フレンチレストランと聞くと、高級なお店をイメージされる方も多いかと思いますが、必ずしもそうとは限りません。
近年は、気軽に通える店舗も増えていて、特にリーズナブルな店舗は競争も激しくなっています。
今回は、フレンチレストラン開業の流れや物件選びのポイントについて解説します。
フレンチレストラン開業の一般的な流れ
フレンチレストラン開業時の一般的な流れは以下の通りです。
開業までの時期ごとに実施すべき項目を事前に把握することで、スムーズな開業を実現できます。
時期 | 実施項目 |
1年~6ヶ月 | ・タイプ選定
・物件探し ・事業計画作成 ・資格取得 |
6~3ヶ月 | ・物件契約
・内装計画 ・資金計画、調達 ・メニュー開発 |
3ヶ月 | ・設備発注
・仕入れ先探し ・メニュー設定 |
2ヶ月 | ・工事着工
・広告宣伝 ・スタッフ募集 |
1ヶ月 | ・営業許可申請
・保健所検査 ・スタッフトレーニング |
10日 | ・厨房機器、機材、インテリア搬入
・開業当日のシミュレーション |
では、それぞれの時期における実施項目について、もう少し詳しく見てみましょう。
1年~6ヶ月前
この時期に行う項目として重要なのは、やはりタイプ選定と物件探しです。
フレンチレストランには、主に以下のような種類が存在し、どれを選ぶかによって立地や物件探しの条件も変わってきます。
タイプ | 詳細 |
オート・キュイジーヌ | 著名なガイドブックに星付きで紹介される高級フレンチレストラン |
ビストロ | ワインや料理を気軽に味わえるフレンチレストラン |
ブラッスリー | 大衆性の高いフランス版ビアレストラン |
サロン・ド・テ | 軽食やお菓子を提供するコーヒーショップ |
物件選びについては、後ほど詳しく解説します。
6~3ヶ月前
この時期には、特に内装計画に力を入れなければいけません。
フレンチレストランの内装工事にかかる価格相場は、1坪あたり50~80万円程度とされていますが、カジュアルなビストロやブラッスリーであればもう少しコストは抑えられますし、逆に高級フレンチの場合は、さらに高額になることもあります。
また、来客を惹きつけるための魅力的なメニュー開発も重要な項目です。
3ヶ月前
これくらいの時期に行う項目として重要なのは、設備発注です。
居抜き物件の場合は、それほど多くならないケースが多いですが、スケルトン物件の場合、数多くの設備を発注しておく必要があります。
具体的には、以下のような設備が必要です。
・オーブン
・プラック
・スチームコンベクション
・サラマンダー
・ウォーマーテーブル
・コールドテーブル など
2ヶ月前
これくらいの時期から、内装計画に基づいた工事が着工されます。
工事のミス、計画の誤算はコストの無駄につながるため、施工業者とは綿密な打ち合わせをしなければいけません。
また、開業後のスムーズな経営につなげるための広告宣伝、スタッフの募集も重要な実施項目です。
1ヶ月前
この時期に実施すべきことで重要なのは、フレンチレストランを営業するための許可申請、そして保健所の検査です。
特に保健所の検査は、厨房機器やドア、空調といったものの設置状況が基準をクリアしているか判断するためのものであり、検査項目は事前に問い合わせておく必要があります。
10日前
開業まで10日を切ったら、いよいよラストスパートです。
必要な厨房機器、テーブルやイスなどのインテリアを店内に搬入し、開業当日に大きなトラブルが発生しないよう、従業員とともにシミュレーションを行って、開業に備えます。
フレンチレストラン開業に伴う物件選びのポイント
フレンチレストランを開業する際の物件には、なるべく設備が整っている居抜き物件を選ぶことをおすすめします。
前述の通り、フレンチレストランには特殊な厨房機器が多く必要であり、それらを一から揃えようとすると、開業費用はかなり高額になってしまうからです。
また、フレンチレストランの厨房機器には、エネルギーを多く消費するものも多いです。
そのため、電気やガスの容量などに関しても、大きめの物件を選ぶべきです。
その他、物件選びの際には、天井や壁、床の素材にも注目しましょう。
例えば、高級フレンチレストランでよく見かけるシャンデリアを設置したい場合、天井の強度は高くなければいけません。
そして、壁紙に関しては、機能性が高く、なおかつ安価でデザインも豊富ものがフレンチレストランに適しています。
具体的には、ビニールクロス素材を採用している物件がおすすめです。
ちなみに、フレンチレストランは料理やワインをこぼしてしまうなど、床が汚れやすいため、メンテナンスのことを考慮し、フローリングやタイルなど、防汚性や清掃性に優れた素材を採用している物件を選びましょう。
まとめ
ここまで、フレンチレストラン開業の一般的な流れや物件選びのポイントを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
コンセプトとターゲットを明確にし、なおかつ居抜き物件で開業コストを抑えることが、フレンチレストラン開業の大きなポイントです。
また、長い間経理を続けるためには、商品単価を抑えつつ、顧客単価を上げるための工夫もある程度必要になります。