居抜き物件で飲食店を開業する場合には、清掃業者に依頼し、店内を綺麗にすることをおすすめします。
こちらは、飲食店経営において重要なスタートダッシュに大きな好影響を与えるものであるからです。
では、居抜き物件の清掃を業者に依頼する場合、一体どれくらいのコストがかかるのでしょうか?
居抜き物件の清掃箇所について
居抜き物件の清掃を依頼する場合のコストを見る前に、まずは具体的な清掃箇所について見てきましょう。
居抜き物件で清掃すべき箇所は、客席、厨房、トイレの大きく3つに分けられ、それぞれをさらに細分化すると以下のようになります。
詳細 | |
客席 | ・床
・テーブル、イス(カウンター含む) ・照明 ・ガラス ・空調設備 など |
厨房 | ・床
・レンジフード ・グリスフィルター ・有圧扇 ・グリストラップ ・側溝 ・グレーチング ・シンク、コンロ、調理スペース ・建具 など |
トイレ | ・便器全体
・床 ・鏡 ・手洗いボール など |
これだけの清掃箇所を、飲食店の経営者や従業員だけで清掃するのは、決して容易ではありません。
したがって、コストを捻出できるのであれば、業者に清掃を依頼するのが得策だと言えます。
居抜き物件の清掃を依頼する場合のコストは?
飲食店の清掃を専門としている業者は、各社さまざまな特徴を持っています。
例えば、先ほど解説した清掃箇所1つ1つに個別の価格設定をし、依頼主が選んだ箇所だけを清掃してもらえるところもあれば、客席の清掃全般、トイレの清掃全般などをセットにして提供しているところもあります。
また、依頼主が個別に清掃を依頼できるタイプの業者であれば、1箇所につき5,000~20,000円程度のコストがかかります。
一方、セットでの清掃を依頼する場合、依頼主は30,000~50,000円程度のコストを支払うケースが多いです。
ただ、店舗の規模が大きい場合は、セットでの清掃依頼価格が10万円近くになることも珍しくありません。
まとめて依頼することで清掃コストを節約できる
先ほど、依頼主が個別に清掃箇所を指定する場合と、セットで清掃を依頼する場合のコストについて解説しました。
お気付きの方も多いかと思いますが、清掃業者に居抜き物件の清掃を依頼するのであれば、まとめて依頼する方が圧倒的にお得です。
例えば、空調設備だけ業者に清掃を依頼し、客席は従業員と協力して清掃しようと考える経営者の方がいるとします。
こちらの場合、かなり清掃コストを節約できるように見えますが、実際そのようなことはありません。
なぜなら、清掃の依頼コストが安くなったところで、従業員に清掃をしてもらうための人件費は発生するからです。
つまり、結局同じくらいのコストがかかるのであれば、初めから清掃のプロに大部分を任せる方が賢明だということです。
従業員の清掃と業者の清掃は同じではない
もっと言えば、たとえ従業員に清掃してもらうための人件費より、清掃業者に依頼する場合のコストが高くなったとしても、業者に依頼するべきです。
従業員が行う清掃と、業者が行う清掃はイコールではありません。
業者は素人では扱うのが難しい清掃器具や薬剤などを駆使し、あらゆる汚れを綺麗にしてくれます。
また、トイレを清掃する場合でも、陶器や大理石、鏡と使う薬剤はそれぞれ異なります。
経営者となる方が清掃に関する知識、技術を多く有しているのであれば話は別ですが、市販の洗剤や清掃器具だけを用いて、業者と同じレベルの清掃をするのは非常に難しいため、多少コストがかかったとしても、業者への依頼は無駄にはならないでしょう。
居抜き物件の清掃を行うことのメリット
居抜き物件は、ある程度前入居者によって清掃された状態で引き渡されることも多いですが、改めて清掃することには大きな意味があります。
具体的には、以下のようなメリットが生まれます。
・質の良い従業員が集まる
・来店前の印象が良くなる
質の良い従業員が集まる
居抜き物件を開業前に改めて清掃することで、質の良い従業員が集まりやすくなります。
清潔感のある飲食店には、その店舗で働きたいという応募が多く寄せられます。
また、その中には当然優秀な人材も含まれているため、少しでもそのような人材を雇用するためにも、前述した箇所の清掃は徹底しなければいけません。
来店前の印象が良くなる
居抜き物件で飲食店の開業準備をしているとき、物件の前を通過した方や、以前から知っている方は、前店舗と比較したり、色眼鏡で店舗を見て行ったりすることがあります。
このとき、以前と同じような清潔感がない外装や内装であった場合、「今回のお店もまた期待できない」といったような悪い印象を持たれてしまいます。
そのため、改めて清掃を行い、来店前の印象から良くしておくことが大切です。
まとめ
ここまで、居抜き物件の清掃を業者に依頼する場合の費用を中心に解説してきました。
居抜き開業をするにあたって、なるべく支出を抑えるということは大事ですが、すべての清掃を経営者、従業員だけでまかなうのは容易ではありません。
また、依頼する場合としない場合の費用を比較していない経営者の方は意外と多いため、まずはそれらの費用をシミュレーションするところから始めましょう。