居抜き物件を契約する際には、不動産会社の審査を受けるだけでなく、貸主との面談を行うケースも多いです。
こちらには、顔合わせだけでなく、貸主が物件を貸し出す人物として相応しいかどうかをチェックする意味合いもあります。
ここからは、居抜き物件契約時、貸主との面談でチェックされる主なポイントを見て行きます。
居抜き物件契約時に貸主との面談でチェックされる6つのポイント
貸主との面談では、借主として相応しいかどうか判断するために、以下のようなポイントがチェックされます。
・経歴
・業種
・営業時間
・煙、ニオイ
・事業計画書
・人柄
経歴
居抜き物件契約時に行われる面談において、貸主は必ずこれまでの経歴をチェックしています。
単純に、飲食業界で長い間活躍していれば、「安定した経営ができそう」と貸主に好印象を与えることができますし、有名店で修業していたり、店長としての経験があったりすれば、さらに信頼感は高まります。
また、飲食業界での経営が少なかったとしても、料理教室を運営した実績があるなど、集客や評判につながりそうな経験がある方は、積極的に貸主にアピールすべきです。
業種
居抜き物件契約時、貸主との面談でチェックされるポイントには、開業しようとする飲食店の業種も挙げられます。
例えば、焼肉店の開業を希望していて、すでに同じテナントビルに焼肉店がある場合は、同じビル内での競合を避けるために、入居を許可してもらえない可能性があります。
ただし、貸主の中には、「1つの業種に特化したビルにしたい」という考えの方もいるため、必ずしも同業種が避けられるというわけではありません。
営業時間
居抜き物件契約時、貸主が面談でチェックするポイントには、飲食店の営業時間も挙げられます。
特に、その物件が住宅街に位置していたり、住宅街から近いエリアにあったりする場合、貸主は営業時間を細かくチェックすることが多いです。
理由はもちろん、深夜まで営業することがクレームにつながる可能性が高いからです。
そのため、貸主との面談において、貸主から営業時間の変更や調整といった要望が出ることも十分考えられます。
煙、ニオイ
煙やニオイに関することも、居抜き物件契約時、貸主に面談でチェックされるポイントの1つです。
なぜなら、煙やニオイが多く出る店舗は、営業時間が長い店舗と同じく、近隣住民とのトラブルに発展する可能性が高いからです。
また、煙やニオイが出やすい焼肉店、焼鳥店などは重飲食と呼ばれ、こちらは店内も汚れやすい業種であることから、入居を拒否する貸主も少なくありません。
ただし、居抜き物件契約から開業までの間に、排気口をビルの上部まで伸ばすといった工事をすることで、重飲食でも入居が認められる可能性はあります。
事業計画書
居抜き物件契約時、貸主は面談において、事業計画書の内容も必ずチェックしています。
どれほど魅力的な店舗に見えても、継続的に経営する意思や計画性に乏しい場合、面談ではあまり良い印象を与えることができません。
逆に、良い印象を与えることができる事業計画書は、これまでの経歴を事細かに記載してあったり、開業する飲食店の開業理由を明確にしていたりするものです。
開業理由に関しては、「10年間飲食業界におりましたが、今回焼肉店で独立することを決心しました」など、理由が見えない内容にするのではなく、「新しい料理を求めて旅をしたときに出会った〇〇牛が忘れられず、その素晴らしさを〇〇(エリア)の方にも伝えたくて、焼肉店を開業することにしました」といった具体的なものにしましょう。
こちらの方が、開業理由にストーリー性があり、貸主に良いイメージを持ってもらえたり、面談時の会話が弾んだりすることにつながりやすいです。
また、収支計画の実効性についても、事業計画書に必要資金の合計、調達する資金の合計と内訳を細かく記載し、これらを同じ金額にすることで、貸主に十分伝えることができます。
人柄
居抜き物件契約時、貸主は面談において、借主となる方の人柄もチェックしています。
貸主はもちろん、輝かしい経歴がある方や、今後安定した経営状況を維持できそうな方に物件を貸し出したいと考えます。
しかし、貸主も人間ですので、一番は強いのはやはり「人柄が良い人に貸し出したい」という考えです。
そのため、貸主との面談では、丁寧な言葉遣いや低姿勢などを心掛け、人としての良さをアピールすることを忘れてはいけません。
また、「飲食店を開業したい」という熱意を伝えることも、人柄を評価してもらうにあたって大事なことです。
まとめ
ここまで、居抜き物件契約時、貸主との面談でチェックされる主なポイントについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
店舗に入居できるかどうかについては、そのほとんどが貸主の判断によって決定されています。
そのため、貸主に良い印象を持ってもらうために、しっかりと事前準備を行った上で、面談に臨むことを心掛けてください。
飲食店経営は、物件に入居しないことには始まりません