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居抜きで飲食店を売却する際の注意点や明渡し状態について

『居抜きで飲食店を売却する際の注意点や明渡し状態について』

経営不振や人材不足、体力の限界などにより、飲食店を閉店しようと考えている方は、スケルトン状態にするケースだけでなく、居抜きでの売却も選択肢に入れているかと思います。
ここからは、居抜きで飲食店を売却する際の注意点、そして物件を明け渡す際の状態について詳しく解説したいと思います。

目次

居抜きで飲食店を売却する際の注意点

飲食店の居抜き売却では、特に以下の2点に注意しなければいけません。

・買い手探しについて
・明渡しのタイミングについて

買い手探しについて

飲食店を閉店し、居抜きの状態で売却するのであれば、当然ながら買い手を見つけなければいけません。
また、店舗物件のオーナーの中には、居抜き売却をあまり良く思わない方もいるため、許可を取るのは買い手の目星がついてからにした方が良いでしょう。
なぜなら、次の入居者がほぼ決まりかけている状態であれば、オーナーは居抜き売却が行われたとしても、賃料を途切れさせることなく、賃貸経営を継続させることができるからです。
ちなみに、買い手探しの方法としては、主に以下が挙げられます。

・同業者に相談する
・取引先に相談する
・不動産会社に相談する

古くから交流のある同業者(飲食店経営者)に相談すれば、なるべくコストを抑えて開業したい方、多店舗展開を考えている方など、居抜きでの開業に適した買い手候補を紹介してもらえる可能性があります。
また、酒屋や食材卸業者など、取引先に買い手候補がいないかどうか、機会があれば質問してみるのも良いでしょう。
その他、居抜きに強い不動産会社に相談し、どうすれば買い手が見つかりやすくなるのか、トラブルを防止するにはどうすれば良いのかなどについて、アドバイスをもらうのも効果的です。

明渡しのタイミングについて

先ほど、店舗物件のオーナーに居抜き売却の許可を取るのは、買い手の目星がついてからにすべきだという風に解説しました。
その他、居抜き売却では、明渡しのタイミングについても考慮しなければいけません。
物件明渡しのタイミングに関しては、売り手である自身の希望を最優先すべきです。
しかし、例えば買い手が別の仕事をしている場合、退職に伴う引き継ぎなどによって、タイミングがうまく合わないことがあります。
このような場合は、できる限り売り手側で調整しましょう。
また、明渡しに関することでいうと、意思決定を行うタイミングも重要になってきます。
せっかく買い手候補が見つかり、細かい契約条件やスケジュールの調整を進める段階に至ったにもかかわらず、意思決定が遅く、やり取りが滞ってしまうと、契約前にキャンセルされてしまう可能性があります。
もちろん、すぐに回答できない状況もあるかもしれませんが、できる限り早いタイミングで意思決定を行い、買い手に伝えることで、ある程度トラブルは防止できます。

居抜き売却における明渡し状態について

飲食店を居抜き売却する場合、店舗物件だけでなく、さまざまな造作が新しい入居者に引き継がれることになります。
では、実際明渡しを行う際、各造作や備品などはどのような状態で引き継いでもらうべきなのでしょうか?
カテゴリごとに詳しく見てみましょう。

厨房機器

厨房機器は、少しでも多くの造作譲渡料を得ることができるよう、居抜き売却の前から状態を良くしておくことをおすすめします。
もちろん、明渡し前には動作確認を済ませ、売却できないということがないようにしておきます。
また、中でも特に注意したいのが、冷蔵庫の状態です。
居抜き売却の前に冷蔵庫の電源を切ってしまうと、夏場の場合はカビが発生する原因になりますし、冷媒管の中に塵やゴミが堆積し、故障につながることもあります。

食器類

買い手が皿やコップ、カトラリーといった食器類も受け取ってくれる場合は、基本的に値段がつかないものの、綺麗な状態にしておかなければいけません。
一方、必要ないと断られた場合は、基本的にすべて売り手が処分します。
ちなみに、「テーブルやイスが古いから捨ててほしい」という要望に関しては、売り手が応える必要はありません。
テーブルやイスは、あくまで店舗に付帯する資産であり、食器類とは認識が異なります。

食材、調味料、酒類

食材や調味料、酒類に関しても、買い手が必要のないものはすべて売り手が廃棄します。
そもそも、これらを居抜きで引き継ぎたいという買い手はほとんどいません。
唯一、この中で受け取りたいと言われる可能性があるのは酒類ですが、こちらは取引先の酒屋に買い取ってもらえる可能性があります。
そのため、無償で買い手に譲るくらいなら、少しでも現金に換えた方が良いでしょう。

まとめ

ここまで、飲食店の居抜き売却における注意点、明渡し状態に関するポイントを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
居抜き売却は、正しく段階を踏まなかったり、許可申請または明渡しのタイミングを間違えたりすることで、大きく予定が狂うものです。
よって、まずはいろいろな知識をつけた上で、無駄なく行動することを心掛けましょう。

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