居抜き物件を探す際は、開業後に良いスタートを切るためだけでなく、長く愛される店舗を目指すための工夫も大切です。
そのため、今回は居抜きでの飲食店経営を長続きさせるための立地選びについて解説します。
難しいことをする必要はないため、これから物件探しをする方は、ぜひ参考にしてください。
居抜きでの飲食店経営を長続きさせるための立地の選び方3選
居抜きでの飲食店開業には、とにかく安く、スムーズに開業できるというメリットがあります。
しかし、どれだけ楽に開業できたとしても、すぐに経営に苦しみ、廃業に追い込まれては意味がありません。
居抜き開業後、1年以内に廃業してしまう飲食店は非常に多いため、少しでも長く経営するためには、以下のような立地の選び方を心掛けましょう。
・なるべく説明しやすい立地を選ぶ
・存在をアピールできる立地を選ぶ
・なるべく賃料が安い立地を選ぶ
なるべく説明しやすい立地を選ぶ
居抜きでの飲食店経営を長続きさせるためには、なるべく説明しやすい立地を選ぶことが大切です。
極端に言えば、どれだけ駅から離れている物件であっても、場所を聞かれたときにすぐ説明できる物件であれば、経営は長く続きやすくなります。
例えば、「○○駅から1つ目の角を右に曲がって、そのまましばらく真っ直ぐ」というように、駅から離れていても簡単に説明できる立地であれば、一般的に良い立地と言われる場所でなくても、入居先候補にするべきです。
このような居抜き物件の経営が長く続きやすい理由は、説明しやすい立地にあることにより、口コミで店舗の場所が広まりやすいことが挙げられます。
存在をアピールできる立地を選ぶ
先ほど、たとえ一般的に良い立地でなくとも、説明しやすい立地にある居抜き物件では、経営が長く続きやすいという話をしました。
しかし、それだけでは新規の来客を十分に獲得することができません。
より長く続く店舗を目指すためには、新規の来客を常に獲得できるような立地を選ぶ必要があります。
言い方を変えると、多くの方に存在をアピールできる立地を選ぶことです。
例えば、居抜き物件自体が路地裏などにある場合は、大通りに看板を出すことができる立地を選びましょう。
店舗の魅力をアピールできる看板が大通りに設置されていれば、少し奥まった立地であっても、十分に集客できる可能性はあります。
逆に、大通りなどから2回以上曲がらないとたどり着けない立地の店舗は、あまりおすすめできません。
このような立地の場合、店舗の場所の説明が難しい上に、「偶然見つけた」という方が来店する可能性も低くなってしまいます。
なるべく賃料が安い立地を選ぶ
居抜き物件での飲食店経営を長続きさせるための立地選びにおいては、なるべく賃料が安い立地を選ぶことも重要です。
当然のことですが、賃料が高い立地で店舗を開業させてしまうと、売上が月々のランニングコストに追いつかない可能性が高くなります。
ランニングコストの中でも、賃料は人件費と並んでかなりの割合を占めるものであるため、賃料の安さは可能な限り優先しなければいけません。
また、賃料だけでなく、保証金もなるべく抑えられる立地の居抜き物件を選びましょう。
駅前、または繁華街などにある物件には、思わずビックリするほど保証金が高い物件もあり、こちらの出費が後々経営に響く可能性は大いにあります。
これらの費用を抑えることで、早めに経営が軌道に乗りやすくなり、その後安定して利益を上げられる可能性が高くなります。
居抜き物件での飲食店経営を長続きさせるために、立地選び以外にすべきこと
居抜きでの飲食店経営を長続きさせるための立地選びができたとしても、開業後の工夫ができていなければ、すぐに閉店の危機に陥ってしまいます。
飲食店の場合、長年愛され続けている店舗は、一般的に以下のような特徴を持っている場合が多いため、ぜひ参考にしてください。
・注文から料理が提供されるまでの時間が短い
・厨房、店内の清掃が行き届いている
・店内に活気がある
・看板メニューがある
・立地に合ったメニューを提供している
これらの特徴のうち、1つでもクリアしていない場合、短期間で店舗が閉店してしまう可能性は急激に高くなるため、注意しましょう。
例えば、どれだけ魅力的なメニューが揃った清潔感のある店舗であっても、家賃の安い立地で高級和食、フレンチなどを提供してしまうと、なかなか長くは続かないでしょう。
逆に、高級住宅街にある非常に綺麗な物件で、高級感溢れる飲食店を開業できたとしても、これといった看板メニューがなければ、集客数を増やすのは難しくなります。
まとめ
ここまで、居抜き物件での飲食店経営を長続きさせるための立地選びを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
一般的な良い立地、悪い立地のイメージにとらわれすぎると、なかなか経営を長続きさせるのは難しくなります。
また、長く愛される店舗を目指すための立地選びができたところで、開業後もたゆまぬ努力、工夫をしなければ、激しい競争の中で淘汰されてしまうため、注意しましょう。