事務所を借りようと考える企業関係者の方の中には、居抜き物件を候補に入れている方もいるかと思います。
居抜き事務所の賃貸には、通常のスケルトン物件にはないメリットがある一方で、居抜きならではの注意点も存在するため、物件探しを始める前には、これらのことについて把握しておきましょう。
詳しく解説します。
居抜きで事務所を借りることのメリット3選
企業が居抜きで事務所を借りることのメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・コストを抑えることができる
・移転にかかる時間を短縮できる
・業務に支障が出にくい
コストを抑えることができる
居抜きで事務所を借りることのメリットは、なんといってもコストを削減できるところです。
通常の事務所であれば、クロスの張り替えや床の修復、照明の交換などの内装工事費、備品の購入費や搬入費などがかかりますが、居抜きの場合は内装をそのまま利用する上に、設備もある程度揃っているため、これらの費用はほとんどかかりません。
また、近年はコロナ禍の影響もあり、使用期間が短い物件が増え、居抜き事務所の設備も新品に近くキレイなものが多く見られます。
移転にかかる時間を短縮できる
移転にかかる時間を短縮できるというところも、居抜き事務所の大きなメリットです。
スタートアップやベンチャー企業といった成長が早い企業は、事業規模が急激に大きくなることがあり、従業員の人数もそれに比例して急激に増えていきます。
そのため、必然的に移転を繰り返すケースも多くなりますが、コストを抑えつつスムーズに移転できる居抜き事務所であれば、負担は大きく軽減されます。
業務に支障が出にくい
居抜き事務所のメリットとしては、業務に支障が出にくいことも挙げられます。
企業が事務所を移転させる際には、さまざまな手続きが必要です。
例えば、通常の事務所であれば、ネット回線の工事や各種インフラの整備などが挙げられ、場合によってはすべての環境が揃うまで、業務を休止しなければいけないことも考えられます。
一方、居抜き事務所は、入居した時点で業務を始めることができる設備や環境が整っているため、移転と業務をある程度並行して進められる場合もあります。
居抜きで事務所を借りる際の注意点3選
居抜き事務所にはさまざまなメリットがある反面、以下のような注意点もあります。
・設備の撤去費用が高額になりやすい
・レイアウト変更に支障が出る場合がある
・物件数が少ない
設備の撤去費用が高額になりやすい
先ほども触れたように、居抜き事務所であれば、入居時にかかるコストを大幅に削減することができます。
しかし、退去する際には原状回復義務が発生するため、基本的に事務所にある設備はすべて撤去しなければいけません。
もちろん、次の入居者もそのまま居抜きで賃貸してくれれば問題ないのですが、スケルトン状態で引き継がなければいけない場合、比較的高額な原状回復費用がかかることが多いため、こちらの点は留意しておきましょう。
レイアウト変更に支障が出る場合がある
例えば、使用しない会議室がそのまま残っている場合などは、希望のレイアウトにしたいときに支障が出てしまいます。
入居後、使用しないことがわかったら解体すれば良いと考える方もいるかもしれませんが、それでは入居後に無駄なコストがかかってしまいます。
そのため、前もって物件の使用用途を明確にし、必要ない部屋や設備がある場合は、前入居者に撤去、解体してもらうことをおすすめします。
そうすれば、無駄なコストがかかるのを防ぐことができます。
物件数が少ない
居抜き事務所は、通常の事務所と比べて圧倒的に物件数が少ないです。
そのため、なかなか理想の物件が見つからないということは十分考えられます。
また、もし理想の物件が見つかったとしても、居抜き事務所は需要が高いため、他の企業に先を越されてしまったり、同時審査の結果、他の企業の入居が決まってしまったりすることもあります。
場合によっては、物件探しだけで1年以上を要することもあるため、居抜き事務所の物件探しが簡単ではないということは、心に刻んでおきましょう。
居抜き事務所が向いている企業
居抜き事務所は100坪以内の物件が多いため、小規模企業の方がマッチングしやすいと言えます。
例えば、従業員数が50名規模になると、事務所の使い方は多様化します。
そのため、「会議室の数が足りない」「個室をもっと増やしたい」といった課題が生じやすく、条件の合う物件はなかなか見つかりません。
その点、従業員数が10名ほどの企業であれば、会議室も1つあれば十分のため、多くの居抜き事務所を入居先の候補にすることができます。
まとめ
ここまで、居抜きで事務所を借りることのメリットや注意点について解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
確かに居抜き事務所にはいくつかの注意点がありますが、入居時のコストが削減できるだけでなく、すぐに使用できる、業務への影響が少ないなどのメリットもあります。
そのため、居抜きで事務所を借りること自体は、企業にとってとても良い選択肢だと言えます。
