焼鳥屋は、飲食店の中でも比較的イニシャルコストが少なく、利益率も高いことから、新規開店数が多い業態です。
また、もちろん居抜きでの開業を目指す方も多く、ポイントさえ押さえておけば、買い手困る可能性はかなり低くなります。
ここからは、焼鳥屋の居抜き売却における主なポイントについて解説します。
買主に人気の設備があれば売却しやすい
冒頭で触れたように、焼鳥屋は比較的コストを抑えながら開業できる業態です。
しかし、機能性の高い設備などは、どうしても導入にコストがかかりやすく、居抜き開業をしようと考える方は、これらの設備が残った物件を求めています。
そのため、以下のような設備がある場合は、好条件での居抜き売却が期待できます。
・焼き台
・サラマンダー
・フライヤー
・ショーケース
焼き台
焼き台は、焼鳥屋にとって命とも言える設備です。
しかし、高額な上に、簡単に取り替えるのも難しいため、こちらが残っている居抜き物件は高額で売却できる可能性が高いです。
特に人気なのが、遠赤外線電気グリルです。
こちらは、炭焼き台のように、事前に火を起こす必要がなく、オーダーを受けてからスイッチをオンにするだけですぐ点火するため、電気代が節約できますし、当然ガス代もかかりません。
もちろん、炭焼き台やガス焼き台も、造作としては大きなアピールポイントになります。
サラマンダー
焼鳥屋では、焼鳥以外の焼き物を提供するケースも多いです。
このような場合に使用するサラマンダーは、焼鳥屋の居抜き売却を有利に進めてくれる設備の一つです。
また、ヒーターを利用した電気式のサラマンダーは、ガス式のように加熱空間を閉じる必要がないため、人気が高いです。
その他、前後左右どこからでも、料理や食材を出し入れできるタイプであれば、作業効率も良くなるため、多くの買い手が好条件で買い取ってくれるでしょう。
フライヤー
焼鳥屋の主なメニューは、やはり焼鳥を中心とした焼き物ですが、中には焼鳥居酒屋のようなスタイルで、揚げ物なども豊富に取り揃える店舗もあります。
また、居抜き物件の買主がこのような店舗の開業を目指している場合は、フライヤーも大きなアピールポイントになります。
一般的なフライヤーは、数十万はくだらない効果な設備であるため、こちらが付帯している物件は評価が高くなります。
特に、熱効率が高く、周囲の気温が必要以上に上昇しにくい電気フライヤーは人気が高いです。
ショーケース
焼鳥屋では、お肉やその他の串ものの鮮度の良さをアピールするために、調理前の串をショーケースに並べることもあります。
そのため、状態の良いショーケースが残っている場合は、居抜き売却の際にぜひアピールしてください。
具体的には、きちんと清掃が行き届いていることはもちろん、容量が大きいものや、LED照明を搭載したものなどは評価されやすいです。
ダクトの性能が良い物件も評価が高い
焼鳥屋は、ニオイや煙が出やすいいわゆる重飲食の業態です。
そのため、これらを外に出すダクトがしっかりしているかどうかも、居抜き売却の成否に関わってきます。
また、排気ダクトが汚れていると、フードからの吸い込みが弱くなり、厨房内の気温が上がるため、調理をする方に危険が及びます。
このようなポイントは、居抜き売却を行うにあたってマイナスになるため、排気ファンの汚れ具合はもちろん、ベルトに亀裂が生じていないか、異音がしていないかといった点については、前もって確認しておかなければいけません。
もっとも好まれるのは路面店
次に、焼鳥屋の居抜き売却における立地のポイントですが、多くの買主に好まれるのは、やはり路面店の物件です。
特に、看板を目立たせることができる物件は、良い条件で売却できる可能性が高いです。
また、2階以上にある空中店舗であっても、買主が目指す焼鳥屋のコンセプトによっては、うまく売却できることが考えられます。
例えば、ワインなどとともに、コースで焼鳥を提供するような落ち着いた雰囲気の店舗、隠れ家的な店舗の経営を目指す方に対しては、空中店舗でも十分に売り込める可能性があります。
商業地域に近い立地であればさらに高評価
焼鳥屋に訪れる方の多くは、焼鳥を楽しみながらお酒を飲みます。
そのため、商業地域や駅などの交通アクセスに優れている場所、繁華街もしくはその近くにある居抜き物件は、売却に向いています。
また、商業地域に近いだけでなく、夜の人通りが多ければ、さらに評価は高くなります。
ただし、駅前で人通りが多くても、まっすぐに帰宅を急ぐ方ばかりである場合、買主に「集客しやすそう」というイメージを与えられません。
まとめ
ここまで、焼鳥屋の居抜き売却における主なポイントを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
立地の問題については、居抜き売却に合わせて対処するのが難しいですが、清掃を行ったり、設備の状態を維持したりすることは可能です。
そのため、すでに廃業を考えている方も、好条件での居抜き売却につなげるために、なるべく丁寧に店内や設備を扱いましょう。