飲食店といえば、キッチンや客席が設けられた店舗で営業されるのが一般的ですが、近年は“ゴーストレストラン”という形態が増加しつつあります。
今回は、こちらの概要とあわせて、居抜き物件でのゴーストレストラン開業という選択肢について解説したいと思います。
興味がある方はぜひご覧ください。
ゴーストレストランの概要
ゴーストレストランとは、宅配のみで料理を提供する、客席の存在しない飲食店のことをいいます。
店内には厨房のみが設置されていて、看板も出していないケースがほとんどです。
元々、デリバリー文化が進んでいるアメリカなどの海外諸国で広まった形態であり、近年は日本でもよく見られるようになりました。
利用する方は、直接店舗に訪れるわけではなく、電話や宅配アプリで料理を注文し、店舗側はその内容に合ったものを自転車やバイクなどで家まで届けます。
居抜き物件でゴーストレストランを開業するメリット
居抜き物件を利用してゴーストレストランを開業するメリットには、主に以下のことが挙げられます。
・イニシャルコストを抑えることができる
・ランニングコストが少ない
・売上が天候に左右されない
・新しいメニューを増やしやすい
イニシャルコストを抑えることができる
居抜き物件でゴーストレストランを開業するメリットは、なんといってもイニシャルコストを抑えることができる点です。
通常の客席が存在する飲食店は、たとえ居抜き物件であったとしても、内装・外装工事費用、設備や備品の設置費用、ホールスタッフの雇用費用などさまざまなイニシャルコストがかかります。
一方、ゴーストレストランは、調理に必要な厨房設備さえ揃っていれば、特に内装や外装工事にコストをかける必要はありませんし、雇用するのもキッチンスタッフのみでOKです。
ランニングコストが少ない
居抜き物件でゴーストレストランを開業すれば、ランニングコストも抑えることができます。
飲食店のランニングコストとしては、主に物件賃料や光熱費、食材費、人件費などが挙げられますが、ゴーストレストランの場合はこれらのうち、賃料と光熱費、人件費を大幅にカットすることが可能です。
来客が直接訪れるわけではないため、比較的賃料の安いエリアで物件を見つければ良いですし、店舗の規模が小さいため、光熱費も安くなる可能性が高いです。
また、先ほど触れたように、ホールスタッフを雇用する必要がないため、必然的に給与を支払う必要もなくなります。
売上が天候に左右されない
通常の飲食店は、天候が悪くなるとどうしても客足が減り、売上にも影響が出てしまいます。
一方、ゴーストレストランは宅配専門の飲食店であるため、天候に関係なく売上を安定させることができます。
むしろ、雨の日などは外に出るのを嫌がる方が増えるため、いつも以上に売上が伸びることが考えられます。
新しいメニューを増やしやすい
一般的な飲食店で新しいメニューを増やす場合、それをアピールするためのポスターを作成したり、メニュー表を作成し直したりと、さまざまな手間がかかります。
しかし、ゴーストレストランの場合、来客の目に留まるようなポスターは作成する必要がありませんし、タブレット端末内にメニューを追加するだけで、簡単に新しいメニューを増やすことができます。
居抜き物件でゴーストレストランを開業する際の注意点
ゴーストレストランは実店舗を持たない形態であるため、たとえ居抜きで安く物件を取得することができたとしても、外観や内装など、料理以外の魅力を近隣住民の方に伝えるのが難しいです。
そもそも、デリバリーをあまり利用しない方には、存在すらなかなか気付いてもらえない可能性があります。
また、プラットフォームに依存するというところも、居抜きでゴーストレストランを開業する際の注意点だと言えます。
ゴーストレストランを運営する場合、注文を受けて料理をつくり、完成したら利用者のもとに届けるという一連の流れが発生します。
しかし、このとき宅配アプリや店舗で利用する端末に不具合が生じると、利用者の注文を受けることができなくなる可能性があります。
もちろん、電話でも注文の対応をすることはできますが、それだけでは効率が悪くなってしまいます。
ゴーストレストランの開業に向いている居抜き物件の特徴
前述の通り、ゴーストレストランを開業する際はそれほど立地を気にする必要がありません。
居抜き物件を選ぶ際には、それよりも電波の良し悪しと駐輪スペースの有無をチェックしましょう。
ゴーストレストランは、タブレットなどで注文を受けることも多く、電波が悪いと業務に遅れが生じやすくなります。
また、宅配用の自転車やバイクが店の前に停められるかどうかも、非常に重要なポイントです。
まとめ
ここまで、居抜き物件でゴーストレストランを開業するという選択肢について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ゴーストレストランは、今後も着々と需要を増加させる可能性が高く、来客を迎え入れるという形に強いこだわりがない方は、開業を検討してみましょう。
もちろん、開業する場合はメリット・デメリットを事前に把握してください。