居抜き物件での飲食店開業を目指す場合、いきなり物件探しを始めるのはおすすめできません。
物件探しには、周到な前準備が必要です。
また、重要なパートナーである不動産業者との付き合い方についても、あらかじめ心得ておく必要があります。
今回はこれらの点について詳しく解説しましょう。
居抜き物件探しの前準備について
飲食店の居抜き物件を探すにあたっては、まず以下の前準備を行いましょう。
・物件のイメージを固める
・他店を見に行く
・開業資金をシミュレーションする
・不動産業者の特徴を掴む
物件のイメージを固める
居抜き物件を探すには、まず自身が理想とする物件のイメージを固める必要があります。
何もイメージを持たず、不動産業者を訪れたところで、ピッタリの物件に出会えることはまずありませんし、そのような状態で物件を提示されても、良いのか悪いのか判断できません。
また、イメージを固めるということには、理想とする店舗の雰囲気や提供するメニュー、接客などをハッキリと想像するだけでなく、具体的な数字のイメージを持つことも含まれています。
例えば、価格帯や営業時間、後述する開業コストなど、さまざまな数字をイメージしておかなければ、居抜き物件選びは難航する可能性が高いです。
他店を見に行く
居抜き物件を探すにあたって、先に他店を見に行くというのも、大事な前準備の1つだと言えます。
先ほど解説した物件のイメージですが、これから飲食店を開業しようと考える方には、自身の目標とする店舗あるいはイメージに近い店舗があるはずです。
理想の店舗が、まったく前例のない店舗だというケースはほとんどありません。
よって、まずは自身のイメージする店舗、もしくはイメージにもっとも近い店舗に足を運び、そこからメニュー構成、価格帯、客層、営業時間といったヒントを得るというのも良い戦略だと言えます。
実際店舗に訪れることで、自身のイメージとのズレも再確認できるかもしれません。
開業資金をシミュレーションする
物件選びをするにあたって欠かせない前準備としては、開業資金のシミュレーションも挙げられます。
いくらコストを抑えやすい居抜き物件と言っても、やはり開業は限られたコストの中で行わなければいけませんので、こちらの金額は必ず試算しなければいけません。
始めての飲食店開業となると、開業資金をシミュレーションするのは決して容易ではありませんが、まずは自身が用意できる金額を算出するところから始めましょう。
このとき、自己資金にはある程度余裕を残すことを想定して、用意できる金額を弾き出さなければいけません。
なぜなら、飲食店は開業後も、運転資金という形である程度のコストがかかるからです。
もちろん、用意できる金額には、融資金額も含まれています。
また、その後には、自身が理想とする店舗の開業にどれくらいの開業コストがかかるのかをシミュレーションしましょう。
ちなみに、自身が実際用意できる金額と、理想の店舗を開業するための金額に大きな乖離がある場合は、ある程度コストを削ることも考えなければいけません。
不動産業者の特徴を掴む
居抜き物件を探す際には、不動産業者の存在が必要不可欠です。
自分自身の力で物件を探し出し、そちらのオーナーと直接交渉するようなケースはまずありません。
また、物件探しを仲介してもらう不動産業者には、大きく分けて2つの種類があります。
1つは、地域密着型の不動産業者です。
こちらは、いわゆる地元に強い不動産業者であり、それほど規模は大きくないことも多いですが、特定のエリアで良い物件を見つけたいという方には向いています。
そしてもう1つは、広域をカバーする大手の不動産業者です。
このような不動産業者は、取り扱う物件が多かったり、物件探しのノウハウを豊富に持っていたりすることが多いです。
物件探しをするのであれば、これらの特徴を明確にした上で、どちらに依頼すべきかを決定しましょう。
不動産業者との付き合い方について
不動産業者とうまく付き合うことで、居抜き物件は各段に探しやすくなります。
まず、不動産業者に物件探しを依頼する際には、できるだけ具体的に理想の店舗イメージを伝えるようにしましょう。
こうすることで、不動産業者がイメージに近い物件を紹介してくれる可能性はアップします。
また、物件探しを依頼する場合、積極性のアピールも重要になってきます。
不動産業者に依頼すれば、物件を次々に提示してもらえると思っている方もいるかもしれませんが、実際はそうとは限りません。
提示された物件情報に対するレスポンスが遅れたり、「別の物件が良い」といったような曖昧な要望ばかり伝えたりしていると、次第に紹介される物件数は減ってしまう可能性があるため、注意してください。
まとめ
居抜き物件探しをするには、前述した通りさまざまな前準備を行わなければいけません。
これらを行わずに不動産業者を訪れると、物件探しは滞ってしまうことが予想されますし、そのまま強行しても良い物件が見つかる可能性は極めて低いです。
よって、まずは焦らずに物件探しの土台をつくり、スムーズに開業するための環境を整えましょう。
