居抜きで飲食店を開業させる際には、店舗の業績を上げるため、または従業員を正しく教育するための規則を定める必要があります。
また、このとき決定すべき規則には複数の種類があり、それぞれの詳細について、事前に把握しておかなければいけません。
ここからは、規則の主な種類と詳細について解説します。
居抜きで飲食店を開業する際に定めるべき規則の種類
居抜きでの飲食店開業を目指す場合、スピーディーに開業することや、コストを抑えることばかりに気がいきがちですが、実際オープンさせる前には、以下の規則を定めておかなければいけません。
・基本規則
・作業に関する規則
・オペレーションに関する規則
・衛生面に関する規則
基本規則
基本規則には、居抜き開業する飲食店における勤務時の服装に関する規則、従業員間における規則などが含まれます。
また、基本規則では、飲食店のコンセプトや経営戦略など、店舗経営における根幹となる規則も取り決める必要があります。
飲食店をオープンさせた後、従業員間の関係性が悪化したり、コミュニケーションを取る機会が少なくなったりしていると感じた場合、従業員全員が基本規則を守れていない可能性があります。
そういった場合は再度基本規則に目を通し、従業員全員の団結力を高めることが重要です。
作業に関する規則
基本規則とは別に、居抜き開業する飲食店で行う作業における規則も定める必要があります。
具体的には、飲食店における接客、調理などの細かい規則をコンセプトに合わせて定めることが大切です。
例えば“来客にゆったりとした時間を過ごしてもらう”というのがコンセプトの店舗であれば、あまり来客に従業員の慌ただしい姿を見せるべきではありません。
もちろん、食品の管理方法、調理に利用する器具の洗い方、片付け方なども定めて従業員に実践させることにより、作業方法の違いによる従業員間のトラブルも減らすことができるでしょう。
オペレーションに関する規則
オペレーションに関する規則では、「このような状況の際は、このように対応する」という具体的な内容を定めましょう。
例えば、経営者の方(店長)が不在の際の問い合わせへの対応、または返金を求める来客への対応などです。
オペレーションに関する規則が作られていないと、来客などに「頼りない従業員がいる店」と認識されてしまいます。
また、オペレーションに関する規則が存在しない場合、従業員が独断で対処をしたことで、後々大きなクレームに発展してしまうかもしれません。
そのため、すべての従業員が問題なく、同じように対応でき、なおかつ来客に悪いイメージを与えないオペレーションづくりが望ましいです。
衛生面に関する規則
先ほど、居抜き開業する飲食店の基本規則には、従業員の服装に関する規則を含むという話をしました。
ただし、実際には衛生面に関する規則を別に作成し、より細かく身だしなみを整えたり、清潔感を出したりするための工夫が必要です。
また、従業員の衛生面に関する規則は、“アピアランスルール”と“手の洗い方のルール”に大きく分けられます。
アピアランスルールは、言わば身だしなみの規則であり、制服の着用方法だけでなく、頭髪や化粧、香水、爪、ピアス、ヒゲといった項目を規則化するものです。
そして、手の洗い方のルールは、手を洗うタイミングや時間、順番や箇所などを明確にするものです。
居抜きでの飲食店開業時に規則を定める際のポイント
居抜きでの飲食店開業時、さまざまな規則を定める際には、誰が見てもわかる内容にすることがポイントです。
例えば、簡単な言葉を使用するのはもちろん、難しい漢字にはフリガナを付けたり、可能な範囲で写真を付けて、読まなくても理解できる文書にしたりすることが重要です。
また、今回紹介した飲食店の規則について、すべて完璧に作成することは容易ではありません。
まずは作ることが大事であるため、最初は基本規則など、必要最低限の項目だけ設定しましょう。
一度作成してみて、もしそれらの規則だけでは、従業員が気持ち良く働けないという状況になったのであれば、追加更新していけば問題ありません。
ちなみに、居抜きでの飲食店開業時に定めた規則は、実際飲食店がオープンする数日前までには、オープニングスタッフに伝えておきましょう。
こうすることで、従業員は自身でトラブルを防止し、守ることができますし、来客に対しても最低限の接し方が実現できます。
もちろん、飲食店の規則は、初めに一度伝えて終わりではありません。
朝礼などを通して、毎日のように従業員に内容を伝え、浸透させることも意識すべきです。
まとめ
居抜きで飲食店を開業する際は、今回紹介した規則を定めることで、大きな問題が起こることなく、経営をスタートさせられる可能性が高いです。
ただし、適宜内容を修正したり、従業員が規則を守れているかどうかをチェックしたりということは、定期的に行わなければいけません。
規則の乱れは、そのまま飲食店の業績の乱れへと直結することを覚えておきましょう。