飲食店では、害虫や害獣による被害に悩まされることがあります。
そのため、内見の際には設備などをしっかりチェックし、害虫や害獣が出にくい居抜き物件に入居したり、開業後には防御対策を取ったりしなければいけません。
ここからは、入居時にチェックすべきポイント、具体的な害虫・害獣対策について解説します。
害虫とは?
そもそも害虫とは、人間の生活に直接あるいは間接に害を与える虫の総称です。
飲食店で発生する害虫は、主にゴキブリ、ハエ・コバエ、蚊であり、発生することによってさまざまな被害につながります。
例えば、飲食店を始めとする食品を取り扱う場所で発生しやすいチャバネゴキブリは、食材や食品に混入したり、ウイルスなどを媒介したりすることがあります。
また、ゴミのある場所で発生しやすいイエバエは、0157などの病原菌を媒介する可能性があります。
また、なんといっても一番の被害は、来客に不快感を与えることにより、風評被害を招くことです。
そのため、居抜き開業をしようとする方は、最初の害虫対策として、害虫リスクが少ない物件を選ばなければいけません。
害獣とは?
害獣とは、人間の生活に害をもたらす虫以外の生き物を指しています。
シカやイノシシなどの大型動物から、アライグマやイタチ、タヌキなどの小型動物まで、害獣にはさまざまな種類がありますが、飲食店で発生する主な害獣にはネズミが挙げられます。
ネズミは、店舗内の食料やインテリアなどをかじるだけでなく、害虫と同じように感染症を媒介することもあります。
害虫・害獣リスクを減らすためにチェックすべき物件のポイント
飲食店の居抜き開業を目指す方は、害虫や害獣のリスクを少しでも減らすために、内見における最初の対策として、店内のニオイをチェックしましょう。
鼻を衝くような酸っぱいニオイは、グリストラップや排水口に付着した脂分が酸化して発するニオイです。
このようなニオイがする居抜き物件は、こまめに清掃がされておらず、開業後の害虫・害獣リスクが高くなるため、注意してください。
また、地下の居抜き物件を検討する際には、下水などのドブ臭があるかどうかもチェックしましょう。
ニオイがきつい場合、湧水ピットや汚水槽の清掃が行われていないため、こちらも害虫や害獣の発生リスクは高まります。
ちなみに、汚水槽の汚れはニオイだけの問題でなく、蚊などが発生する可能性も示唆しています。
居抜き開業後に実施すべき害虫・害獣対策
害虫・害獣の発生リスクが低い居抜き物件に入居したからといって、開業後の対策をしなければ、当然ゴキブリやネズミなどが発生する可能性は高くなります。
具体的には、以下のような対策を取るべきです。
・換気扇を常に回しておく
・排水管を塞ぐ
・排水口に蓋をする
・侵入予防アイテムを使用する
換気扇を常に回しておく
ゴキブリなどの害虫を防ぐためには、換気扇を常に回しておくことをおすすめします。
こうすることで、換気扇から店内には入ってこられなくなりますし、稼働音がゴキブリを遠ざけることにもつながります。
排水管を塞ぐ
排水管を伝って、店内に侵入してくる害虫も少なくありません。
そのため、ゴミ受けなどを使用し、店内への入口は塞いでおきましょう。
また、営業終了後に熱湯を流しておくことも、熱に弱い害虫対策として効果的です。
排水口に蓋をする
店舗を閉めて帰宅する際には、排水口に蓋をしておくだけでも大きな害虫対策となります。
侵入予防アイテムを使用する
居抜きの飲食店におけるネズミ対策として効果的なのは、ネズミの侵入予防アイテムです。
中でももっとも典型的なのが、バネ式やカゴ式などの種類がある捕獲器です。
こちらは、エサを捕獲器に置くことで、誘い出されたネズミがエサをかじり、その振動で作動・捕獲するというものです。
ちなみに、ネズミの侵入予防アイテムには、他にも毒エサや忌避剤などがありますが、こちらは食品を扱う飲食店において、食中毒など別のリスクをもたらす可能性があるため、あまりおすすめできません。
飲食店において注意すべきその他の動物
居抜き開業する飲食店において注意すべきその他の動物には、カラスが挙げられます。
ゴミ置き場などにおいて、カラスがゴミを引きずり出し、食い散らかす姿を目撃したことがある方は多いかと思います。
飲食店においても、蓋がついていないゴミ箱を外に置いていると、カラスが食いらしてしまい、掃除の手間が増えたり、近隣住民からのクレームにつながったりすることがあるため、注意してください。
最近では、カラスが嫌うニオイのするスプレーが販売されていて、ゴミ箱に数回散布することで、学習能力のあるカラスは早々に飛来しなくなるとされています。
まとめ
ここまで、飲食店の居抜き開業をする方に知っていただきたい害虫・害獣対策を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
害虫や害獣は、従業員や来客に健康的な被害を与える可能性のあるものです。
また、発生することにより、店舗のイメージダウンや売上の減少につながってしまうため、できる限り多くの対策を取っておかなければいけません。