コストを抑えるために居抜きで開業し、その後経営を軌道に乗せていく飲食店は数多く存在します。
一方で、すぐに経営が厳しくなり、わずかな期間で廃業してしまう飲食店が多いのも事実です。
今回は、居抜き開業の飲食店がすぐに廃業してしまう主な原因について解説したいと思います。
居抜き開業の飲食店がすぐに廃業してしまう原因6選
これから飲食店の居抜き開業をしようと考えている方は、以下のようなことが原因で、早々に廃業に追い込まれることのないよう注意しましょう。
・ホームページを作成していない
・グルメサイトから魅力が伝わらない
・原価管理がおろそか
・オペレーション管理が適切でない
・売り切れや表示間違いが多い
・清掃が行き届いていない
ホームページを作成していない
居抜き開業してすぐ廃業に追い込まれる飲食店は、店舗のホームページを作成していない場合があります。
ホームページは、店舗の存在を知ってもらうための大事なツールであり、集客を行うにあたって活用しない手はありません。
また、ホームページがあれば、ウェブマップ上に店舗情報が表示される“Googleマイビジネス”にリンクを貼ることも可能ですが、ひどい場合はGoogleマイビジネスへの登録すらしていない店舗もあります。
これでは店舗の存在を隠しているようなものであるため、居抜き開業の準備と並行して、Googleマイビジネスへの登録やホームページ作成の手続きも進めておくべきです。
グルメサイトから魅力が伝わらない
せっかくグルメサイトに登録しているにもかかわらず、そこからまったく魅力が伝わらないことが原因で、居抜き開業後すぐ廃業に追い込まれる飲食店もあります。
具体的には、以下のような情報が少なかったり、曖昧だったりする場合に、閲覧者を敬遠させてしまうことが考えられます。
・写真(外観、内装)
・おすすめのメニュー、価格帯
・利用目的
初めて来店する飲食店を選ぶ方は、「どのような見た目のお店なのか」「何が美味しいお店なのか」「どのようなタイミング、人数で利用できるのか」などを中心にチェックするため、これらの点は詳しく記載しなければいけません。
原価管理がおろそか
居抜き開業の飲食店がすぐ廃業に追い込まれる原因としては、原価管理がおろそかであることも挙げられます。
居抜き開業直後の飲食店は、物珍しさも手伝って一時的に大きく集客数が増える傾向にあります。
しかし、このとき調理のスピードを重視しようとしすぎると、食材や調味料、ひいては仕上がりの分量まで目分量になりがちであり、結果的に当初のシミュレーション通り原価管理ができず、思いの外利益が出ないことがあります。
もちろん、このような料理の提供を続けていると、味が安定せず、固定客がつかないことも考えられます。
オペレーション管理が適切でない
居抜き開業後、すぐに飲食店が廃業してしまう原因には、オペレーション管理が適切でないことも挙げられます。
例えば、オペレーションがきちんと整備されていない場合、配膳の仕方が従業員によって変わったり、オーダーを取るまでに時間がかかったりすることがあります。
このような状況は、当然飲食店のイメージダウンにつながるものであり、放置しているのは良くありません。
特に、飲食店の居抜き開業直後に訪れる来客はほとんどが新規顧客であり、オペレーション管理不足で第一印象を悪くしてしまうと、その後再び来店してもらうのが難しくなります。
売り切れや表示間違いが多い
売り切れや表示間違いが多い飲食店も、居抜き開業後すぐ廃業してしまう可能性があります。
よくあるケースとしては、来客からメニューのオーダーが入り、一度承ったにもかかわらず、後になって売り切れていることに気付くというものです。
こちらは、キッチンとホールの連携が取れていない証拠であり、来客からすれば気分は良くないため、避けなければいけません。
また、メニューの価格改定を行ったにもかかわらず、メニュー表にそれが反映されていない場合も、来客の信頼を落としてしまいます。
このような事実については、メニュー表に記載するのはもちろん、店頭やオーダーを受ける前に説明を行うことも重要です。
清掃が行き届いていない
清掃が行き届いていない飲食店も、居抜き開業後すぐ廃業に追い込まれる可能性が高いです。
トイレや床、玄関マットなど、来客の目に付きやすい部分が汚れているのはもってのほかですが、調味料が置いてあるカスターの清掃に関しても、飲食店側は注意すべきです。
例えば、各調味料の中身が補充されていなかったり、容器が汚れていたりする場合、来客のイメージは悪くなります。
もし、清掃する時間を確保できないのであれば、まったく同じセットを厨房などに用意し、来客が入れ替わるタイミングで交換しましょう。
まとめ
ここまで、居抜き開業後すぐに飲食店が廃業してしまう6つの原因を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
居抜き開業後のスタートダッシュに失敗すると、その後リカバリーするのはなかなか難しくなります。
そのため、前述したようなことにならないよう、開業前からさまざまなケースをシミュレーションしておくことが大切です。