店舗の居抜き売却を行おうとする方の中には、自身が経営してきたカフェを手放そうとする方もいるかと思います。
実は、カフェは数ある業態の中でも、特に居抜き売却に向いている業態とされています。
ここからは、なぜ居抜き売却に向いているのかを中心に解説したいと思います。
カフェが居抜き売却に向いている理由5選
カフェを閉店させる方の主な選択肢は、スケルトン物件にするか、居抜き物件として売却するかの主に2択です。
また、どちらを選択するか迷った場合は、居抜き売却に重点を置いて検討してみましょう。
カフェには、居抜き売却が有利になる以下のような理由があります。
・店舗が汚れにくい
・物件オーナーの人気が高い
・さまざまな立地でニーズがある
・店舗経験がなくても参入しやすい
・転用性が高い
店舗が汚れにくい
カフェは焼肉屋や焼鳥屋、ラーメン屋などのいわゆる重飲食と呼ばれる店舗に比べて、調理を行う機会が少ないです。
そのため、油を使用したり、煙が出たりする機会も必然的に減少し、物件内が汚れにくいです。
また、こちらはキレイな物件を求めている居抜き物件の買主にとって大きなメリットであり、比較的買い手が付きやすい理由でもあります。
物件オーナーの人気が高い
先ほども触れたように、カフェでは油を使ったり、煙が出たりする調理をほとんど行いません。
こちらは、居抜き物件の買主だけでなく、その物件のオーナーにとっても良い印象を与えられます。
物件のオーナーは、当然自身の物件をキレイに使用してほしいと考えます。
そのため、居抜き売却をする相手(買主)が、焼肉屋などの重飲食を開業しようとする場合、居抜き売却自体を認めてもらえない可能性があります。
一方、買主がカフェの経営を目指している場合は、今後も比較的物件の清潔感が保たれるため、快諾してもらいやすくなります。
さまざまな立地でニーズがある
通常、飲食店における好立地とは、駅前や繁華街などを指しています。
一方、カフェの場合は、どのような立地にあったとしても、比較的ニーズが高いため、居抜き売却に向いています。
例えば、駅前や繁華街の場合は、流行りのドリンクやスイーツなどが充実している、若い方向けのカフェを開業したい方、住宅街などの場合は、地域の方がゆったりと利用できるカフェを開業したい方から、ある程度需要があることが見込まれます。
店舗経験がなくても参入しやすい
カフェという業態は、実はこれまで飲食店を経営したことがない方が、最初に選ぶことが多い業態でもあります。
こちらは、メニュー構成の関係で、厨房設備は比較的軽いもので済み、なおかつ調理を行う機会も少ないからです。
つまり、経験とコストがそれほど求められない業態だということです。
そのため、カフェの居抜き物件は多くの方が探していて、一度売りに出せば、多くの購入希望者が現れることが期待できます。
転用性が高い
カフェは必要な厨房設備が少ない上に、汚れも少ないため、カフェ以外の業態への転用性も高いです。
そのため、他の業態での開業を目指す買主もターゲットにすることができます。
また、買主にとっては、転用性が高いことから、もしカフェの経営がうまくいかなかったとしても、リニューアルして他の店舗として再出発しやすいため、リスクヘッジにもなります。
特に居抜き売却しやすいカフェの特徴
居抜き物件として評価されやすいカフェの特徴としては、やはりカフェの経営に必要不可欠であり、なおかつ高額な機器が譲渡対象になっていることが挙げられます。
こちらは、具体的にはエスプレッソマシンやグラインダーなどを指しています。
エスプレッソマシンは、購入すると高額になるケースが多く、カフェの居抜き開業をしたい方にとっては非常に魅力的です。
特に、型式が新しいものや、汚れがきちんと除去されているものがあれば、より居抜き売却は有利になります。
一方、購入から年数が経っていたり、汚れが残ったままであったりする場合、エスプレッソコーヒーの味も当然落ちるため、造作としてはあまり良い評価を得られません。
また、グラインダーは、主に電動のコーヒーミルのことを指していて、特にカッターの種類がフラットカッター、コニカルカッターになっているものなどは、高く売却しやすいです。
ちなみに、エスプレッソマシンやグラインダーについては、リース品やレンタル品である可能性もあります。
そのため、居抜き売却を行う前に、自身の資産であるかどうかは必ず確認しておきましょう。
もし、リース品やレンタル品なのであれば、購入希望者が譲渡対象と勘違いしないようにすることも大切です。
まとめ
ここまで、カフェが居抜き売却に向いている理由を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
キレイな状態で物件を使い続けてきた方や、高額な機器が良い状態で残っている方などは、ぜひカフェの居抜き売却を検討してください。
スムーズに譲渡することができれば、今後の生活や新たな事業における資金を獲得できる可能性があります。