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居抜き開業の失敗事例についてケース別に紹介します

居抜き物件を利用して店舗をオープンさせる際、誰もが失敗しないように工夫します。
しかし、居抜き開業におけるトラブルは思わぬところに潜んでいて、細心の注意を払っていても失敗してしまうケースが多々あります。
ここからは、居抜き開業の失敗事例をケース別に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

ケース①設備、内装関連の失敗事例

Aさんは、都内にある焼肉屋の居抜き物件を利用して、自身の焼肉屋をオープンさせる計画を立てていました。
少し賃料は高めでしたが、Aさんは早く申し込みをしないと競争になってしまうと感じたため、すぐに申込みを行います。
契約はスムーズに進み、入金をするところまでは非常に順調でした。
しかし、その居抜き物件の内装工事が終わった後に、事件は発生します。
内装工事後、消防署に検査の申し入れをしたところ、その居抜き物件の前オーナーが店舗で火事を起こしていたことが発覚したのです。
そして、その際設備を改善するように指導されていたものの、前オーナーは改善せずに経営を続けていたことも判明しました。
改善が促されていた設備は計10ヶ所にも上り、Aさんはその設備の修繕や取り替えをしなければいけない羽目になったのです。
Aさんは当然前オーナーにクレームを入れましたが、前オーナーはすでに居抜き物件の譲渡で得た利益を使ってしまっていたため、返金はできない状況でした。
また、不動産仲介業者にも連絡しましたが、「設備、内装に関するトラブルは責任を負うことができません」と言われてしまいます。
こちらは、Aさんが他との競争を避けたいがために、居抜き物件の設備や内装をきちんとチェックしなかったことが原因の失敗です。

ケース②立地関連の失敗事例

Bさんは、都内の中でも少し隠れ家的な立地にあるバーの居抜き物件を契約しました。
そして、バーのオープンまであと5日と迫ったある日、Bさんが警察署に深夜営業許可の申請を行った際に、事件が発生します。
なんと、そのバーの居抜き物件がある地域は住居地域に指定されており、深夜0時以降の営業が認められていない地域だったのです。
Bさんが不動産仲介業者に問い合わせたところ、契約書に深夜0時以降の営業が認められていない旨は記載されていましたが、前店舗が深夜営業をしていたこともあり、問題ないと判断してしまったことが発覚します。
違反してまで深夜営業を始めることもできないBさんは、結局不動産仲介業者に賃料を値下げしてもらい、深夜0時までに店舗を閉店させることを決断しました。
こちらは、Bさんがその居抜き物件がある地域の情報をリサーチしていなかったことが、失敗に繋がったという事例です。

ケース③周辺住民関連の失敗事例

Cさんは定食屋の居抜き物件を利用して、昼は定食屋、夜は居酒屋という形態の店舗をオープンさせました。
しかし、契約終了後、周辺住民からクレームが入ってしまいます。
その居抜き物件の屋上には排気ダクトがありましたが、そのダクトが周辺の土地にはみ出していたのです。
これにより、周辺住民は強い臭いに悩まされていて、前オーナーも周辺住民とその件でトラブルになっていたことがわかりました。
それにも関わらず、前オーナーは無視をして経営をし続けたため、周辺住民が根負けし、途中からはクレームを入れなくなったそうです。
そのため、Cさんに居抜き譲渡される際、前オーナーはそのようなトラブルがあったことをCさんに報告していませんでした。
こちらは、Cさんが居抜き物件の設備状況をしっかり確認しておけば、防ぐことができた可能性のある失敗だと言えます。

ケース④計画性のなさが原因の失敗事例

Dさんは、当時流行していたタピオカミルクティーの専門店を居抜きでオープンさせました。
その後も、さまざまな流行に乗る形で、かき氷店、チーズボールの専門店、コンセプトカフェなどさまざまな店舗を居抜きで開業します。
しかし、これといったノウハウがないまま流行に乗って開業を繰り返していたことが災いし、設備投資はどんどん膨らんでいきました。
そのような折、追い打ちをかけるように新型コロナウイルス感染症の流行が拡大し、経営状況はさらに悪化します。
また、昼の部と夜の部に分けて飲食店の営業を行っていたことにより、従業員の労務的な管理が行き届かなくなり、社会保険料の未払いや融資の打ち切りに追い込まれたことから、あえなく飲食業界からの撤退を余儀なくされました。
こちらは、イニシャルコストが安いという理由だけで、綿密な計画を立てずに居抜き物件に手を出してしまったこと、業態に合った経営ノウハウを学ばず、別業態に手を広げたことが原因の失敗です。

まとめ

ここまで、居抜き物件での開業におけるさまざまな失敗事例を紹介してきました。
いずれの事例も非常に気の毒ではありますが、どれも居抜き物件を契約する前にしっかり調査や準備をしておけば、防ぐことはできた可能性のある失敗です。
一度居抜き物件を契約したり、設備や内装を工事したりしてしまうと、すぐに退去することも元の状態に戻すことも難しくなるため、慎重な行動を心掛けましょう。

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