個人経営、チェーン店に限らず、いまだに飲食店はコロナの影響を受けています。
また、近年は居抜きのファミリーレストラン（ファミレス）が、コロナ感染拡大で大きな被害を受けていることがわかっています。
では、なぜ居抜きでのファミレス開業はコロナの影響を受けやすいのでしょうか？
詳しく解説しましょう。
居抜きでのファミレス開業がコロナの影響を受けやすい理由
居抜きでのファミレス開業は、以下の理由からコロナの影響を受けやすく、現時点では苦戦する可能性があります。
・不特定多数の人が多く集まりやすい
・賃料が高い
・テイクアウトにあまり強くない
・メインのターゲットが離れている
不特定多数の人が多く集まりやすい
居抜きのファミレスがコロナの影響を受けやすい理由としては、まず不特定多数の人が多く集まりやすいということが挙げられます。
ファミレスの各店舗は、面積が広く席数も多いケースがほとんどです。
そのため、他の業態と比べると、比較的多くの人が集まりやすくなります。
どれだけコロナ対策を取っていても、多くの人が集まる飲食店ほど、コロナ感染拡大のリスクは高くなるため、ファミレスは必然的に敬遠されやすくなっています。
また、どちらかというと“多くの人でワイワイ、ガヤガヤしている”、“しゃべりながらご飯を食べている方が多い”というイメージが強いのも、ファミレスが敬遠されている理由だと言えます。
賃料が高い
居抜きのファミレスがコロナの影響を受けやすい理由としては、賃料が高いということも挙げられます。
こちらは、先ほど解説したように、店舗の面積が広いからです。
例えば、同じエリアにある飲食店であっても、やはり店舗が広い方が賃料は高くなりますし、来客が減少すると、その分が負担として大きくのしかかるようになります。
また、ファミレスには、駐車場が完備されていることも多く、敷地面積全体でいうとかなりの広さになることも珍しくありません。
好立地で、毎月賃料を大きく上回るような売上が出れば問題ありませんが、パタッと客足が止まったファミレスの多くは、賃料という大きすぎる負担に悩まされることになります。
テイクアウトにあまり強くない
居抜きのファミレスがコロナの影響を受けやすい理由には、テイクアウトにあまり強くないということも挙げられます。
ファミレスと言えば、やはり店舗で料理を食べるというイメージが強いです。
そのため、テイクアウトの概念がそもそも希薄であり、ファストフード店等と比べると、どうしてもテイクアウトには弱くなってしまいます。
もっと言えば、ボリュームのあるパフェや、鉄板で食べるステーキ等、テイクアウトに向いていないメニューが多いことも否めません。
コロナ感染拡大を機に、テイクアウトに力を入れ始めたファミレスは増加し、ここ最近はかなり浸透し始めていますが、これだけで失った売上を取り戻すには、まだしばらく時間がかかることが予想されます。
メインのターゲットが離れている
メインのターゲットが離れているということも、居抜きのファミレスがコロナの影響を受けやすい理由の1つです。
ファミレスというくらいですから、メインのターゲットはファミリー層だと思いがちですが、実はそうではありません。
もちろん、ファミリー層も訪れる機会は多いですが、ファミレスのメインのターゲットは、高齢者の方や1人で来店するいわゆる“おひとり様”だと言われています。
実際、ファミレスメニューの多くは、1人でも注文できるものばかりですし、蕎麦等の和食や和菓子等、高齢者に向けたものも多く提供されています。
しかし、昨今コロナに感染すると重篤化する可能性が高い高齢者の方は、総じて飲食店への来店を控えています。
また、1人で飲食店に来店する方も以前より減少傾向にあり、ファミレスはこれまでお得意様だった2つのターゲット層を同時に失うことになってしまったのです。
これから居抜きでファミレスを開業する場合のポイント
お世辞にも追い風とは言えない現在の状況で、ファミレスを居抜き開業しようと考える方は、コンセプトをしっかりと設定し、集客プランを立てることが大切です。
具体的には、以下のような項目を押さえたコンセプトづくりを行います。
・What（何を）：どのようなメニューを提供するのか
・Why（なぜ）：なぜファミレスを開業しようとしたのか
・When（いつ）：営業時間はどうするのか
・Where（どこで）：どのような立地で開業するのか
・Who（誰に）：どのような人をターゲットにするのか
・How（どのように）：どのようなスタイルで料理やサービスを提供するのか
・How much（いくらで）：料理はいくらで提供するのか
まとめ
ここまで、居抜きのファミレスがコロナの影響を受けやすい理由を4つほど解説してきましたが、いかがでしたでしょうか？
本記事に目を通して頂いている経営者の方の中には、ファミレスではないにしろ、前述した条件に当てはまっている居抜きの飲食店を経営している方もいるかもしれません。
その場合、かなりの経営難に陥っていることが予想されますが、今はとにかくコロナ対策を徹底し、何とか事態の好転を待つことを考えましょう。
