全国に20,000店舗以上存在すると言われている焼き鳥店は、多種多様なスタイルで営業され、コロナの影響を受けながらも、ある程度の活気を維持している業態です。
ここからは、焼き鳥店の開業を目指す方に向けて、オープンまでの一般的なスケジュール、必要な設備の詳細について解説したいと思います。
焼き鳥店開業の一般的なスケジュール
焼き鳥店をオープンするまでの一般的なスケジュールは以下の通りです。
・物件探し、契約
・資金調達
・メニュー作成
・内装工事
・求人募集
・広告宣伝
・各種申請
・スタッフトレーニング
・開業
物件探し、契約
焼き鳥店の物件にかかる賃料などのランニングコストは、月の売上の10%程度が目安とされています。
そのため、まずは売上予測を立て、ランニングコストが上記に収まるような物件を探すべきです。
ちなみに、売上予測に関しては、以下の計算式で算出できます。
・日別予測客数(席数×回転数)×客単価×営業日数
また、立地としては、なるべく競合店やコンセプトが被っている店舗がない場所を選ぶべきです。
資金調達
焼き鳥店開業のための資金調達は、主に銀行、信用金庫、日本政策公庫のいずれかを利用して行いますが、初めて飲食店を開業する場合は、融資のハードルが比較的低い日本政策金融公庫がおすすめです。
銀行や信用金庫とは違い、それほど事業の実績は重視されません。
メニュー作成
焼き鳥店のメニューといえば、なんといっても焼き鳥が挙げられますが、居酒屋という認識で来店する方も多いため、サイドメニューはできるだけ増やすべきです。
サイドメニューを増やして差別化を図ることで、自店の強みになります。
内装工事
居抜き物件の場合、内装工事にかかる時間やコストは短くなります。
また、後述する設備が揃っている場合もコストは省けるため、開業までの期間や金銭的な負担を少しでも減らしたいという方は、細かくチェックしましょう。
求人募集
開業まで2ヶ月を切ったあたりから、スタッフの求人募集を開始しましょう。
店舗の規模や捻出できる人件費に合わせて、適切な人数を募集し、オープンに備えます。
広告宣伝
オープン用の広告チラシ作成、SNSを活用した告知などを行い、開業と同時に集客できるように準備します。
また、事前に店舗の商圏を調査し、その範囲内にある住宅を対象に、広告チラシのポスティングを行うのも有効です。
各種申請
焼き鳥店を開業するためには、まず保健所に対して、食品営業許可書の申請を行わなければいけません。
また、スタッフを含め30人以上が収容できる店舗の場合は、防火管理者選任届を消防署に提出することが義務付けられています。
その他、酒類販売などの申請も忘れないようにしましょう。
スタッフトレーニング
開業する焼き鳥店のコンセプトに合わせ、スタッフのトレーニングを行います。
焼き鳥店は、それほどメニューが複雑な業態ではないため、質の良い接客のトレーニングに時間をかけやすいです。
開業
すべての準備が整ったら、いよいよ予定通り、焼き鳥店を開業します。
開業当日は、割引キャンペーンなど、リピーターが獲得できるようなインパクトのあるキャンペーンを実施する店舗も多いようです。
焼き鳥店開業に必要な設備
焼き鳥店を開業するにあたっては、調理台やシンク、冷蔵冷凍庫やコンロなど、一般的な居酒屋等でも使用されるさまざまな設備が必要です。
また、中でも欠かせない設備といえば、やはり焼き鳥器です。
業務用焼き鳥器には、主に以下の4種類があり、それぞれ特徴や価格相場は異なるため、購入するつもりの方も、最初から設置されている居抜き物件を選ぶつもりの方も、この機会に把握しておきましょう。
・ガス式焼き台
・ガスグリル式焼き台
・電気式焼き台
・炭火焼き台
ガス式焼き台
名前の通り、ガスを使用した焼き鳥器で、価格は1台30,000円前後と非常にお得です。
強火で焼き上げることで、肉の旨みをしっかりと閉じ込めることができるのがメリットです。
ガスグリル式焼き台
ガス赤外線式焼き台とも呼ばれるタイプで、こちらも1台60,000円前後とそれほど高くありません。
外はこんがり、中はフワっと焼き上げることができるのが特徴です。
電気式焼き台
電気式焼き台は、火力調節がしやすく、なおかつ煙が出にくいため、狭小店舗でも安心して使用できます。
ただし、高いものであれば、1台50万円近くするものもあります。
そのため、こちらが最初から設置されている居抜き物件は、非常にお得だと言えます。
炭火焼き台
炭が燃料の焼き鳥器で、本格的な焼き鳥を提供したいという店舗にはおすすめです。
また、それほど価格も高くありませんが、煙が広がりやすく、火をつける際の手間もかかるため、好みは分かれます。
まとめ
ここまで、焼き鳥店をオープンさせるまでの一般的なスケジュール、開業に必要な設備について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
焼き鳥店は、開業自体のハードルがそれほど高くないものの、ライバルが多く、決して簡単に成功できる業態とは言えません。
よって、開業コストを減らしたり、メニューを差別化したりして、少しでも長く生き残ることができるよう、工夫が必要です。