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居抜きでの飲食店開業時に必要な事業計画書の書き方

居抜きでの飲食店開業に伴い、金融機関から資金を融資してもらう場合は、“事業計画書”を作成する必要があります。
また、金融機関は、事業計画書をチェックして、最終的に融資額を決定するため、事業計画書の内容を良いものにすることは重要です。
今回は、居抜き開業時に提出する事業計画書の書き方について解説します。

目次

【項目別】居抜き開業時に必要な事業計画書の正しい書き方

居抜き開業時、金融機関に提出しなければいけない事業計画書を書くときには、主に以下のポイントを押さえましょう。

・経歴
・コンセプト
・メニュー
・店舗のイメージ
・収支計画
・セールスポイント
・取引関係

経歴

事業計画書には、これから飲食店を開業する自身の経歴を記載します。
しかし、例えばこれまで10年以上飲食店を経営してきた方と、これから初めて飲食店を居抜き開業する方では、前者の方が圧倒的に評価は高くなりそうに感じます。
ただし、実際はそのようなことはなく、たとえこれから初めて飲食店を開業する場合でも、書き方を工夫すれば、金融機関に良い印象を持ってもらうことができます。
例えば、「チェーン店のキッチンで2年アルバイトをし、その後イタリアンレストランで1年間店長を務めた」という経歴がある方は、以下のように書き方を変えることで、より良い印象を与えられる可能性があります。

「チェーン店の厨房で、2年間イタリアンの調理修行をし、その後高級イタリアンレストランマネージャーを1年間務めた」

つまり、虚偽ではない範囲で書き方を工夫することで、経歴の聞こえはより良くなるということです。

コンセプト

事業計画書には、これから居抜き開業する飲食店のコンセプトも記載します。
コンセプトは、なぜその業態を選び、開業することになったのかを伝える重要な部分であり、金融機関に良い印象を持ってもらうためには、ストーリー性を重視した書き方を意識する必要があります。
例えば、「福岡の素晴らしい食材に出会い、この食材をもっとも美味しい状態で提供できる料理を考えたときに、辿り着いたのが創作イタリアンでした。」
このような書き方をすれば、居抜き開業に至るまでのストーリーが見えます。
逆に、「5年間飲食業界に身を置いていましたが、今回フレンチレストランで独立することを決心しました。」
こちらの文章の場合、なぜフレンチレストランでの独立を決めたのかという記述がないため、あまり良い印象を与えられません。

メニュー

事業計画書には、これから居抜き開業する飲食店で、どのようなメニューを提供するのかについても記載します。
この部分に、「海鮮料理を中心に1品500円~1,000円」など、簡潔な内容だけを記載して提出する方がいますが、こちらは非常にもったいないです。
金融機関に良い印象を持ってもらうには、価格だけでなく、その飲食店の看板メニューの写真を付属資料として用意し、それと併せてこだわっている素材の説明、さらには調理方法なども記載すべきです。

店舗のイメージ

居抜き開業する店舗のイメージは、事業計画書の付属資料として用意します。
具体的には、ネット上にある複数の飲食店の写真から、自身がイメージしているものに近い写真をピックアップし、外装や庇、内装など、さまざまなテーマに分けて並べるとわかりやすいでしょう。

収支計画

事業計画書では、飲食店を開業したいという強い想い、またはこれから居抜き開業する飲食店の魅力を伝えるだけでなく、しっかり計算して立てられた収支計画も記載する必要があります。
具体的には、提供するメニューの価格や店舗の規模、客入りなどを予測し、売上の概算を算出したり、売上予測や支出、予算などを複合的に計算して、短・中期的な事業の見通しを記載したりします。

セールスポイント

居抜き開業する飲食店のセールスポイントは、なるべく多く事業計画書に記載すべきです。
また、飲食店のセールスポイントと聞くと、やはりイメージされるのは料理の美味しさやこだわり、価格といった点ですが、もちろんそれだけとは限りません。
立地や雰囲気、従業員の人柄などもセールスポイントとし、繁盛して利益が出ると言い切れる根拠をアピールすることも大切です。

取引関係

飲食店は、どれだけ食べ物や飲み物の質が高くても、仕入れ値より高い価格で提供しなければ、利益を出すことはできません。
そのため、事業計画書には、仕入れ先や販売先の情報についても詳しく記載しましょう。
特に、どの仕入先から、どれくらいの価格で仕入れができるのかを明確にすることは、計画の透明性や安全への信頼を高めることができるため、金融機関への良いアピールとなります。

まとめ

ここまで、飲食店の居抜き開業に伴う融資に必要な事業計画書の正しい書き方について解説しました。
金融機関は、債務者が返済不可能になるリスクを極力避けたいと考えるため、信頼できない融資希望者には、多くの金額を融資してくれません。
そのため、まずは自身の中で、これまでの経歴やコンセプト、伝えたい魅力などを洗い出し、根拠のある収支計画を立てるところから始めましょう。

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