空き家に居住する予定はないものの、売却するのは惜しいと考える方には、とりあえず土地活用を行い、収入源として管理するという選択肢があります。 また、空き家で実施できる土地活用の一つに、太陽光発電があります。 ここからは、太陽光発電にどのようなメリット・デメリットがあるのかについて解説します。
太陽光発電の概要
太陽光発電とは、自身が所有する自宅や土地に太陽光発電システムを設置し、それを用いて発電した電気を電力会社に売却し、投資資金を回収し、利益を得るというものです。 10kW以上の産業用太陽光発電であれば、国の固定価格買取制度(FIT)で売電価格が20年間保証されます。 空き家においては、賃貸物件などと同じく、広く実施されている土地活用の一つです。
空き家で行う太陽光発電のメリット
空き家で行う太陽光発電には、主に以下のようなメリットがあります。 ・少ない手間で収入を得られる ・地価に影響しない ・賃貸物件よりも初期費用が安い ・防犯対策になる
少ない手間で収入を得られる
空き家で行う太陽光発電に必要なのは、ソーラーパネルと太陽光だけです。 ソーラーパネルさえ設置してしまえば、太陽光がある限りは収入の元となる電気が生み出されるため、少ない手間で収入を得ることが可能です。 他の空き家活用方法の中には、店舗経営や民宿など、収入を得るための運営に労力を伴うものも多いですから、これらの方法に比べると太陽光発電は圧倒的に少ない手間で収入を得られるメリットがあります。
地価に影響しない
太陽光発電は基本的に、どこの土地に設置しても導入費用や買い取り価格に違いはありません。 電柱の整っていないところに設置するような場合だと、別途費用がかかりますが、特に地価が高い、安いだけでは、売電価格に影響はありません。 つまり、僻地にあるような空き家であっても、実施することは可能だということです。
賃貸物件よりも初期費用が安い
空き家で賃貸経営を始めるには、場合によっては1億円ほど必要になることもあります。 これに対し、太陽光発電の初期投資は低額で済みます。 具体的には、1kWあたり25万円程度で済むため、コストパフォーマンスには優れていると言えます。
防犯対策になる
空き家で太陽光発電を行う場合、太陽光パネルは基本的に屋根の上に設置することになります。 また、屋根の上に太陽光パネルを置くと、周囲からは人が住んでいるように見える可能性があります。 こちらは、所有する空き家が自宅から遠く離れたエリアにある場合、大きなメリットになります。 特に人気(ひとけ)のない住宅は犯罪被害に遭いやすいため、パネルの設置は一種の防犯対策になるといえます。
空き家で行う太陽光発電のデメリット
空き家で行う太陽光発電には、以下のようなデメリットもあります。 ・設置に向いていない空き家もある ・天候によって収入が左右される ・太陽光パネルのメンテナンスが必要 ・災害によるリスクが高い
設置に向いていない空き家もある
先ほども触れたように、空き家に太陽光パネルを設置する際、住宅用設備の場合は屋根上にソーラーパネルを設置することが多いです。 しかし、以下のような空き家は設置に向いていません。 ・ソーラーパネルの荷重に屋根が耐えられない ・設置のスペースを確保できない ・屋根に太陽光が当たりにくい 上記のケースのように、太陽光発電設備はすべての空き家で設置してメリットを受けられるものではありません。 その物件に適しているかどうか、十分に見極めたうえで設置することが大切です。
天候によって収入が左右される
空き家で行う太陽光発電は、照射時間によって発電量に差が生じます。 そのため、雨が多いエリアや季節は、収入が減る傾向にあります。 例えば、晴れの日の発電量を100%とすると、曇りの日は40~60%、雨の日は10%以下になることもあります。
太陽光パネルのメンテナンスが必要
太陽光発電設備は、メーカーや価格によって質にバラつきがあることも少なくありません。 設置してしばらく時間が経った設備には、劣化や汚れもあります。 また、太陽光発電設備のメンテナンス実績は売電価格にも影響を及ぼすため、メンテナンスを欠かさないようにしておくことが大切です。
災害によるリスクが高い
空き家で行う太陽光発電は、他の活用方法に比べて災害によるリスクが高いです。 日本は地震や台風といった自然災害が多い国であり、空き家のあるエリアでこのような災害が起こった場合、太陽光パネルが破損するなどの損失につながります。 そのため、事前に損害保険に加入するなどして、いつ発生するかわからない災害リスクに備えておく必要があります。
まとめ
ここまで、空き家で行う太陽光発電のメリット・デメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか? 手間をかけずに土地活用を始めたいという方は、太陽光発電も選択肢に入れるべきだと言えます。 ただし、ある程度まとまった収入を安定的に得たいという方は、多少初期費用をかけてでも、賃貸物件など他の土地活用を選択することをおすすめします。