居抜き物件での飲食店開業を目指している方は、当然居抜き物件の内見を行う必要があります。
また、居抜き物件を内見するタイミングには、すでに閉店が決まっている飲食店の営業中と、完全に閉店した後があります。
今回は、それぞれのタイミングで居抜き物件の内見をするメリット・デメリットなどについて解説します。
営業中に居抜き物件を内見するメリットは?
すでに閉店が決まっている飲食店であっても、当然正式に閉店する日までは、これまで通り継続して営業されます。
また、営業中に居抜き物件を内見するメリットとしては、居抜き物件の売り手(現入居者)に、物件のあらゆることを質問できるという点が挙げられます。
例えば、その物件がある周辺エリアの環境、曜日による来客数の差、周辺のライバル店などの情報については、飲食店が閉店してしまった後では、直接聞くことができません。
その他、厨房設備の動作について、空調の効き具合について、あるいはメンテナンスの履歴などについても、その場で直接質問できるため、買い手自身が調べる手間を省くことができます。
もちろん、営業中のため、聞きたい情報をすべて聞き出せるとは限りませんが、直接物件についての話を聞きたい方は、営業中の内見ができるかどうか、売り手に交渉してみましょう。
営業中に居抜き物件を内見するデメリットは?
営業中に居抜き物件を内見する場合、設備等の不具合が隠されている可能性があります。
こちらの理由としては、買い手に対して隠し事をしているわけではなく、営業中の店舗において、来客に醜い部分を見せられないことが挙げられます。
また、排水ダクトやグリストラップの汚れなど、チェックするのが難しい部分が多いというのも、営業中に居抜き物件を内見する場合のデメリットだと言えます。
そのため、自分の目で1つずつ、確実に居抜き物件をチェックしたいという方にとっては、営業中の内見は向いていないと言えます。
閉店後に居抜き物件を内見するメリットは?
閉店後に居抜き物件を内見するメリットには、やはり買い手が自分の目で、隅々まで設備などについてチェックできるという点が挙げられます。
もちろん、営業中にチェックするのが難しい部分も、閉店後なら心おきなくチェックできます。
また、従業員も来客もいない状態のため、厨房内や厨房から客席、客席から入口などの動線確認もスムーズに行えます。
閉店後に居抜き物件を内見するデメリットは?
もちろん、閉店後に居抜き物件を内見する場合にも、少なからずデメリットはあります。
まず1つ言えるのは、営業中の内見と比べて、情報を集めるのに手間がかかるということです。
例えば、設備の清掃履歴について知りたいとき、営業中であれば「この設備には清掃履歴がありますか?」と売り手に尋ねるだけで、簡単に情報が手に入りますが、閉店後はそういうわけにもいきません。
また、営業中と比べて、開業後の経営の流れがイメージしにくいというのも、1つのデメリットだと言えるでしょう。
やはり、実際来客がいる状況で、厨房が稼働している画を確認する方が、何かと開業後のことを想像しやすくなります。
営業中に居抜き物件を内見する際のチェックポイント
前述の通り、営業中に居抜き物件を内見する場合には、現経営者の方や来客に配慮しなければいけませんが、以下の点は必ずチェックすることをおすすめします。
・床のぬめりがないかどうか
・動線以外の汚れがないかどうか
・厨房内は清潔かどうか
・害虫駆除用のエサの数はどうか(少ないほど良い)
・排気ダクト、グリスフィルター等はあるかどうか
閉店後に居抜き物件を内見する際のチェックポイント
閉店後は、よりくまなく居抜き物件を内見できるため、時間をかけて以下のようなポイントをチェックしましょう。
・入店時に油っぽいニオイがしないかどうか
・電気は点くか、厨房設備は正常に作動するか
・ガスや水道などは使えるか
・排気ダクト、グリストラップは汚れていないかどうか
・電気容量、ガス、水道のメーター容量が目視できるか
・近隣住民との関係(不動産会社に質問)
賃貸借、造作譲渡の契約内容を確認するのも忘れずに
居抜き物件での飲食店開業を目指す場合には、内見による物件のチェックだけでなく、賃貸借、造作譲渡の契約内容を確認するのも忘れてはいけません。
具体的には、造作譲渡の対象範囲、譲渡物品における破損の有無、リース契約の有無、清掃・引き渡し状況等の確認に関しては、必ず行ってください。
売り手と買い手の間で認識違いがあると、居抜き物件のオーナーにも迷惑がかかるおそれがあります。
まとめ
ここまで、営業中と閉店後、それぞれのタイミングで居抜き物件の内見をするメリット・デメリットなどについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ベストな選択肢としては、営業中と閉店後、両方のタイミングで内見に訪れることをおすすめします。
営業中に一度来店し、売り手から細かい情報を聞き出したり、経営のイメージを掴んだりした後、閉店後もう一度細かくチェックすることで、多くの情報が手に入ります。