焼肉屋は、他の飲食店に比べて多くの設備が必要であり、開店時の工事費用もかかりやすくなります。
そのため、コストを抑える目的で、居抜きでの開業を目指す方も多いでしょう。
今回は、設備面も含めて、焼肉屋の居抜き物件を選ぶ際、重視したいポイントについて解説したいと思います。
焼肉屋の居抜き物件を選ぶ際のポイント
焼肉屋の居抜き物件を選ぶ際は、以下の条件をクリアしている物件がおすすめです。
・必要な設備が整っている
・コンセプトに合った立地にある
必要な設備が揃っている
焼肉屋の居抜き物件を内見する際は、まず最低限の設備が揃っているかどうかをチェックしなければいけません。
具体的には、以下のような設備です。
・ロースター
・吸煙設備
・ダクト
ロースターは、テーブルに設置されたお肉を焼くための設備であり、可能であれば、ほとんど煙が出ない“無煙ロースター”付きの物件が望ましいです。
煙が少なければ、ニオイが気になる方にも気軽に来店してもらえるからです。
また、無煙ロースターの多くはテーブルの下にダクトを通しているため、設置されていれば、当然天井の排煙口などは必要なくなります。
一方、煙が出るタイプのロースターの場合、排煙口などの吸煙設備の工事費用が別途発生する可能性があるため、注意しましょう。
無煙ロースターの種類
先ほど、焼肉屋の居抜き物件に設置されたロースターは、無煙ロースターの方がおすすめだという話をしました。
無煙ロースターは、主に以下の3種類に分かれるため、それぞれのメリット・デメリットについても、居抜き物件探しの前に把握しておきましょう。
煙を吸い込むタイプ
煙を吸い込むタイプの無煙ロースターは、もっとも一般的なタイプです。
名前の通り、煙を吸い込み、ダクトを通して外に排出するタイプで、ポピュラーであるため、居抜き物件の焼肉屋にも設置されていることが多いのがメリットです。
しかし、煙を吸い込むタイプのため、排気ダクトの定期的なメンテナンス、清掃は欠かせません。
また、居抜き物件の場合、前店舗の手入れが適切でなかったことが原因で、入居時すでにダクトの汚れがひどく、機能が落ちている可能性もあるため、注意しましょう。
煙を出さずに焼くタイプ
煙を出さずに焼くタイプの無煙ロースターは、数こそあまり出回っていないものの、今後主流になるとされているタイプです。
具体的には、“水冷式”や“ノンダクト”などが該当します。
水冷式無煙ロースターは、網がパイプ状になっていて、内部に熱湯を流すことで、網が高温になるのを防ぎ、煙を発生させない仕組みを実現しています。
また、ノンダクトは、ロースターテーブルに排煙機能が組み込まれているタイプで、煙が出ないため、ダクトを設置する必要がありません。
ただし、水冷式無煙ロースターは、定期的に水を補充する手間がありますし、ノンダクトの無煙ロースターは、前述した煙を吸い込むタイプに比べて高級な設備であるため、支払う造作譲渡料も高くなるおそれがあります。
その他のチェックすべき設備
ロースターやダクト以外にも、以下のような設備が整っている居抜き物件を選ぶことで、開業コストは大幅にカットできます。
・業務用冷蔵庫
・調理、盛り付け用作業台
・シンク
・食洗機
・業務用3口コンロ
・業務用炊飯ジャー など
コンセプトに合った立地にある
焼肉屋の居抜き物件を選ぶ際は、立地も重視しなければいけません。
また、選ぶべき立地は、どのようなコンセプトで開業したいかによって変わってきます。
ここからは、コンセプトごとに適した立地の特徴について見ていきましょう。
高級焼肉屋
高級焼肉屋とは、質の良い和牛を使用したり、客単価が10,000円を超えたりするような焼肉屋を指します。
このようなコンセプトで開業する場合は、洗練された繁華街、高級住宅街などに立地する居抜き物件がおすすめです。
また、内見時には、外装や内装の高級感もチェックしておきましょう。
ファミリー向け焼肉屋
客単価3,000~5,000円ほどのファミリー向け焼肉屋を開業するのであれば、狙い目の立地はなんといっても郊外のロードサイドです。
理由としては、駐車場付きのロードサイド店舗の方が、ファミリー世帯が来店しやすくなるからです。
大衆焼肉屋
大衆焼肉屋の主なターゲットは、サラリーマンや学生です。
よって、ビジネス街や学生街にある居抜き物件で開業すれば、ある程度の来客は見込めるでしょう。
ちなみに、大衆焼肉屋の客単価は2,500円前後が一般的ですが、ビジネス街や駅前などの店舗では、アルコールを注文される機会も多いため、ファミリー向けの焼肉屋よりも客単価が高くなる可能性もあります。
まとめ
ここまで、焼肉屋の居抜き物件を選ぶ際、チェックしたいポイントを細かく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
豊富な設備が揃った居抜き物件を選ぶことで、焼肉屋の開業は有利になります。
ただし、焼肉屋はライバルが多い業態のため、立地選びや価格設定なども工夫しなければ、競合店に勝つのは難しいということを覚えておきましょう。