新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅時間を充実させるためのテイクアウト専門店は大幅に増加しました。
しかし、中には思うように売上が伸びないといった理由で、撤退を考えている経営者の方もいるかと思います。
今回はそのような方々に向けて、テイクアウト専門店の居抜き売却におけるポイントを解説します。
テイクアウト専門店の居抜き売却におけるポイント5選
居抜きの状態でテイクアウト専門店の売却に成功すれば、スケルトン状態にする場合と比べて、廃業に伴うコストを削減することができます。
また、造作譲渡料を得ることができるため、新たな立地で店舗を開業したり、別の事業を始めたりするための足掛かりにすることも可能です。
また、居抜き売却を成功させるためのポイントとしては、主に以下のことが挙げられます。
・立地の良さをアピールする
・専門性の高い設備をアピールする
・駐車場、駐輪場があることをアピールする
・同じ業態の希望者をターゲットにする
・固定客を引き継ぐ
立地の良さをアピールする
一般的に、テイクアウト専門店は地域性が強いです。
また、一口にテイクアウトといっても、メニューには以下のようにさまざまな種類があります。
・弁当
・唐揚げ
・ハンバーガー
・カレーライス
・中華
・パン、洋菓子
・お好み焼き、たこ焼き など
こちらの多くは単価が低く、数を売らなければ十分な売上を得ることができないケースが多いです。
そのため、好立地かつ視認性に優れている駅前商店街、あるいは繁華街や地域住民の生活動線上にある物件は、評価が上がりやすく、居抜き売却をする際はしっかりこちらの点をアピールしなければいけません。
特に、周辺にこれといった競合店がないテイクアウト専門店であれば、より買い手は見つかりやすいでしょう。
専門性の高い設備をアピールする
テイクアウト専門店の多くは、メニューを絞って営業しています。
そのため、専門性の高い設備が揃っている物件は、居抜き売却に成功しやすい傾向にあります。
例えば、ベーカリーや洋菓子店のテイクアウト専門店を居抜き売却する場合、以下の設備があれば積極的にアピールしていきましょう。
・ホイロ
・リバースシーター
・デッキオーブン など
また、たとえ使用年数が長かったとしても、普段から清掃やメンテナンスをしっかり行っていれば、造作譲渡料の金額は高くなることが期待できます。
駐車場、駐輪場があることをアピールする
テイクアウト専門店を居抜き売却する場合において、意外なアピールポイントとなるのが駐車場、駐輪場です。
駐車場や駐輪場が設置されていない場合、ターゲットの範囲はある程度限定されてしまいますし、来客による路上への駐車や駐輪により、近隣に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
そのため、たとえ規模が小さかったとしても、駐車場や駐輪場の存在はアピールしましょう。
また、もし店舗に付帯する駐車場や駐輪場がないのであれば、近隣のコインパーキングがあることをアピールするのも大切です。
規模や駐車・駐輪料金、物件からコインパーキングまでの距離によっては、こちらが高評価につながることも考えられます。
ちなみに、テイクアウト専門店の中には、デリバリーサービスを実施しているところもあります。
このような場合は、バイク置き場やバイクそのものの存在も大きなアピールポイントとなります。
同じ業態の希望者をターゲットにする
テイクアウト専門店には、一般的な飲食店とは異なる特徴がいくつかあります。
まず1つ確実に言えることは、規模が小さいという点です。
来客が店内に入ることがない上に、本格的な調理をする機会も少ないテイクアウト専門店は、どうしても狭くなる上に、最小限の設備しか設置されていません。
よって、重飲食等の業態には向いておらず、このような業態の希望者をターゲットにしても、なかなか買い手は見つからないでしょう。
逆に、同じテイクアウト専門店の開業を目指す方をターゲットにすれば、候補者はある程度集まることが予想されます。
具体的には、2～3坪程度しかない極小物件でも、十分ニーズがあります。
固定客を引き継ぐ
先ほど、テイクアウト専門店の中には、デリバリーサービスを実施している店舗もあるという話をしました。
このようなテイクアウト専門店は、周辺の企業や学校などを固定客に持ち、お弁当などを宅配していることもあります。
もし、居抜き売却をする店舗が固定客を抱えているのであれば、物件の買い手に引き継いでもらいましょう。
こうすることで、買い手の方はある程度売り上げを確保した状態で開業できるため、大きなアピールポイントとなります。
まとめ
ここまで、テイクアウト専門店の居抜き売却を成功させるために、押さえておきたいポイントについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
移転や経営不振、人材不足や体力の限界など、物件を売却する理由は人それぞれですが、どのようなケースでも重要なのは、売却も経営戦略の1つと捉えることです。
スムーズに撤退できるよう、積極的にテイクアウト専門店の良さをアピールしていきましょう。
