居抜きでの飲食店経営を目指す方は、いくつもの内見を行い、希望条件に合った物件を探し出します。
また、一口に居抜き物件と言っても、築年数や設備状況などは千差万別ですが、中には絶対借りない方が良い特徴を持つ物件が存在します。
今回は、具体的にどのような物件を避けるべきなのか、ランキング形式で解説します。
絶対に借りるべきではない居抜き物件の特徴ベスト3
居抜き物件はイニシャルコストが安く、なおかつ開業までの作業をスムーズに進められるところが魅力です。
また、中には破格の値段で貸し出されている物件もありますが、以下のような特徴を持つ居抜き物件を借りてしまうと、後々後悔する可能性が高いため、避けることをおすすめします。
・第3位:排気、吸気設備が弱い
・第2位:カビが生えている
・第1位:自動火災報知設備が付いていない
第3位:排気、吸気設備が弱い
絶対に借りない方が良い居抜き物件の特徴としては、まず排気、吸気設備が弱いということが挙げられます。
排気、吸気設備とは、ダクトや換気扇のことであり、こちらがうまく機能しないと、飲食店の経営には苦戦する可能性が高いです。
特に、煙や油の多く発生する重飲食の場合、排気や吸気がうまくいかないことが原因で、近隣住民からクレームが出てしまうこともあるため、注意してください。
また、排気や吸気設備が弱い居抜き物件の中には、換気扇のファンなどを交換しても、ダクト自体から空気が漏れているなどの原因により、なかなか状況が改善しないという物件もあります。
ダクト自体を入れ替えることも不可能ではありませんが、このような工事をしてしまうと、イニシャルコストが安いという居抜き物件の大きな特徴を消してしまうことになるため、あまりおすすめできません。
ちなみに、居抜き物件の内見時、排気や吸気設備についてチェックする方法としては、蚊取り線香を持参する方法があります。
蚊取り線香に火をつけ、実際に換気扇を稼働させることにより、どれくらい煙を吸っているか目で確認することが可能です。
ただし、こちらは不動産会社や管理会社の許可がなければできませんし、そもそも電気が通っていない居抜き物件では実践できないため、その点はあらかじめ留意しておきましょう。
第2位:カビが生えている
絶対に借りない方が良い居抜き物件の特徴としては、カビが生えているということも挙げられます。
カビが生えている物件は、前述した排気や吸気設備が良くないのはもちろんのこと、建物のどこかで雨漏りが発生している可能性があります。
また、雨漏りと言えば上層階のイメージがあるかもしれませんが、下層階の居抜き物件においても、雨漏りが発生することは考えられます。
例えば、壁から雨が入り、それが壁の中を伝って天井から落ちてくるというケースもあります。
また、物件にカビが生えているかどうかチェックする方法としては、内見の際に屋根裏までしっかり確認する方法や、壁のクロスをチェックする方法が挙げられます。
クロスが不自然に浮いている場合や、角の部分がめくれかけている場合などは、雨漏りが原因である可能性が高いため、注意しなければいけません。
ちなみに、雨漏りの原因は特定するのが難しく、もし原因が見つかったとしても、建物全体の修繕が必要になるため、非協力的なオーナーの場合、改善までに時間を要することもあります。
第1位:自動火災報知設備が付いていない
絶対に借りない方が良い居抜き物件の特徴としては、自動火災報知設備が付いていないということも挙げられます。
こちらは、これまで飲食店ではなかった店舗が飲食店になったという物件でよく見られるケースであり、設置義務があるにもかかわらず、オーナーがそれを見過ごしている、もしくは気付いていないという状況を指しています。
もし、自動火災報知設備が付いていない居抜き物件に入居し、そこで火災が発生てしまったら、最悪の場合、従業員や来客に死傷者が出てしまう可能性もあります。
また、そのような状況になると、設置義務を怠っていたオーナーだけでなく、店舗を経営していた従業員の方にも刑事罰が科されることが考えられるため、必ず自動火災報知設備が付いた物件を選びましょう。
居抜き物件の内見では、つい見た目のキレイさやインテリア、厨房設備などに目が行きがちであり、自動火災報知設備の有無を見逃すというケースは意外と多いです。
ちなみに、自動火災報知設備未設置の場合、新たに設置するためにはおよそ200~300万円というとても大きな費用がかかります。
こちらも、居抜き物件におけるイニシャルコストが安いという特徴を消してしまうことにつながります。
まとめ
ここまで、絶対に借りない方が良い居抜き物件の特徴をランキング形式で解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
各居抜き物件が持つ特徴に関しては、不動産会社がその多くを把握していますが、こちらは必ずしも完璧なものとは限りません。
そのため、新たに居抜き物件を借り、飲食店を開業しようとする方が、隅々まで内見を行うことは非常に重要です。