大学や学生寮、学生マンションなどが多く集まるエリアのことを学生街といいます。
また、このようなエリアには、学生向けにさまざまな店舗が展開されていて、飲食店開業時には、候補の1つとして挙げられることも多いです。
今回は、学生街で居抜きの飲食店を開業させるメリット・デメリットについて解説します。
学生街で居抜きの飲食店を開業させるメリット
学生街で居抜きの飲食店を開業させることには、主に以下のようなメリットがあります。
・リピーターを獲得しやすい
・店舗情報が拡散されやすい
・多くの時間帯での集客が見込める
リピーターを獲得しやすい
学生街は、他の立地と比べてリピーターを獲得しやすい傾向にあります。
大学や専門学校などに通う学生は、最低でも週5日間、同じ場所に通学するため、若者に好まれる味、ボリューム、価格、メニュー構成などを心掛けることで、日常的に利用してもらえる可能性がアップします。
店舗情報が拡散されやすい
学生街で居抜きの飲食店を開業させるメリットとしては、店舗情報が拡散されやすいことも挙げられます。
飲食店は、店舗の情報を発信するために、チラシやネット広告といった媒体を活用します。
しかし、これらを活用するには当然コストが必要であり、コストに見合った宣伝効果を得ることができるとも限りません。
一方、学生街の場合、来店した学生に気に入ってもらうことができれば、SNSで情報を拡散してもらえる可能性が高いです。
多くの時間帯での集客が見込める
例えば、オフィス街の場合、メインターゲットとなる会社員のランチタイムはほとんどが12~13時に集中します。
そのため、どうしても他の時間帯の売上が減少したり、満席によるチャンスロスが発生したりすることがあります。
一方、学生街のメインターゲットである学生は、学部や学科、個人の履修科目などにより、授業の時間や登校時間にある程度バラつきが出ます。
つまり、昼前や昼時、昼ピーク後など、さまざまな時間帯でバランス良く集客できるということです。
学生街で居抜きの飲食店を開業させるデメリット
学生街で居抜きの飲食店を開業させる際には、以下のようなデメリットがあることも事前に把握しておきましょう。
・客単価が低い
・騒音トラブルが発生しやすい
・長期休暇には売上が減少する
客単価が低い
学生街で居抜きの飲食店を開業させる場合、他の立地と比べると、どうしても客単価は低くなりがちです。
なぜなら、学生は会社員などと比べてお金を持っておらず、使える金額も限られているからです。
そのため、ボリュームが豊富なメニューを提供したり、お得なセットメニューを考案したりといった、客単価をアップさせるための工夫は必須です。
騒音トラブルが発生しやすい
学生街において、アルコール類を提供する居抜きの飲食店を開業させる場合、騒音トラブルには注意が必要です。
特に忘年会シーズンなどに、若者が多く集まるときには、話し声や笑い声などが大きくなることが多く、こちらが近隣住民や近隣店舗からのクレームに発展することも考えられます。
もちろん、来客のイメージが悪くなると、飲食店そのもののイメージ悪化にもつながり、客足が遠のく可能性もあります。
長期休暇には売上が減少する
学生街のメインターゲットは学生であり、一度リピーターを獲得すれば、毎日安定した売上を得ることができますが、長期休暇となると話は別です。
春休みや夏休み、冬休みの間には、登校しなくなる学生の数が増加し、一気に売上が減少する可能性があります。
そのため、長期休暇中はアルバイトの数を減らすなどして人件費を削減したり、ある程度売上が落ちることを想定して、年間の売上計画を立てたりといった工夫が必要です。
学生街で居抜きの飲食店を開業させる際のポイント
学生街で居抜きの飲食店を開業させる場合、学生受けが良い業態を選ぶのがポイントです。
カレー店や定食屋、中華料理店やラーメン店などは、サッと足を運べてお腹を満たすことができるため、非常に人気の業態です。
また、どのようなロケーションにある学生街なのかによっても、戦略は大きく変わってきます。
例えば、都心部にある学生街の場合、学生だけでなく付近のサラリーマンやOLなども、ランチタイムに訪れる可能性があるため、そちらのケアも忘れてはいけません。
その他、都心部から離れた場所にある学生街では、バイクやマイカーで通学している学生が多いことも考えられます。
このようなロケーションの場合、駐車場を10台前後確保することが望ましいです。
ロードサイドであれば、比較的駐車場付きの居抜き物件も見つかりやすくなります。
まとめ
ここまで、学生街で居抜きの飲食店を開業させるメリット・デメリットを中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
学生街で一度若者の心を掴むことができれば、学生たちに愛される繁盛店として、長い間経営を続けられる可能性があります。
ただし、それにはライバル店に競り勝つための工夫や、デメリットを埋めるための施策が必要不可欠です。