテナンスのしやすさにも強みがあります。
また、居抜き物件で冷蔵庫をチェックする際には、機能や利便性などを重点的に確認しましょう。
例えば、食材を新鮮な状態で長持ちさせたいという場合は、-4~5℃の庫内温度をキープし、湿度を85%以上に保てる“恒温高湿庫”が付いたものを選ぶべきです。
その他、食材の出し入れが多い環境で使用するのであれば、柱がないタイプや、ガラスドアで中身が見えるタイプなどをおすすめします。
シンク
飲食店の居抜き物件におけるシンクは、その数によって一槽シンク、二槽シンク、三槽シンクに分かれます。
二槽シンクや三槽シンクは、それぞれのシンクを食器用、食材用などに分けることができますし、複数人で流れ作業的に使用することも可能です。
また、シンクの横に水切りシンクが設置されていれば、ちょっとした作業台としても使用できるため、使い勝手は良くなります。
開業しようとする飲食店の業態、厨房で稼働するスタッフの人数などを考慮して、適したタイプを選びましょう。
まとめ
ここまで、飲食店の居抜き物件における代表的な設備のチェックポイントを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
前述した設備のチェックを怠ると、開業後に問題が生じたり、無駄なコストがかかったりする可能性があるため、注意してください。
もちろん、設備のスペックばかりを重視し、開業時に予算オーバーしないようにも気を付ける必要があります。