居抜きで飲食店を開業しようとする方は、駅前や繁華街など、多くの人が集まるエリアに注目しがちですが、立地の選択肢は他にもあります。
今回は、その選択肢の1つである“ロードサイド”の居抜き物件におけるメリットやデメリット、選ぶ際のポイントなどについて解説したいと思います。
ロードサイドの概要
幹線道路沿い、郊外における生活道路沿いなど、車の通行量が比較的多いエリアをロードサイドといいます。
また、ロードサイドの店舗物件の中には、居抜き物件も一定数存在し、主に以下のような業態の飲食店が経営されていたというケースが多いです。
・ファミリーレストラン
・焼肉店
・ラーメン店
・ファストフード店 など
ロードサイドの居抜き物件には、他の立地にある居抜き物件とは大きく異なる点があります。
それは、車での来客が中心になるという点です。
また、来店を期待できるエリアとしての商圏は、店舗を中心に車で10~15分程度と、比較的広めです。
ロードサイドの居抜き物件におけるメリット
ロードサイドの居抜き物件には、主に以下のメリットがあります。
・比較的賃料が安い
・ターゲットを狙いやすい
比較的賃料が安い
居抜き物件の強みと言えば、なんといっても開業時のコスト、つまりイニシャルコストを削減できるという点です。
また、ロードサイドの居抜き物件は、イニシャルコストだけでなく、経営にかかるランニングコストも削減することができます。
なぜなら、ロードサイド物件のほとんどは、都心部ではなく郊外にあり、賃料が低めに設定されているからです。
それでいて、都心部の物件よりスペースが広いため、座席数を増やすなども工夫もしやすくなります。
ターゲットを狙いやすい
先ほども触れたように、ロードサイド店舗に訪れる来客のほとんどは、車を利用します。
そのため、必然的にファミリー層が来店しやすくなり、こちらのターゲットを狙いやすいというメリットがあります。
ロードサイドの居抜き物件におけるデメリット
一方で、ロードサイドの居抜き物件には以下のようなデメリットもあります。
・ターゲットが限られる
・メンテナンスが必要な箇所が多い
ターゲットが限られる
ロードサイドの居抜き物件には、ターゲットを狙いやすいという大きなメリットがありますが、こちらは裏を返せばデメリットでもあります。
なぜなら、車での来客がうまく集まらなかった場合、他の層でカバーするのが難しいからです。
メンテナンスが必要な箇所が多い
路面店や商業施設内の店舗などとは比べ、ロードサイドの居抜き物件は、メンテナンスが必要な箇所が多いです。
例えば、駐車場や野立て看板の清掃や整備などは、他の居抜き物件にはない手間であり、物件の規模が大きければ大きいほど、こちらのメンテナンスにおける負担は増加します。
ロードサイドの居抜き物件を選ぶ際のポイント
ロードサイドの居抜き物件を選ぶ場合、以下の点は必ずチェックしてください。
・入店を検討しやすいかどうか
・建物の位置はどうか
・街路樹が近くにないかどうか
・中央分離帯の位置はどうか
入店を検討しやすいかどうか
交差点付近の物件であれば、一見目立ちそうな角よりも、角から2~3件先のロードサイド物件の方が車の出入りがしやすく、入店を検討してもらいやすいため、おすすめです。
また、交通量が多い方面があるのであれば、そちらから来る車のことを考え、交差点を超えた地点にある物件を選びましょう。
こうすることで、赤信号の待ち時間に、じっくり入店を検討してもらうことができます。
建物の位置はどうか
ロードサイドの居抜き物件が建っている位置は、道路から見て手前側の方が良いです。
逆に、道路から見て奥まった位置に建物がある場合、視認性が悪いため、看板を強化しなければ、期待通りの集客ができない可能性があります。
街路樹が近くにないかどうか
ロードサイドの居抜き物件を選ぶ際に忘れがちなチェックポイントとしては、周辺の街路樹も挙げられます。
例えば、物件をチェックしたのが冬の時期である場合、木は枯れているため、視認性が高いと思いがちですが、季節が変わって葉が生い茂ると、道路から一切看板が見えなくなることも考えられます。
そのため、できれば近くに街路樹がない物件を選びましょう。
中央分離帯の位置はどうか
中央分離帯がある道路に面した居抜き物件は、前面道路を通行する車しか入店できません。
より多くの集客を目指したいのであれば、店舗物件を超えた時点で中央分離帯が一度途切れていて、Uターンしやすくなっているような物件を選びましょう。
このような居抜き物件であれば、逆車線を走る車もターゲットにも来店してもらえる可能性があります。
まとめ
ここまで、ロードサイドの居抜き物件におけるメリットやデメリット、選ぶ際のポイントを解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
開業を目指す業態によっては、駅前や繁華街よりもロードサイドの方が向いている場合があります。
また、じっくりとポイントを押さえながら物件選びをすれば、短期間で集客を増加させ、なおかつその集客数をキープすることもできます。