居抜きで店舗をオープンさせる前に、ぜひ実施していただきたいのが“プレオープン”です。
実際にオープンさせる前段階で実施されるプレオープンには、居抜きで店舗をオープンさせる方にとってさまざまなメリットがあります。
今回はこちらの概要、メリットや実施の流れをあわせて解説します。
プレオープンの概要
居抜き店舗で実践すべきプレオープンとは、簡単に言うと“仮オープン”のことです。
実際に店舗をオープンさせる前に、1日または数日間だけ店舗をオープンさせることをいいます。
その際には来客を招待しますが、基本的にサービスは無料で提供します。
また、あらゆる業種で実践されているプレオープンには、以下の2つの役割があります。
・課題の洗い出し
・宣伝
実際に来客を招き入れ、接客や商品の提供が計画通り行えるのかを確認し、課題が見つかれば、オープンまでに調整します。
また、プレオープンを実施することで、オープンの前に店舗を宣伝することができます。
周辺住民などを事前に招待することによって、新しい店舗がオープンすること、そしてその店舗がどのような接客、商品の提供を行うのかということを認知してもらいます。
居抜き店舗は、以前その場所にあった店舗と接客や商品の質を比較されやすいため、プレオープンによって高品質の接客と商品を提供することが、開業直後の集客に大きな影響を与えます。
もちろん、プレオープンで周辺住民やその他の招待客の心を掴むことができれば、正式なオープン後も固定客が来店しやすくなります。
プレオープンのメリット
居抜き店舗で実践すべきプレオープンには、前述した“課題を洗い出せる”、“宣伝になる”ということ以外にも、以下のようなメリットがあります。
・その場で意見を聞くことができる
・失敗が許される
・開業関係者にお礼ができる
その場で意見を聞くことができる
プレオープンを実施する大きな目的の1つは、課題を洗い出すことだと解説しました。
プレオープンの場では、その場で接客や商品に関する意見を求めることができるため、正式なオープン後ではなかなか見えないことにも気づくことができます。
失敗が許される
正式なオープン後は、一度でも接客や商品の提供に関する失敗があると、その際に訪れた来客をリピーターにすることが難しくなります。
一方、プレオープンの場では、その場で意見をしてもらい、正式なオープン後に来客してもらう際に改善されていれば、そこからその来客をリピーターにできる可能性があります。
開業関係者にお礼ができる
居抜き開業を行う際は、施工業者や厨房業者、食材業者などさまざまな方と関係を持つことになります。
プレオープンを実施すれば、これらの開業関係者にお礼として食事や商品などのサービスを提供することができます。
また、ここで友好な関係を築き上げておくことで、店舗規模を拡大する際などにも協力してくれる可能性があります。
プレオープンの実施の流れ
居抜き物件で実施すべきプレオープンは、主に以下のような流れで行います。
・日程調整
・招待客の決定
・提供メニューの決定
・周知
・シミュレーション
・開催
・改善
日程調整
まずは、プレオープンを実施する日程を調整します。
基本的には、本オープンの数日～1週間前に行います。
招待客の決定
プレオープンの目的をハッキリさせた上で、家族や友人・知人、メディア関係者、一般客など、どこまでの範囲を招待するのかを明確にします。
提供メニューの決定
プレオープン当日、どのようなメニューを提供するのかを決定します。
特に、居酒屋のように多種多様なメニューがある店舗の場合、一通り提供するのか、それとも看板メニューとなる商品のみを提供するのか、価格設定とのバランスも考慮して決定しなければいけません。
周知
招待状やSNSなどを活用し、プレオープンを開催する旨を周知します。
シミュレーション
実際プレオープンを開催する日の前日などに、店舗でシミュレーションを行っておき、当日スムーズな対応ができるよう準備します。
開催
プレオープン当日、課題の発見を最大の目的とするのであれば、できる限り通常営業を心掛けましょう。
また、その場合は必ずアンケートを用意し、訪れた方からのフィードバックを受けられるようにします。
アンケートは紙媒体でも良いですし、Webであれば“Googleフォーム”などが利用しやすく便利です。
ただし、Webフォームは訪れた方にQRコードを読み取ってもらうなど、多少手間をかけさせてしまうため、注意してください。
改善
フィードバックの内容、従業員が感じた不備などを徹底的に洗い出し、本オープンまでに改善します。
まとめ
居抜き店舗開業時に実施すべきプレオープンには、さまざまなメリットがあります。
しかし、プレオープンだからと言って、接客や商品の提供において手を抜いて良いというわけではありません。
正式なオープンのつもりで実施することによって、初めてメリットが生まれます。
居抜き店舗のオーナーは、このことを理解し、流れを前もって把握した上で、プレオープンの実施に踏み切るべきです。
