居抜きの飲食店において、従業員の力は必要不可欠です。
しかし、たとえ従業員を十分に確保できたとしても、離職率を低下させないことには、安定した飲食店の経営はできません。
ここからは、居抜き飲食店のオーナーが、従業員の離職率を下げるためにやるべきことについて解説します。
居抜き飲食店における従業員の離職率上昇は大きな課題
飲食業界では、もう何年もの間、人材不足が大きな問題として取り上げられています。
また、飲食業外における大きな問題は、人材不足だけではありません。
従業員の離職率上昇も、長い間、問題視され続けています。
離職率とは、ある時点で働いていた人数のうち、一定期間後に退職した従業員の割合を指しています。
多くの飲食店や企業では、期初~期末までの1年間で退職した従業員の割合で使用されることが多いです。
ただし、多くのアルバイトが在籍し、人の出入りが頻繁な飲食店では、離職率の求め方に工夫が必要です。
例えば、アルバイトの多くは学業などと併用していることが多く、長期間にわたって安定的に働くことは稀であるため、離職を前提としたアルバイトは離職率の計算から除外し、試用期間の終了までに離職したアルバイトの人数のみカウントするなどすると効果的です。
居抜き飲食店における従業員の離職率が高ければ、“すぐに従業員が辞めてしまう飲食店”ということになりなすし、言い換えれば、これから入ってくる正社員やアルバイトにとって、“魅力的でなない飲食店”ということにもなります。
では、従業員の離職率を下げるために、オーナーは一体どのような工夫をすべきなのでしょうか?
居抜き飲食店における従業員の離職率を下げるため工夫
居抜き飲食店のオーナーは、なるべく従業員の離職率を上げないように、正社員、アルバイトの従業員に対して、それぞれ異なる工夫をすべきです。
具体的な内容を見てみましょう。
正社員に対する工夫
居抜き飲食店における正社員の従業員には、自身の将来性に関して不安を感じている方が多いです。
例えば、「このまま一生従業員として働き続けるのか」、あるいは「もし飲食店が潰れたら再就職先はあるのか」といった不安です。
正社員の従業員の離職率を低下させるためには、このような不安を取り除くことが1番効果的です。
具体的には、飲食店の2号店、3号店の出店を目指し、新店がオープンした暁には、正社員従業員に店長を任せる旨を伝えることをおすすめします。
そうすることで、正社員の従業員における将来の不安はかなり少なくなることが予想されますし、地位が用意されていることで、離職率も低下する可能性があります。
もちろん、新店のオープンが実現した場合には、開業直後のサポートをすることも忘れてはいけません。
アルバイトに対する工夫
居抜きの飲食店におけるアルバイトの従業員は、そのほとんどが学業や趣味など、メインの時間を使う場所に近かったり、融通が効いたりする飲食店をアルバイト先として選びます。
しかし、アルバイトの従業員は、正社員の従業員とは違い、少しでも職場に違和感があると、すぐに別の職場に移ろうと考えます。
また、居抜きの飲食店には、従業員の多くがアルバイトであるところも多いため、アルバイトの離職率をいかに良化させるかが、経営を安定させるためのポイントと言えます。
では、どのようにすれば、アルバイトの従業員の離職率を低下させられるのかというと、具体的な方法としておすすめなのは、一部の居酒屋チェーンなどで実施されている、給与の前払いです。
アルバイト従業員の中には、学生なども多いため、早めに給与を受け取りたかったり、急にお金が必要になったりすることも、必然的に多くなります。
もちろん、前払いできる金額や回数などにはしっかりと規則を設けるべきですが、このように給与に融通を効かせることで、アルバイトの離職率はかなり低下することが予想されます。
その他で言うと、寸志程度でもボーナスを支給したり、その月の売上に応じた時給アップを導入したりすることをおすすめします。
オーナーと従業員が話し合う時間を設けるのも大切
居抜き飲食店において従業員の離職率を低下させるためには、オーナーが各従業員と1対1で話し合う時間を設けることも大切です。
1対1が望ましい理由としては、第三者の目があると、本音を話してもらえない可能性があることが挙げられます。
また、オーナーは従業員からヒアリングを行った上で、どのようにすれば仕事の悩みを解決できるのか、将来の目標を叶えることができるのかなどについて、一緒に考えるようにしましょう。
そうすることで、従業員はオーナーに対して信頼感を持ち、やりがいを感じながら働いてくれることが予想されます。
まとめ
ここまで、居抜き飲食店における従業員の離職率を下げるために、飲食店のオーナーが実施すべきことについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ネット全盛の今、従業員の離職率が高いという情報は、あっという間に拡散してしまいます。
そのため、従業員の入れ替わりが激しいという居抜きの飲食店は、すでに慢性的な人材不足に足を踏み入れている可能性があるため、早急に離職率改善に踏み切らなければいけません。